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税理士業務はAIに奪われる?税理士の将来性を予想

更新日:2023.05.23

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近未来

近年AI(人工知能)が目まぐるしい勢いで発達しています。

実際、人間ではなくAIによっておこなわれている業務も少なくありません。


そんな中、税理士業務は将来的にAIに奪われてしまうのではないかという話が出ています。
現在税理士がおこなっている業務をAIが進めることになり、その結果税理士の立場や必要性が低くなるという予想です。

税理士業務はAIに奪われてしまうのでしょうか。

この記事では税理士業務とAIの関係性や、税理士の将来性について解説します。

AIは税理士の代わりになるのか

AIが本当に税理士の代わりとなるのかを考えていきます。
まずは、現在人の手でおこなわれている税理士業務やAIの実情を取り上げました。

そもそも税理士業務とは

まずは税理士業務について確認します。
主な税理士業務は以下のとおりです。

  • 税務代理
  • 申告書等税務書類の作成
  • 税務に関する相談
  • 記帳・経理・財務等の業務代行
  • 経営コンサルティング

このほかにもさまざまな業務があり、ひとくちに税理士業務といっても幅広いことがわかります。
上の3つは法律で定められている税理士の独占業務ですが、そのほかの業務も請け負う税理士が多いです。

単純な会計入力分野におけるAIの進化は大きい

AIと税理士業務の関係ですが、AIが参入している分野は0ではありません。
記帳代行に代表される会計入力分野においてのAIの進化は大きく、すでに活用もされています。

クラウド型会計ソフトに搭載されている自動仕訳機能が代表例です。
銀行やクレジットカードと連携し、取り込まれた取引にAIが自動で勘定科目を設定します。
あとはデータを確認して取り込み作業をおこなえば会計ソフトに反映されるため、ひとつひとつ手入力するのに比べてかなり時間短縮ができます。


人間による作業がまったくいらないわけではなく、取引データの確認や場合によっては修正が必要です。
設定された勘定科目が適切でない場合は修正してから登録しなければいけません。

はじめて出てきた取引にはまったく異なる科目が使われていることが多いです。
しかし一度設定すれば、そのあとに取り込まれた似たような取引に同じ科目を適用してくれます。

このように、税理士の業務においてすでにAIが活躍している分野は存在するのです。

今後のAI進化予想について

税理士業務におけるAIの今後ですが、さらに進化すると予想されます。
先述した会計入力については精度が高まり、人間による修正が必要な部分がより少なくなるでしょう。

そのほかの事務処理やデータ活用においても、AIが活躍する分野が広まる可能性が高いです。
多大な情報量を持つビッグデータの分析や活用はAIの得意分野であり、将来的には税理士業務においてもより取り入れられると予想されます。

このように、データ処理関係はAIが強いといえます。

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AIにできない税理士業務とは

データ処理についてはAIが強みを持っているとお話ししました。
ただし先述したように、税理士業務は会計入力のようなデータ処理だけではありません。
AIにはできない税理士業務について解説します。

コンサルティング業務

税務相談など税理士業務の中心ともいえるコンサルティングについては、AIに代わられる可能性は低いでしょう。


コンサルティングにはクライアントに対する丁寧なヒアリングが必要です。
それも全てのクライアントに対して特定の質問をすればいいわけではなく、聞き方を変えたり別の角度から考えたりすることもあります。
会計学や各種税法など、幅広い知識の活用や複合的な解釈も求められます。


このように深い思考や臨機応変な対応が必要な業務は、AIに代わられる可能性は低いでしょう。
AIは決まった処理や対応は得意ですが、自由裁量の余地が大きいコンサルティングを進めることは難しいです。

そのほかに申告代理や税務調査立ち合いなどの税務代理についても、専門家の必要性があります。
よって税理士の独占業務のほとんどはAIにできないものです。

特殊事項を考慮した処理

会計入力などのデータ処理においてすでにAIが活用されていると紹介しましたが、特殊事項を考慮した会計処理は得意としていません。

簡単なところでいえば、ひとつの取引で複数の勘定科目を用いる場合が挙げられます。
車両勘定や支払手数料勘定など、さまざまな科目が用いられる自動車の購入取引が代表例です。

