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ビジネス実務法務検定とは、コンプライアンスに関する知識の習得に役立つ資格です。
初心者向けから難関までグレードが幅広く、独学でも合格を狙えます。
学生の人も早めに取得することをおすすめするほど、人気が高まっています。
今回はビジネス実務法務検定について解説します。
この資格を取得することで、どうキャリアアップにつながるかも触れます。
ビジネス実務法務検定の魅力を知って、転職やキャリアアップにつなげていきましょう。
ビジネス実務法務検定とは?
試験の概要 |
1級 |
2級 |
3級 |
試験方式 |
CBT方式(統一試験) |
IBT方式/CBT方式 |
IBT方式/CBT方式 |
解答方法 |
論述 |
マークシート (多肢選択式) |
マークシート (多肢選択式) |
試験時間 |
共通問題(90分) 選択問題(90分) |
90分 |
90分 |
合格基準点 |
共通問題と選択問題で200点満点のうち各問題ごと得点50%以上かつ合計点が140点以上 |
100点満点70点以上 |
100点満点70点以上 |
受験料 |
9,900円 |
7,700円 |
5,500円 |
試験回数 |
1回/年 |
2回/年 |
2回/年 |
申込期間 |
11月 |
5月・9月 |
5月・9月 |
試験期間 |
12月 |
6月中旬から7月上旬 10月下旬から11月上旬 |
6月中旬から7月上旬 10月下旬から11月上旬 |
受験資格 |
なし |
||
想定対象者 |
すべてのビジネスパーソン |
法務を取り扱う部署の人材 管理職員 |
法務を取り扱う部署の責任者 弁護士や司法書士 |
ビジネス実務法務検定では、1級・2級・3級に分けられており、自分の能力に応じて学習できるのが特徴です。
2級と3級は、多肢選択式のマークシートですが、1級は論述しなければならないので注意しなければなりません。
選択の場合、暗記や感覚で解けることもありますが、論述は深い理解が求められるので日頃から理解重視の勉強が必要です。
試験方式としては、CBT方式とIBT方式の2種類があり、1級はIBT方式は選択できずCBT方式しかありません。
CBT方式とは、各地のテストセンターにあるパソコンで受験する方式で、利用料が+2,200円なので1級は受験料9,900円と利用料2,200円で実質12,100円です。
一方で、2級と3級はIBT方式を選択可能であり、受験者自身のパソコンやインターネット環境で受験することができます。
1級は、共通問題2問と選択問題2問による出題ですが、得点50%未満の問題がある受験者の内、得点上位者を準1級として認定される場合もあるのが特徴です。
合格まではいかないものの、幅広い受験者に活躍の機会を与えるのを想定して設けられている制度です。
ビジネス実務法務検定の合格率
ビジネス実務法務検定の学習を始める場合、各級における受験者数や合格者数による合格率を把握しておく必要があります。
合格率を理解した上で、どのように学習を進めていくのか戦略的に考えて計画していくのが大切です。
2024年度の試験の合格率
試験回 |
級 |
受験者数 |
実受験者数 |
合格者数 |
合格率 |
第56回 |
2級 |
7,697人 |
6,586人 |
2,759人 |
41.9% |
3級 |
10,365人 |
9,338人 |
4,321人 |
46.3% |
|
第55回 |
2級 |
6,383人 |
5,454人 |
1,828人 |
33.5% |
3級 |
9,227人 |
8,285人 |
3,348人 |
40.4% |
|
合計 |
2級 |
14,080人 |
12,040人 |
4,587人 |
38.1% |
3級 |
19,592人 |
17,623人 |
7,669人 |
43.5% |
2023年度の試験の合格率
試験回 |
級 |
受験者数 |
実受験者数 |
合格者数 |
合格率 |
第54回 |
1級 |
589人 |
467人 |
49人 |
10.5% |
2級 |
7,301人 |
6,351人 |
2,455人 |
38.7% |
|
3級 |
8,999人 |
8,259人 |
4,392人 |
