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監査法人の業務内容とは
監査法人の業務内容とはどういったものがあるのでしょうか。
日常では縁が少ない人が多いと思います。
改めて監査法人の業務内容について解説していきましょう。
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監査法人の業務内容:監査について
①監査の概要
監査とはある事象に対して、それが法律や基準等と照らし合わせて適切であるかを確認することを指します。
監査には品質監査、内部監査、業務監査、環境監査など様々な種類があり、その中でも公認会計士が所属する監査法人が行う監査は会計監査と呼ばれます。
監査法人が実際に行う会計監査の業務では、監査を依頼した企業が作成した決算書を確認し、間違いがないかどうか検討をして、監査を依頼した企業また外部に対しても報告を行います。
会計監査の目的は、決算書が会計基準に基づき適正に作成されているか否かについて監査意見を表明することにあります。
②監査が求められる理由
監査が求められる上場会社や規模の大きい会社などは、主に債権者など利害関係者が必然的に多くなります。
株主にとっては株価がどうなるか、債権者にとっては貸付金額を回収できるかなどを判断するにあたり、企業の経営状況や業績の動向を知ることは非常に重要です。
そのような企業の経営状況や業績を適時に反映するのが財務諸表であり、財務諸表が正しく企業の業績を反映していることを確認し、客観的に証明するのが監査の役割となるのです。
監査法人について
①監査法人とは
監査法人とは公認会計士法に基づき、会計監査を目的として設立される法人を指し、設立にあたっては公認会計士が5人以上いることが必要です。
監査法人はBIG4とよばれる大手監査法人をはじめ、準大手監査法人、中小監査法人とカテゴライズされることが多いです。
監査法人が行う主な業務は決算書に対する会計監査ですが、アドバイザリー業務も実施できます。
なお、監査先の企業に対しては独立性の観点から基本的には監査業務しか提供できません。
②監査法人の役割
会社の規模が大きくなったり、取引が複雑になったりするほど財務諸表の監査には公認会計士の人数も多く必要です。
そういった大規模な監査に対して組織的に質の高い監査を提供するためにも、公認会計士の集まりである監査法人という組織が必要なのです。
上場している大企業の多くは、グローバルな取引を手がけ、世界各地に拠点を持っています。
こうした企業の監査を行うためには、様々な専門分野を持つ公認会計士が世界中で対応する必要があり、これらの役割を監査法人という形で組織的に担うことができるのです。
また、国際取引に特化した公認会計士も必要でしょう。
③4大監査法人(BIG4)について
日本でいわゆる大手監査法人と呼ばれているのが4大監査法人です。
EY新日本、あずさ、トーマツ、PwCあらたの4社が4大監査法人にあたります。
4大監査法人とは、世界の主な大企業の監査業務や税務、コンサルティングを担う会計ファームの一員で、通称「BIG4」と呼ばれています。
4大監査法人は規模が大きいこともあり、クライアント数や業績も秀でており、日本でも多くの公認会計士が勤務しています。
監査法人の業務内容:監査の流れ
①監査契約
会社が監査法人に監査を受ける際は、監査法人との監査契約が必要となります。
監査法人としては監査契約を締結する前に、監査契約を締結するのが妥当であるかを確認するため、予備調査(ショートレビューとも呼ばれます)を実施します。
この予備調査はクライアントの経営状況や経営者の資質、株主構成、組織体系などを決算書の確認やヒアリング、関連資料のチェックなど監査より簡単な手続きで行います。
上場会社であれば、決算書も公開され、前任監査人の監査も受けていることから簡易な手続きで済むことが多いですが、非上場でこれから上場をめざす上場準備会社などの場合、監査の受け入れ体制もできておらず、これらの調査も時間がかかります。
なお予備調査の結果として監査契約に至らないこともあります。
予備調査の結果、監査を行っても問題がないことを確認できれば監査契約を締結します。
②監査
監査契約を締結したあと監査業務を行います。
監査を行うために適切な人員を集めた監査チームが組まれ、そこで監査計画を立案します。
これは監査チームの構成や重要な検討項目や金額の決定のほか、実際に行う往査範囲や時期等を計画することを指し、この監査計画を基に監査は進んでいきます。
決算書を監査するために各種契約書の確認、請求書や領収書また入出金のチェック、売上や利益の分析、経営者や監査役とのディスカッションなどを行います。
監査を行うにあたっては実際に監査先のクライアントに訪問して資料を閲覧し、会社担当者に対して質問などを行うことが一般的です。
③内部統制監査
また監査法人が行っている業務に、コーポレートガバナンス向上を目指す流れの中で導入された内部統制監査というものがあります。
内部統制監査は企業活動が適正かつ健全に行われているかを確認する業務であり、すべての上場会社が対象となっています。
内部統制監査を行うにあたり、監査法人は経営者や会社担当者への質問や会社が行っているチェックリストや関連資料の確認などを通じ、会社が作成した内部統制報告書が適切であるかをチェックします。
監査法人の業務内容:働くメリット
①専門性が高まる
監査業務を行ううえでは監査法人に入るのがもっとも効率的です。
監査法人に入るには公認会計士試験に合格する必要があります。
公認会計士試験の試験科目には会計学や会社法や税法、監査論が必須であるため、これらの専門知識が求められます。
このような専門知識を身に着けたうえで実際に業務を行うので、特定の専門分野について知見が深まり専門性が高まります。
公認会計士は難関資格を突破したということだけでなく、経験からも専門性が高まる職業です。
②ビジネススキルが身につく
監査業務では様々な業種や規模の企業を対象に行うことから、監査先企業のビジネスや経営状況、経営戦略を学ぶことができます。
若手であっても監査を通じて上場企業の経営陣や幹部と接する機会も多い仕事であり、専門家としてこれらの人に対してアドバイスをすることも多く、高いコミュニケーション能力や責任感が養われる仕事であると言えます。
まとめ
ここまで監査法人の業務内容について解説しました。
責任感の重い業務ではありますが、その果たす役割は多岐にわたりとても意義がある業務といえるでしょう。
Profile レックスアドバイザーズ
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