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会計士の転職において、内部統制の仕事が人気を博しています。
内部統制とはどんな仕事なのでしょうか。
公認会計士は会計および監査の専門家です。
現代の会計業務および監査業務には、切っても切り離せない存在があります。
それが内部統制です。
企業の不正会計のニュースが後を絶たない今、求人募集でも『内部統制』というキーワードが目立ってきました。
メイン業務で募集されることは多くありませんが、事業会社・監査法人・コンサルティングファームで募集されている求人の業務内容に記載されていたり、応募条件に「内部統制の経験」と書かれていたりすることが多くなっています。
今回は、公認会計士として関わる内部統制に関する仕事の内容について解説します。
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会計士が内部統制を構築・維持する:事業会社の場合
昨今は以前にも増して事業会社に転職する公認会計士の方が多く存在します。
事業会社で内部統制に関する仕事を行う方は、内部監査室と呼ばれるような部署に配属される事が多いでしょう。
事業会社の内部統制:仕事内容
事業会社で内部統制を構築・維持する上では、具体的に以下のような仕事を行うことになるでしょう。
- 国内外の子会社・支店・工場に関する内部監査
ご存知の通り、内部監査は内部統制を構成する6つの要素のうちの1つ、「モニタリング」の一部です。
その内部監査の実施を仕事とするケースが多くなると思います。
- チェックリスト作成・業務文書化
これらは内部統制を構成する6つの要素のうち、「統制活動」に属するような仕事です。
具体的には、業務のマニュアルを整備したり、それをチェックリストにしたり、といったことが挙げられます。
文書としてまとめる作業です。
- 内部統制の整備状況評価
内部統制の整備状況を評価する仕事です。
内部統制の整備状況の評価は、一般的にはウォークスルーを通じて行うことが原則になります。
また、サンプルの抽出も重要な仕事です。
- 内部統制の運用状況評価
内部統制の運用状況を評価する仕事です。
一般的にはコントロールの実施者への質問・観察・関連文書の閲覧・再実施といった手続きを組み合わせて実施することが多くなります。
やはり、現場の方とのコミュニケーションが多くなります。
また、こちらでもサンプルの抽出は非常に重要です。
- 業務フローの改善・合理化に関する提案
内部監査や内部統制の整備状況・運用状況の評価を行います。
ただ業務フローが整備されているか・正しく運用されているかのチェックだけで終わるのではなく、それを通じて業務フローの問題点を洗い出し、改善提案をすることが非常に重要な仕事になります。
提案を踏まえて業務改善を繰り返し、会社の管理体制はレベルアップしていきます。
- 各拠点における管理職への説明会
内部統制の正しい整備および運用のキーになるのは、より上位の役職者です。
管理職に、内部統制についてしっかりと理解し、その整備および運用に対する意識を高めてもらうため、説明会を開くという仕事を任されるケースも少なくありません。
- 海外子会社・海外支店に向けた内部統制資料の翻訳業務
海外に関連会社などがある場合は、内部統制に関する資料を英語などに翻訳するのも、非常に重要な仕事です。
語学力が大きく活かせる仕事です。
事業会社の内部統制:やりがい
内部統制に関する仕事は、専門用語が頻出するうえ、細かい作業が必要とされることも多いです。
また、実際に現場で業務を行っているスタッフが、自分の業務が内部統制上、どういう目的で行われ、どういう意味を持つのかを理解していない場合も少なくありません。
非常に高いコミュニケーション能力が求められます。
さらに、自分自身が業務の内容や流れを理解していないと仕事にならないので、自分が実際に行ったことのない仕事に対するイメージ力もかなり求められます。
書類などをじっくりと読みこなせるというどちらかというと1人での作業をこなせる力と他者とのコミュニケーション能力の両方が必要です。
その2つを併せ持つ方にとっては、自分の能力をフルに生かせる非常にやりがいのある業務になるでしょう。
会計士が内部統制監査を行う:監査法人の場合