53.2% |
|
第53回 |
2級 |
6,037人 |
5,218人 |
1,523人 |
29.2% |
3級 |
8,027人 |
7,344人 |
3,511人 |
47.8% |
|
合計 |
1級 |
589人 |
467人 |
49人 |
10.5% |
2級 |
13,338人 |
11,569人 |
3,978人 |
34.4% |
|
3級 |
17,026人 |
15,603人 |
7,903人 |
50.7% |
ビジネス実務法務検定1級の合格者数についてはこちらの記事もご覧ください。
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ビジネス実務法務検定における勉強時間の目安
ビジネス実務法務検定を学習するにあたって、合格までの勉強時間を把握しておくのが肝心です。
必要な勉強時間を理解して、自分のライフスタイルに合わせて計画的な学習を心掛けていくのが合格への鍵を握ります。
ビジネス実務法務検定3級の目安
ビジネス実務法務検定3級に合格するためには、40〜60時間程度の勉強時間が必要になります。
毎日勉強ができれば、1カ月程度で合格を目指せるので社会人でも無理なく時間確保が可能なレベルです。
これから就職を行う学生が、実務における基礎的な法務を学んでおくために受験するのも有益と言えます。
業務上理解しておくべき法務における基礎知識を学ぶことが出来るため、すべてのビジネスパーソンが学んでおきたい知識です。
難易度は、そこまで高いわけではありませんが法務を学んだ経験のない人にとっては、学習しづらい内容が多いかもしれません。
法務の基礎を覚えていく必要があるので、少しずつ継続的に勉強していくと効率的に学習できます。
ビジネス実務法務検定2級の目安
ビジネス実務法務検定2級に合格するためには、60〜80時間程度の勉強時間が必要になります。
1日1時間学習を行ったとして、2~3カ月程度で合格を目指せるレベルであり、計画的な学習が必要です。
覚えていくだけではなく、3級の学習内容を活用していくのでロジカルに考えて理解する能力が問われてきます。
多忙な社会人や学生など、毎日の時間確保が難しい場合には休日に勉強時間を増やすなど調整を行っていかなければなりません。
企業の取引や契約に関わる法務、企業財産の管理に関わる法務、債権の回収・担保など幅広く学習を行わなくてはなりません。
法務を行っている部門や、管理職に就いているビジネスパーソンにおすすめな学習内容と言えます。
ビジネス実務法務検定1級の目安
ビジネス実務法務検定1級に合格するためには、80時間以上の勉強時間が必要になってきます。
200時間以上かかってしまう場合もあるので、戦略的な学習を継続していかなければなりません。
法務の知見がある人や勉強時間を確保できる人は、数カ月程度の学習で合格する人もいます。
自分が合格までに必要な勉強時間を考えながら、中長期的に日常の中で時間を確保していくのが賢明です。
行政書士や社会保険労務士と同等のレベルと言われることもあり、難易度は高いと言えます。
法務を行っている部門の責任者、弁護士や司法書士などの法律の専門家におすすめな資格です。
ビジネス実務法務検定と日商簿記の合格率比較
合格率の比較(目安) |
ビジネス実務法務検定 |
日商簿記検定 |
1級 |
10% |
10% |
2級 |
40% |
20% |
3級 |
70~80% |
40~50% |
ビジネス実務法務検定と日商簿記検定を合格率で比較すると、2級と3級は2倍程度ビジネス実務法務検定の合格率が高い結果です。
一方で、1級に関してはビジネス実務法務検定が論述式になるのに伴い、合格率は両者で同じ水準と言えます。
日商簿記検定と比較して、ビジネス実務法務検定は3級から2級、2級から1級と上がっていくに従って急に難しくなったと感じるかもしれません。
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ビジネス実務法務検定取得に向けた勉強のポイント
ビジネス実務法務検定の取得を目指していく場合には、計画性のない闇雲な勉強はNGと言えます。
ポイントを的確に押さえて学習することで、効率的に学んでいくのがビジネス実務法務検定を取得するためには大切です。