このような取引は、明細を基に人の手でそれぞれ振り分ける必要があります。

似たような取引であっても、経費になる場合・ならない場合もあるでしょう。
仕事とプライベートが混同しやすい飲食費が代表例です。
内容をしっかり確認せずに経費計上してしまうと、場合によっては税務調査で指摘され、修正が必要になってしまいます。

状況判断や特殊事項の考慮はAIには難しいため、会計処理すべてを代わりに進められる可能性は低いです。

税法のアップデートも難しい

一度制定された税法がいつまでも使われるわけではなく、むしろ高い頻度でアップデートされています。
しかしAIは変化を考慮できないため、人の手による設定のし直しや教育が必要です。

そのため税法を用いる業務をAIがおこなうのはハードルが高いといえます。

税理士業務には移り変わる税法の考慮や最新版の把握などが求められますが、その分野にAIが入り込むのは難しいでしょう。
将来的には変化への対応も実現できるかもしれませんが、現時点においては想像しがたい部分です。

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AIに代わられない税理士になるには

税理士業務の全てがAIに代わられるわけではないとわかりました。
AIの進歩によって人の手がだんだん必要なくなる部分は、記帳代行などの会計処理が中心です。

ただしAIが税理士の代わりになる可能性は低いものの、会計処理を中心業務としている税理士は仕事が減ってしまうと予想されます。
そこで、AIに代わられない税理士になるための方法を紹介します。

コンサルティング力を高める

先述したように、AIはコンサルティングのような自由裁量の余地が大きい業務が苦手です。
この分野についてはAIに代わられる可能性が低いでしょう。
そのため、コンサルティング力を高めればAIに代わられない強みを持った税理士となれます。

税理士の独占業務である税務相談はもちろん、経営コンサルティングもできると業務の幅が広がります。
コンサルティングには知識だけでなく、わかりやすく伝える力や説得力・状況を考慮して判断する能力も必要です。

これらを鍛えるためにはとにかく経験を積むのが効率的です。
コンサルティング力を高めるために、相談業務を積極的に請け負うようにしましょう。

特定の業界に特化する

特定の業界や分野に特化するのも、強みを持つ税理士になるために有用です。
IT業界特化や芸能関係中心・国際税務に力を入れるなど方法はいろいろあります。
専門性が高く複雑な分野であるほどAIの参入は難しいでしょう。

そもそもAIへの対抗や税理士業務に限らず、特定分野に強みを持った専門家は需要が高いです。
特定の業界や分野に特化することで、他に代わられない税理士となれます。

人間味のある対応を強みにする

いくらAIが発展して優秀になったとしても、人間味や温かさを与えることは難しいでしょう。
人間味のある対応は人間にしかできません。
そのため、人間味のある温かい対応は大きな強みとなり得ます。

確かに、冷静かつ迅速ないわゆる隙や無駄のない対応を好むクライアントもいるでしょう。
しかし一方で、相手に温かさや業務だけの関係を超えたものを求める人もいます。
ビジネスライクな風潮が強まっている現代において、温かみのある対応を求める人も増えていると考えられます。

AIによる再現が難しい人間味のある対応を強みとするのもひとつの手です。

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まとめ

AIが急速に進歩していることは紛れもなく事実です。
実際に会計入力などのデータ処理分野においてはすでに活用されています。
さらなる発展も予想されるため、今後ますます税理士業務において活かされるでしょう。

しかしすべての業務がAIに代わられる可能性はかなり低いです。
AIは確かに有用ですが苦手な分野もあります。税理士業務のすべてがAIに奪われるとは考えにくいです。

AIに対応できない業務を強みとすることで、AIに代わられない税理士になれます。
税理士の立場や必要性がなくなることはないでしょう。

しかし税理士としてのあり方や求められるものが変化する可能性はあります。

AIに代わられない税理士になるためには、今回解説した内容を押さえていただければと思います。

Profile レックスアドバイザーズ

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