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社会保険労務士の需要は今後なくなる?現状と今後の展望について

更新日:2022.03.29

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社会保険労務士イメージ

社会保険労務士の資格取得をめざしている方にとって、今後の需要はどうなるかは気がかりではないでしょうか?AIの発達や業務の効率化により、これまで社会保険労務士が行っていた仕事がなくなるのではないかと不安視している人も多いようです。

 

この記事では、これから社会保険労務士を目指している人が知っておくべき社会保険労務士に関する基本的な知識や、今後社会保険労務士の需要はどのように変わるのかなど、今後の展望などについてご紹介します。

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1. 社会保険労務士とはどのような仕事なのか?

社会保険労務士はどのような業務を行っているのでしょうか。
社会保険労務士が扱う業務は幅広く、社会保険労務士法第2条において1〜3号業務に分類されています。
さらには特定社会保険労務士(特定社労士)のみが扱うことができる紛争解決手続代理業務があります。
ここでは、社会保険労務士に関する基本的な知識として、社会保険労務士と特定社会保険労務士の主な業務内容についてご紹介します。

社会保険労務士とは?

社会保険労務士とは、国家資格所持者であり、人材に関するエキスパートです。
社会保険労務士が専門性が高い書類の作成などを企業に代わり行うことで、企業は仕事にかかる時間や手間を削減することができます。 

この他に社会保険労務士の重要な役割として、事業の健全な発達と労働者の福祉の向上があげられます。
企業における採用から退職まで様々な場面において発生する問題を解決し、事業の健全な発達と労働者の福祉を向上させることを目指します。

1号業務の内容

1号業務の内容は主に書類の作成です。具体的な業務内容としては、労働保険関係の書類の作成と提出代行、健康保険や雇用保険などへの加入及び脱退手続き、助成金の申請などがあります。

2号業務の内容

2号業務の主な内容は帳簿や就業規則などの作成です。労働者名簿や賃金台帳の作成、就業規則の作成や変更などがあります。

3号業務の内容

3号業務の主な内容は、労働関係の相談や指導です。雇用管理や人材育成、人事、賃金、労働時間などのアドバイスやコンサルティングなどを行います。

特定社会保険労務士(特定社労士)による紛争解決手続代理業務

紛争解決手続代理業務は、厚生労働大臣が定める研修を修了し、紛争解決手続代理業務試験に合格した特定社会保険労務士(特定社労士)のみが扱うことができる業務です。
経営者と労働者との間にトラブルが発生した時に、間に入り調停や仲裁などの手続きを踏むことで、トラブルの解決を目指します。
出典:全国社会保険労務士会連合会『社労士とは』

2. 社会保険労務士の現状

社会保険労務士は今後需要がなくなるのではないかと心配する声が一部であがっています。
今後の需要についての理解を深める前に、社会保険労務士の現状としてどれくらい合格者がいて、実際にどれくらいの人が社会保険労務士として業務にあたっているのかについてご紹介します。

社会保険労務士になるには?

社会保険労務士として業務を始めるために必要な条件は、実務経験が2年以上ある場合とない場合とで異なります。

2年以上の実務経験がある場合は、社会保険労務士試験に合格後に社会保険労務士名簿に登録することで、社会保険労務士として働くことができるようになります。
実務経験の条件を満たしていない場合は、事務指定講習を修了後に社会保険労務士名簿に登録する必要があります。
出典:全国社会保険労務士会連合会『社労士になるには』

社会保険労務士の合格率と登録者数

2020年度における社会保険労務士試験の受験者数は34,845人で、そのうち合格者数は2,237人、

合格率は6.4%です。

社会保険労務士の登録者数は、2019年度末時点において42,887人でした。平均年齢は55.3歳と高く、年代別が占める割合は以下の通りです。

20代 0.4%
30代 8.1%
40代 29.5%
50代 26.4%
60代 21.0%
70代 10.8%
80代 3.4%
90代 0.4%

 

紛争解決手続代理業務を行うためには、紛争解決手続代理業務試験に合格し、講習を修了した後に特定社会保険労務士(特定社労士)になる必要があります。紛争解決手続代理業務試験の受験者数と合格率は、以下のように推移しています。

2019年度 935人 54.14%
2018年度 959人 62.24%
2017年度 932人 57.30%
2016年度 1,060人 63.49%
2015年度 1,211人 55.83%
2014年度 1,164人 62.34%
2013年度 1,299人 65.91%
2012年度 1,458人 60.29%
2011年度 1,707人 68.36%
2010年度 1,664人 54.05%

出典:全国社会保険労務士会連合会『社会保険労務士白書 第2章 社会保険労務士について』(p.47.51.52)

3. 社会保険労務士の今後

AIの発達などにより社会保険労務士の需要は減少するのではないかと、社会保険労務士の今後の需要を懸念する声が一部であがっています。
社会保険労務士の登録者数はこれまでにどのように推移しているのか、社会保険労務士の業務はAIに奪われてしまうのかなどについてご紹介します。

社会保険労務士の登録者数の推移

今後は需要が減少するのではないかと一部で不安視されている社会保険労務士業ですが、登録者数は年々増加傾向にあります。
2010年度から2019年度にかけて、以下のように推移しています。

2010年度末 35,801人
2011年度末 36,850人
2012年度末 37,784人
2013年度末 38,445人
2014年度末 39,331人
2015年度末 40,110人
2016年度末 40,535人
2017年度末 41,187人
2018年度末 42,056人
2019年度末 42,887人

出典:全国社会保険労務士会連合会『社会保険労務士白書 第2章 社会保険労務士について』(p.47)

社会保険労務士はAIに取って代わるのか?

社会保険労務士の1号業務や2号業務に該当する書類や帳簿などの作成が、将来的にAIに取って代わる可能性は十分にあります。
しかしながら3号業務にあたる相談業務がAIに仕事を奪われることは考えにくいです。というのは、相談業務には複雑で専門性が高い法律を理解した上で、個別に企業や個人に対応する必要があるためです。

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4. まとめ:社会保険労務士の仕事は今後もなくならない!

この記事では、社会保険労務士に関する基本的な知識と、今後需要はなくなるのかなどについてご紹介しました。
社会保険労務士の登録者の平均年齢の高さからも分かるように、社会保険労務士になるために年齢制限がないことも魅力です。社会保険労務士の仕事は今後もなくなることはありませんので、社会保険労務士試験の受験を検討されてみるのはいかがでしょうか。

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