公式のテキスト・学習サポートを利用する
ビジネス実務法務検定では、運営元である東京商工会議所より公式のテキストと問題集の利用がおすすめされています。
業務に役立つ内容が掲載されているので、学習をしていくにつれて業務を円滑に行っていけるようになり有益です。
通信講座(eラーニング)で学習できるので、いつでもどこでも勉強できるので効率的に学習できます。
セミナーが開催される場合もあるので、実践的な内容を学んでいける学習サポートを利用することも可能です。
過去問に挑戦する
テキストの学習は、インプットを重視していくため内容は覚えられても、知識を活用するのは難しいです。
問題集を解いていくと、アウトプットできるようになりますが実際の出題とは異なる部分も多いと言えます。
実際に出題された過去問によって、実践的な内容に慣れていくと点数を取れるようになってくるので大切です。
問題集が解けるようになったら、積極的に過去問に挑戦していき、どうしたら解けるようになるのか考えていくのが合格への近道になります。
戦略的なスケジュール管理
社会人や学生など、日中勉強をする暇のない人は特に時間を確保するのが難しく戦略的な学習が必要になってきます。
合格点を獲得するためには、どのような行動をしなくてはいけないのか明確にして、必要な時間を把握することです。
いつどの論点を学習していくのか、試験日から逆算して達成可能なレベルでスケジュールを組んでいくと有用な予定になります。
スケジュール管理が出来れば、無駄のない学習になるので効率的な勉強をしていけるようになり有用です。
ビジネス実務法務検定は将来転職に有利になるのか
ビジネス実務法務検定とは、東京商工会議所が主催する民間の検定試験です。
コンプライアンス意識の高い企業への転職で、特にビジネス実務法務検定があると有利とされています。
法務部門だけでなく、色々な職種で活用できる資格なので、転職活動を有利に進めるために取得をおすすめしたい資格の一つです。
法律知識をアピールすることができる
ビジネス実務法務検定があると、法律知識が豊富であることをアピールできます。
あらゆる業種で企業活動の重要分野を幅広くカバーできるのも、ビジネス実務法務検定の注目ポイント。
注目度の高い資格なので、仕事の質アップに繋げるための資格として、キャリアアップしたい方や有名企業からも期待が寄せられているでしょう。
ビジネス実務法務検定を取得することで、契約関係や財産の権利関係、企業組織の仕組みなどに詳しいことを面接などでアピールできます。
特にコンプライアンスを重んじる企業への印象アップに効果的で、豊かな法律知識がある人への高い評価に結びつきます。
法務のキャリアパスについてはこちらの記事もご覧ください。
2級以上持っていると将来に有利に働く
ビジネス実務法務検定の2級以上から転職で高く評価されるようになります。
3級より2級の方が法律実務に活かせる知識が多いからです。
法律知識が豊富な人材を欲している会社にとって、ビジネス実務法務検定の取得者は強力なサポーターと言えます。
将来に有利に働くための資格として、ビジネス実務法務検定の合格を目指すのもいいでしょう。
将来ビジネス実務法務検定を取得しといたほうがいいメリット
転職後にビジネス実務法務検定を取得することで、昇進・昇給に繋がることもあります。
重要なポストの獲得や給与アップを狙っているなら、ビジネス実務法務検定に合格できるように頑張るのも、明るい将来にするための一つの方法です。
ビジネス実務法務検定の場合、司法書士などの出題範囲が重複するため、資格取得後に司法や法務関係の士業へと活動領域を広げられます。
より多くの仕事を獲得するチャンスが欲しい方にも、ビジネス実務法務検定の取得をおすすめします。
法律の勉強をすることで実務能力を高められ、業務をしながら企業を守るための活動に取り組めるようになり、社内での貴重な人材としての存在価値を高められます。
法律知識に詳しい人材が企業を支える柱となり、縁の下の力持ちとしての信頼感を高めます。
ビジネスに必須の法律知識を得ることができる
ビジネス実務法務検定は、取引や知財管理など、法律実務に関する知識習得に有効です。
ビジネス実務法務検定の受験者の場合、建設業やサービス業など業種が数多くあり、どれほどニーズが高い資格なのか推測できます。
