転職お役立ち情報
公認会計士の最初の就職先は、ほとんどの場合は監査法人です。
論文試験合格の時点で入社し、修了考査を経て正式に公認会計士として登録してキャリアを重ねます。
しかし、必ずしも全員がそのまま監査法人で働き続けるというわけではありません。
むしろ監査法人でずっと働く会計士は少数派で、ある程度の経験を積むとキャリアチェンジをするほうが多いといえます。
一般的にキャリアチェンジを決断する年代としては、20代後半から30代。
シニアからマネージャーのポジションで他の職種にチャレンジします。
公認会計士が監査法人の次にどのようなキャリアを築いていくのか、解説していきます。
公認会計士のキャリアの考え方
監査法人では公認会計士の独占業務である監査に従事し、会計士としてのキャリアの基礎を築きます。
監査法人からのキャリアチェンジを考えている場合、PO準備や内部統制構築、IFRS導入などのアドバイザリー業務を経験しておくと有利です。
転職のチャンスの幅が広がるでしょう。
実際の転職の際は、どうしてもその時点での希望や条件が主となります。
例えば、残業を減らしてワークライフバランスを整えたい、税務をやってみたい、年収は下げられないなどです。
もちろん直近の希望や条件も重要ですが、公認会計士の方は10年~20年後の目標や希望を考えることをオススメします。
20代や30代前半の方にはなかなか難しいかもしれませんが、大変重要です。
企業のCFOになりたい、コンサルティングファームの一線で働きたい、独立開業したいなどの目標が考えられます。
実は一度の転職ではたどり着かないケースがほとんどです。
最終的な目標を叶えるためにどのようなキャリアを選択するのか。
逆算で考え、かつ、直近の希望や条件を満たす転職を検討していかなければなりません。
監査法人からの転職タイミングに迷っている公認会計士
のための個別転職相談会
監査法人の次の転職先
【FAS系コンサルティングファーム】
公認会計士の転職先として人気があり、多くの会計士が在籍しているのがFAS系コンサルティングファームです。
M&A、企業や事業の再生、IPO準備支援を中心に、企業の会計に関わるあらゆる業務に携わります。
監査法人で培った経験や知識を活かせる場面が多くあり、年収に関しても監査法人時代から大きく下げることなく転職できるのが特徴です。
キャリア構築面での魅力としては、どの最終目標に対しても役立つスキルを身に着けることができる点があります。
ゆくゆくは企業のCFOになりたい場合、企業や事業再生でクライアントの経営者とガッツリと向き合い、企業のターニングポイントを支援することで学ぶことが多いでしょう。
また、IPO準備支援では、半常駐のような形で携わるファームもあり、企業の中に入ることを体験できます。
さまざまなプロジェクトに関わることで人脈も広がり、CFOとして迎えたいと声をかけられることもあります。
また独立開業をめざす場合もメリットがあります。
独立開業では会計事務所を選択することがほとんどです。
ただ、今は法人税の申告業務(法人顧問)の報酬が下落傾向にあり、税務だけではなかなかやっていけません。
再生や事業承継などをコンサルティングファームで経験しておけば、報酬の高いスポット業務を多く受注して安定経営をすることができます。
コンサルティングファームはあまり規模が大きくなく、中小のクライアントのプロジェクトが主のところを選ぶと良いでしょう。
コンサルティングファームの一線で活躍し、経営幹部になっていきたいと考えている場合は、転職が一度ですむこともあります。
しかし、最初はBIG4などの大手のコンサルティングファームで実務の力をつけ、自分のやりたいテーマを見極めて他のファームに移るケースのほうが多いといえます。
小さなディールを扱っているファームから大きなディールのファームへ移るのは簡単ではありません。
とくに若手の場合は大手コンサルティングファームからスタートするほうが良いようです。
【一般企業(事業会社)】
一般企業に転職する場合、最終目標はやや限定されます。企業のCFOや経営者など、ボードメンバーをめざす会計士が多いです。
ただし、監査法人から一般企業に転職してCFOなどをめざすのは簡単ではありません。
転職のタイミングでは監査の経験のみということが多く、この経験は企業ではあまり活かすことができません。
会計士というよりも、経理スタッフの一員として入社し、通常の人事制度に組み込まれます。
大手上場企業にスタッフとして入社すると、場合によってはジョブローテーションで会計には全く関係のない部署に異動になるケースもあります。
新興市場上場のベンチャー企業や、これから上場をめざすIPO準備企業などを選択し、入社後のキャリアについてもよく相談することが重要です。
また、年収については、監査法人時代よりも下がってしまうことがあります。
もともと企業に入りたかった、やりたい仕事があるなどの強い希望があれば別です。
監査法人でアドバイザリー業務の経験を多く積んだり、コンサルティングファームで財務や経営コンサルの経験を踏んだりしてからの転職も検討すると良いでしょう。
【会計事務所(税理士法人)】
会計事務所では、顧問先企業の会計や税務のアドバイスなどを行います。
公認会計士は税理士登録もできますので、会計事務所で独立したいと考える会計士がほとんどです。
そのため、税務を学びたいと会計事務所を転職先に選択することが多くあります。
たしかに監査法人で税務業務は行わないので、経験は必要です。
先ほどコンサルティングファームの項で述べたとおり、法人顧問業務の報酬は下落傾向にあり、税務だけができても安定的な経営は難しくなっています。
会計士としての強みを活かせるよう、スポット業務の経験も積める転職先を選択しましょう。
会計事務所の採用では経験者が優遇されるため、監査法人からの転職では年収面が低く抑えられることもあります。
独立まで何年間働くのか、独立のためにどれだけの資金を用意するのかなど、ある程度の計画性も重要です。
また、公認会計士が会計事務所に応募すると、「独立のために税務の経験を積みたいのだろう」「数年したら独立のために辞めてしまうだろう」と思われ、転職活動が難航するケースもあります。
独立希望者歓迎で、のれん分けやクライアントの持ち出しOKの事務所や、後継者候補としてそのまま引き継ぐことのできる事務所もありますので、事前の情報収集を行ってください。
まとめ
今回は監査法人からの転職を、その次のキャリアという視点で考えてみました。
公認会計士という難関国家資格を持っているからこそ、将来のキャリアを想定し、目標に向かって着実に進んでいくのが重要です。
もちろん、色々なキャリア構築の方法がありますので、絶対ではありません。
ぜひ色々な可能性を考え、チャレンジし、目標や希望を実現するキャリアを積んでいってください。
Profile レックスアドバイザーズ
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