転職お役立ち情報
出向といっても在籍出向と転籍出向では、全く意味が違います。
出向を命じられた方にとっては、何に違いがあるのかわからず困っている方もいるでしょう。
違いが分からずに、出向をすべきなのか決め切れない方もいるかもしれません。
そこで今回は、在籍出向と転籍出向の違いとそれぞれのメリットについてご紹介致します。
出向の話をもらっていてどうするべきか迷っている方や、転職を選ぶか出向を選ぶか選択を迫られている方は、ぜひ参考にしてください。
在籍出向と転籍出向の違いについて
まず出向とは、グループ会社や子会社などの関連企業に社員が異動することです。
この出向には、『在籍出向』と『転籍出向』の2種類があるのです。
多くの方が持っている出向のイメージは、在籍出向の方でしょう。
在籍出向とは、出向元の企業に籍を置いたままの状態で出向先の企業と雇用契約を結ぶことです。
在籍出向の場合は、出向先の企業で一定期間働いた後に、出向元の企業に戻ることが前提の契約になっています。
反対に転籍出向とは、出向元の企業との雇用契約を終了して出向先の企業との雇用契約を結ぶことです。
転籍出向の場合は、出向元の企業と雇用契約を終了しているので出向元の企業に戻る予定はありません。
転籍出向することは、ほとんど転職するのと変わらないのです。
このように在籍出向と転籍出向の違いは、出向元の企業との雇用契約が続いているかどうかです。
またどちらであったとしても、出向は従業員本人の同意がなければ行われないものになっています。
在籍出向のメリット
在籍出向と転籍出向の違いを知ると、多くの方が在籍出向の方が良いのではないかと思うでしょう。
しかし従業員にとって、それぞれにメリットがあるのです。まずは、在籍出向のメリットを4つご紹介していきます。
- 視野が広がる
- 経験が積める
- 出世につながる
- 籍が出向元の企業に残っている
1つ1つ解説していきます。
視野が広がる
出向を経験すると、出向元の会社では気づけなかった視点に気づくことがあります。
出向はグループ企業や子会社への異動なので、仕事内容がガラリと変わらないこともあるでしょう。
しかし新しい環境で今まで出会ったことのなかった人々と働き、これまでに伺ったことのなかった営業先に行くようになります。
これまでに入って来なかった情報を得ることもあるでしょう。
そうした小さなことから少しずつ視野が広がっていくのです。
経験が積める
出向元の企業でしていた仕事と、全く同じ仕事を出向先の企業でもするとは限りません。
例えば出向元の企業では、回ってこなかった仕事が回ってくることもあるでしょう。
上司にいつも提案しては断られていたものを賛成してもらえて、やりたかった仕事ができることもあるかもしれません。
このように出向元でできなかった仕事が出向先の企業ででき、経験が積めることもあります。
さらに主体的に行動出来るようになったり、より仕事に向かう意欲が増すようになる方もいるようです。
出世につながる
出向は、左遷と同じように悪いイメージを持たれることも多いです。
しかし、出向から戻ってきて出世する方も少なくありません。
企業にとって出向を行う目的の1つは、多くの経験を積ませてスキルアップさせるためです。
そのため、昇進の可能性がある方の方が出向を命じられていることも多くあります。
例えば、経営不振に陥っている会社に出向で行き業績を回復させれば、出向元の企業に戻ってから出世は間違いないでしょう。
実績を作るために出向をしたいと思っている方もいるほどです。
籍が出向元の企業に残っている
戻れるところがあると、やはり人は安心します。
出向先の企業で、仮に期待されたほどの結果が残せなかったとしても、戻るところがあれば不安は大きくならないでしょう。
また、戻るところがあるのなら大丈夫だと、出向先の企業で思いっきり挑戦できるのです。
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転籍出向のメリット
続いて、転籍出向のメリットを3つご紹介していきます。
- 解雇されずに次の仕事が保証されている
- 別の仕事ができる
- 新しいキャリアが作れる
1つ1つ解説していきます。
解雇されずに次の仕事が保証されている
転籍出向は、ほとんど転職と変わらないようなものですが、次の仕事先が保障されている点が1番のメリットでしょう。
例えば会社の業績が伸び悩んでいる場合は、解雇される可能性も視野に入れて転職活動を始めます。
しかし転籍出向であれば出向先の企業選びは、出向元の企業が現在との雇用条件と照らし合わせて選んだ企業です。
そのため、納得がいかない企業に出向する可能性が低いのです。
転職であれば、全く希望していなかった待遇の企業に決まることもあります。
その点に関しては、転籍出向なら安心できる方が多いでしょう。
別の仕事ができる
キャリア形成を考えた時に、別の仕事がしてみたいと思うこともあるでしょう。
転籍出向なら転職するよりもリスクを抑えた状態で、新しい仕事にチャレンジすることができます。
ある程度の年齢になると、別の仕事を始めることが大きなリスクになることもあるでしょう。
しかし転籍出向なら、新しい仕事にも挑戦しやすくなっています。
新しいキャリアが作れる
出向先の企業で、これまでと同じ業務を任されるとは限りません。
人によっては、これまでの業務と全く関係のない仕事を任されることもあります。
最初は大変かもしれませんが、キャリアの幅が広がることは間違いないでしょう。
これから先のキャリアプランが定まっていない方には、貴重な経験になるはずです。
戻った際に出世する方がいることで、在籍出向の方が良いのではないかと思う方もいるでしょう。
しかしこれらのメリットから、人によっては、転籍出向を望んでいる方もいるのです。
在籍出向と転籍出向の出向元のメリットの違いとは
在籍出向と転籍出向の出向元企業のメリットの違いを1つずつご紹介していきます。
在籍出向の出向元企業のメリットは、余剰人材を活用できることです。
出向元の企業は、人件費を抑えたまま従業員に経験を積ませることが可能になっています。
反対に転籍出向の出向元企業のメリットは、雇用過多を整理することができることです。
解雇するわけではないので、従業員からの印象を悪くすることなく従業員数の調整を行うことができます。
在籍出向と転籍出向の受入先のメリットの違いについて
在籍出向と転籍出向の受入先企業のメリットの違いを1つずつご紹介していきます。
在籍出向の受入先のメリットは、組織が活性化することです。
組織の中に優秀な人材を投入すると、その従業員の能力や仕事の結果に触発されて組織全体の士気が上がります。
そして、転籍出向の受入先企業のメリットは、採用コストの削減です。
株式会社マイナビが2019年に行った調査によると、企業が中途採用のためにかけている年間費用は、平均約83万円でした。
この費用が浮いて尚且つ優秀な人材が受け入れられるならと、転籍出向を積極的に受けいれている企業もあるほどです。
まとめ
今回は、在籍出向と転籍出向の違いとそれぞれのメリットについてご紹介致しました。
出向に対してのイメージが悪い方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。
在籍出向にも転籍出向にも、それぞれに従業員にとってのメリットはあります。
出向を命じられている方は、出向先企業の雇用契約の内容とこれから思い描くキャリアプランを照らし合わせて出向するか決めましょう。
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