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税理士試験科目合格者の年収は科目数とどのくらい関係があるのでしょうかか。
税理士になるには、長い道のりがあり、その間も仕事をしなければならない人がほとんどでしょう。
税理士試験科目合格者の年収について、科目ごとに解説します。
また、科目合格者がキャリアアップしやすくなるような事務所の選び方も併せて解説します。
関連記事:税理士試験科目合格者の転職事情
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税理士科目合格者の平均年収
税理士資格と関連のある業務が多い税理士事務所では、税理士科目合格者は高待遇で採用されやすくなっています。
理由は、特定の科目は税理士同等の知識を持っているからです。
多くの資格試験が、合格でなければ認められないのに対して、税理士資格は科目合格であっても採用先から評価されるという魅力的な資格といえます。
ただし、その分難易度は高く、科目別の合格率は10~20%と低くなっています。
参考までに、厚生労働省が公開している「令和2年賃金構造基本統計調査」を見ると、税理士の平均年収は約958万円となっています。
一般労働者の平均年収が約308万円であることから、やはり税理士の平均年収は高い水準であるといえるでしょう。
特に40代の平均年収は1,100万円を超えており、かなり高収入と言えます。
税理士の年収の現実についてはこちらの記事もご覧ください。
合格科目数別の平均年収
科目合格者の平均年収については、1~3科目合格者は、平均年収360~390万円が一般的です。
4科目合格者となると、平均年収約450万円と大幅アップします。
最終的に5科目(税理士資格取得)合格すれば、税理士未登録で約500万円。
税理士として登録をすると500~1,200万円とさらに年収が大幅アップすることも可能です。
まずはいち早く4科目合格し、そのまま5科目合格まで一気に走り抜けられれば、年収の大幅アップにつながると考えられるでしょう。
税理士資格に関連する業務を取り扱う税理士事務所などでは、税理士有資格者でなくても、科目合格数が多い人材は高く評価される傾向が強くなっています。
なぜなら、税理士試験に複数科目合格しているため、それだけ税理士に近い知識や能力を有していると判断されるからです。
また、実務経験を積むことで自分の市場価値が上がりますので、科目合格することは、資格手当以上の恩恵があるかと思います。
科目合格なしの場合の平均年収
全く資格を持っていない場合に税理士事務所に採用されるのは難しいかもしれません。
強い意志があるならば、根気をもって採用してくれるところを探すことをおすすめします。
しかし、科目合格していない場合でも、税理士に関係のある資格があれば採用される場合があります。
例えば、簿記3級を持っている場合の平均年収は約300万円です。
これは大卒の新卒くらいの額ですが、5科目合格者(税理士資格試験合格者)の年収が約500万円であることと比べると大幅に少ないと言えます。
税理士資格の影響の強さがわかるでしょう。
他にも採用されやすい資格は以下の通りです。
- 公認会計士
- 簿記
- FP技能士
- 不動産鑑定士
- 中小企業診断士
- 宅地建物取引士
- 社会保険労務士
- 国際会計検定
- FASS検定
参考までに、資格を持っていなくても採用してくれる事務所は、中小企業や個人事務所が多いようです。
それに対して大企業では大規模案件を多く扱っているため、即戦力を求めています。
従って、学歴や資格を優先する傾向があります。
ただし、コミュニケーション能力が高かったり、PCスキルがある、経理の実務経験があったりするなどの項目に当てはまる人は採用される可能性があります。
ここで注意したいのが、資格を持っていなくても採用してくれる事務所は離職率が高く、人手不足の可能性があるということです。
その場合は残業が多かったり、税理士としての経験にならない雑務ばかりだったりと、労働環境に問題があるかもしれません。
しっかりと求人や面接での質問などで確認する必要があります。
年収が高くなる税理士科目は?
具体的な待遇は、科目合格数1科目あたり月給が5千円〜1万円上がるようです。
従って、年収は6万円~12万円アップすることになります。
5科目合格であればなんと年収が30万円〜60万円アップするケースも。
その中でも特に収入が高くなる科目について解説します。
3科目合格から評価が上がる
科目合格によって税理士事務所での評価が特に上がるのは、3科目合格からです。
大手の税理士事務所では3科目以上合格のみ採用している所もあります。
したがって、税理士事務所に転職したい場合は、3科目合格時が良いタイミングと言えます。
注意したいのは、どの科目でも良いのではなく、評価が特に高い科目があるということです。
それは、必修科目である会計2科目と、必修選択科目である所得税法や法人税法です。
この3科目合格者が一番評価が高いと言われています。
そして、4科目合格以上になると引く手数多ですので、若いうちに4科目合格を目指せると良いかと思います。
税理士の年収が低いかどうか、こちらもご覧ください。
科目合格者として働きながら全科目合格による年収アップをさせる方法
科目合格者になったとしても税理士になれたわけではありませんから、再び試験を受ける必要があります。
その際には働きながら、プライベートの時間を勉強に割く必要があります。
どのようなことに気をつけたら良いのか解説します。
事務所選びの際に大切にすること
科目合格者が合格数を増やすためには、税理士試験の勉強をする必要があります。
ここで重要なのが事務所の選び方です。
残業や休日出勤が多かったりすると試験勉強の時間がなくなります。
繁忙期の残業時間が少ない事務所をなるべく選びたいところですが、そういう事務所は少ないかもしれません。
最低でも閑散期の残業時間が少ない事務所で、試験の日程が繁忙期と重ならない事務所を選ぶようにするといいでしょう。
また試験に対して理解のある事務所を選ぶことも大切です。
そういった事務所だと勉強会が開催されたり、試験前に時短勤務をさせてもらえたり、特別休暇をもらえたりします。
他には、同じ科目合格者がいれば、お互いに情報交換しあったり、励ましあったりできます。
勉強時間と実務時間の比率はどのくらいがいいのか
合格科目がないうちに税理士事務所で働くのは大変ですが、かといって5科目全て合格してから働こうとすると年齢が上がっていて転職しづらいケースがあります。
そこで、科目合格者の段階で税理士事務所で働くのがおすすめです。
税理士事務所で働きながら試験の勉強を並行して行うのは大変ですが、税理士関連の仕事の実務経験を積めるというメリットがあります。
一般的には必修2科目合格か、そこに選択必修1科目を加えた3科目合格の状態で税理士事務所に転職するのが良いとされています。
会計事務所の年間スケジュールについてはこちらの記事もご覧ください。
まとめ
本記事では税理士科目合格者の年収は科目数とどのくらい関係があるのかについて、科目ごとに解説してきました。
また、科目合格者がキャリアアップしやすくなるような事務所の選び方についても触れました。
総括すると、まず1〜3科目合格し、試験勉強に理解のある事務所に転職。
実務経験を積みながら4科目、5科目と合格科目を増やしていき、大幅な収入アップをしながら力をつけていくというのが一つのベストキャリアパスと考えられます。
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