監査法人の内部統制:仕事内容
監査法人で内部統制監査を行う上での仕事内容は、事業会社で行う内部統制に関する仕事の内容と重複する部分が多いです。
- 作成されたチェックリスト、業務文書の合理性の検討
記載漏れや矛盾がないかをチェックします。
- 内部統制の整備状況評価・内部統制の運用状況評価
上にて記したように、会社は会社自身でもこの手続きをしますが、監査法人もやはり会社の外部からこの仕事をします。
ともにサンプルの抽出が非常に重要な仕事です。
内部統制の整備状況の評価は一般的にはウォークスルーを通じて行うことが多くなります。
実際は、キーコントロールの特定などのために、クライアントと非常に頻繁にやり取りすることになるでしょう。
ウォークスルーに関しては、ウォークスルー文書としてまとめることも重要な仕事になります。
内部統制の運用状況の評価では、やはり、コントロールの実施者への質問・観察・関連文書の閲覧・再実施などを行うのが原則です。
会社自身の行った評価にどの程度依拠できるか検証するのも、内部統制監査での重要な仕事です。
監査法人の内部統制:やりがい
基本的には、事業会社で内部統制に関する仕事をするのと同様です。
マニュアルや業務に関する文書の読み込みを通じて自分で行ったことのない仕事の具体的な内容をイメージするイメージ力。
さらにクライアントとコミュニケーションをしっかりと取る能力、両方の力が必要となります。
また本社の経理部や内部監査室など会計監査を通じてよく接する方だけでなく、工場・支店・子会社などさまざまな立場の方と接することになります。
仕事の難易度は高いと言えるでしょう。
その分、仕事を上手にこなせた時には大きな充実感があります。
会計士が内部統制をコンサルタントとして行う:コンサルティングファームの場合
コンサルティングファームの内部統制:仕事内容
内部統制に関するコンサルティングを行う場合は、下記のような仕事を任されることになるでしょう。
- 内部統制に関するスケジューリング
内部統制には、非常に多くの要求事項があります。
その全てをクライアントが自主的に理解し実行するのはかなり難しいです。
そこで、コンサルタント側がスケジューリングを行い、クライアントによくスケジューリングについて理解してもらいます。
ゆくゆくはクライアントが自主的にスケジューリングできるよう、サポートを行うのも大切な業務です。
- 内部統制ツールの提供
内部統制の構築および維持には内部統制に関する手続きなどを行うツールが不可欠になります。
そのツールを提供し、使い方について説明するのも、内部統制コンサルタントの仕事です。
- 文書化プロセスの立案及び実行サポート
業務について文書化するのは内部統制の構築および維持において非常に重要な意味を持つプロセスです。
どういったことを文書化すべきで、実際にどのように作業すればよいのかについて、クライアントに代わって立案。
クライアントが実行していくのをサポートします。
- 内部統制の整備状況・運用状況評価のサポート
内部統制は適切に行われていなければ意味がありません。
上記のように会社は会社自身でも内部統制を行っているので、その業務をサポートします。
- 監査法人との折衝サポート
内部統制監査を受けるうえで、クライアントはクライアントに対して監査を行う監査法人とさまざまな折衝を行うことになります。
そのサポートも業務のひとつです。
- セミナー開催等
会社で内部統制に関する仕事をする方の知識を高めてもらう必要があるので、セミナーなどを開催することもあります。
コンサルティングファームの内部統制:やりがい
監査法人の内部統制監査に加え、内部統制に関するコンサルティングを会社が受けているということは、そうした仕事の知識や経験を持つ方が会社に不足しているという事情がある可能性が高いです。
また、会社としてしっかりと内部統制を構築・維持しレベルアップしていきたいという意思を持っていからだとも言るでしょう。
成長を志向するクライアントのニーズに応えることには大きなやりがいを伴います。
特に、クライアントから質問を受け、それにしっかりとお答えしつつプラスアルファの価値を提供できた時には充実感があります。
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