あらゆる業種に通用する法律知識を学べるので、訴訟問題などのトラブルに備えて、ビジネス実務法務検定の取得を推し進める企業が多くなっていくかもしれません。
社内に法律に詳しい人がいれば、契約書の不備により不利益を被るなどのトラブルに対応できます。
企業活動に必要な人材確保の一環として、ビジネス実務法務検定を取得する価値は大いにあります。
法律知識を学ぶメリット
ビジネス実務法務検定では、民法・商法・会社法など、企業実務と関連の深い法律知識を学べます。
学んだ知識で法律の理解力が深まり、運用スキルも習得でき、幅広いビジネスシーンで重宝されることになります。
営業職の方に法律知識が備わっていることで、法務部門に問題の火種となっている現場を確認してもらう必要がありません。
自ら問題に間違いがないか現場で確認し、トラブル解決のための適切な判断を下せます。
管理職には労働基準法に関する知識が要求されますが、その場合でもビジネス実務法務検定で身に付けた知識があれば、契約に関することなどでトラブルに見舞われる可能性が低くなります。
キャリアアップにつながる可能性があること
ビジネス実務法務検定は、キャリアアップのきっかけにもなり、2級以上を取得することで実力の高さを証明できます。
2級はビジネスパーソン、候補を含む管理職向けで、就職や転職の際、書類選考や面接時のアピール手段として活用できる資格です。
法律関係に特化した人材として面接官に好印象を与えられるため、イメージアップに繋がります。
ビジネス実務法務検定で2級の合格を目指す場合、公式テキストや独学で受かった人が使っていた問題集などを活用するといいでしょう。
合格者が使用していたテキストも合格を勝ち取るためのアイテムに含まれるので、ビジネス実務法務検定の合格にぜひ活用してみてください。
独学なら半年から1年くらいの期間で勉強すれば、2級の合格が見えてきます。
1級の場合合格がかなり難しいとされて、社労士や行政書士と同じくらい難易度が高いです。
1級の合格にはかなりの勉強時間が必要なので、資格学校を活用し、効率性の高い勉強で知識を高めていくことをおすすめします。
ビジネス実務法務検定の将来性
ビジネス実務法務検定を取得後、仕事の幅が広がるなど将来が明るくなり、貴重な人材として重要視されるようになります。
人によっては、ビジネス実務法務検定の取得をきっかけに、色々な企業から引っ張りだこになるケースもあります。
法律知識の高さを企業に知ってもらう上で、ビジネス実務法務検定が効果的です。
だからこそ法律に精通した人材が欲しい企業への転職手段として、ビジネス実務法務検定が強力な武器となります。
2級までは取得してもいいが1級を目指すなら他の国家資格を
ビジネス実務法務検定の場合、2級までは独学で合格の可能性がありますが、1級ともなると合格が難しいため、他の国家資格の取得を検討してもいいかもしれません。
例えば司法書士は国家資格なので、仕事の幅を広げるのに役立ちます。
より多くの仕事を得るためならば、ビジネス実務法務検定の1級合格にこだわる必要はありません。
ビジネス実務法務検定の1級の取得が困難であれば、司法書士へのシフトチェンジも視野に入れましょう。
司法書士の取得目安は2年なので、就職や転職活動をしながら2年で合格を狙えるのか、よく考えた上で司法書士の合格を目指しましょう。
司法書士とは不動産の権利関係に関わる資格で、登記業務のエキスパートとして活躍するために必要です。
行政書士と一緒に取得することで、独立開業も夢ではありません。
さらなるキャリアアップの手段として、司法書士の取得も考慮してみてはいかがでしょうか?
まとめ
ビジネスマンとしての将来を良くするために、ビジネス実務法務検定の取得に踏み切ることも、自分が望んだ通りの未来を歩むための立派な決断です。
ビジネス実務法務検定が、社内で重要人物としての地位確立に一役買うでしょう。
就活や転職活動の支えにもなる資格であり、キャリアアップのきっかけとして、ビジネス実務法務検定の取得を目指すのもおすすめです。
Profile レックスアドバイザーズ
公認会計士・税理士等の有資格者をはじめとする会計人材専門特化した人材紹介会社。
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