転職お役立ち情報
みなさんは履歴書の正しい書き方をご存じでしょうか?
今までなんとなく記入していた、という方も多いかもしれません。
就職活動・転職活動の際に準備をしますが、一生のうちに何度も作成するものではありません。
10年ぶり・15年ぶりに作成すると、以前とはいつの間にかトレンドが変わっているということもあります。
ササッと作成して応募をしていたところ、知らないうちにビジネスマナー違反をしてしまい、なかなか書類選考に通過しなかった…なんて苦いエピソードも耳にします。
転職活動の第一歩となる履歴書ですから、きちんとしたものを準備したいですね。
そこで今回は、会計士・税理士のための基本的な履歴書の書き方と、採用者へ好印象を与えるマナーについて紹介します。
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1:好印象を残す!履歴書のアピールポイント
転職する理由や、転職に至った背景などは人それぞれ……。せっかくアピールできるチャンスなのに、マニュアル通りの履歴書では採用担当者も「どんな人なのか?」が読み取れず、“採用されない書類”になってしまうことも……。それではもったいないですよね。
採用担当者に好印象を与える履歴書には、どのような特徴があるのでしょう?
まずは簡単に3つのポイントをあげておきます。
①パッと見た第一印象が整っていて、誤字・脱字がないこと
手書き・PC作成を問わず、第一印象は大切です。
手書きの場合は、修正があるような履歴書はNGです。もし書き損じてしまった場合は、新しい用紙に書き直すよう注意しましょう。
PCで作成する場合も、フォントや文字の大きさが不自然にバラバラであったり、書式が乱れたりしていないか確認しましょう。
②空欄をなるべくなくす
空欄をなるべくなくすことも重要なポイント。
もし初めての転職なら、職務欄の少ない用紙をチョイスするなどして、工夫すると良いでしょう。
③応募先企業について事前に調べたうえで「志望動機」を書くよう心がける
履歴書の中でもっとも自分をアピールできる「志望動機」の欄では、ありきたりな表現は避け、応募先企業の特色や業務内容について、事前に調べたうえで具体的に書くよう心がけましょう。
また、選考する立場である企業は、入社意欲・入社後の活躍度・定着性を見極めたいと考えていますので、この3点を意識して作成していくことをお勧めします。
自分の長所と短所をどのように活かせるのかアピールできる、「自己PR」欄もぜひ活用していきましょう。
それぞれを詳しく解説するとともに、会計士・税理士のための、会計業界で役立つ履歴書の特徴をお伝えします。
2:【会計士・税理士】必見!会計業界における履歴書の特徴
会計業界においても基本的な履歴書の書き方は変わりませんが、他の業界とはすこし異なるところ、アピールポイントとして記載しておきたいところがあります。
公認会計士・税理士という国家資格を持つ方だけではなく、めざしている方や会計業界に転職をしたい方もぜひおさえておきましょう。
資格欄には受験した試験も記載する
履歴書の資格欄には、通常は取得した資格を記載します。
けれど会計業界の場合、勉強して知識を蓄積したことも評価されるので、合格発表前、あるいは残念ながら落ちてしまった場合でも記載するケースがあります。
税理士試験の場合
直近の税理士試験の受験実績については記載しておくと良いでしょう。
●●●●年8月 税理士試験法人税法受験
上記のような形式になります。
合格発表後に合格が判明した場合は、
●●●●年12月 税理士試験法人税法合格
となります。
不合格の場合、以前はA~Dの判定が通知されており、A判定の場合は記載するケースが多くありました。
●●●●年8月 税理士試験法人税法受験(A判定)
このような形でしたが、現在は総得点の通知に変更になっており、総得点を記載することはあまりないようです。
試験に合格してすでに税理士になっている方も、いつ、どの試験に合格したのかは記載しておきましょう。他にも資格を取得していて欄が足りない場合は、合格科目名だけ記載し、詳細については職務経歴書にまわしてもOKです。
公認会計士試験の場合
会計士試験の場合は、短答式試験合格→論文式試験合格を経て、会計士試験合格者として働き始めることが多いため、あまり途中経過について記載することはありません。
しかし、例えば途中で方針転換して他の職種に就いた場合、短答式試験合格や論文式試験合格の事実を記載することがあります。
資格取得はしていなくとも、その前段階の知識を持っているということは、会計業界で評価されることになります。
USCPA試験の場合
会計に関わる広い分野の知識を英語で学ぶことができると人気のある米国公認会計士の資格です。
この試験は18ヵ月間で4科目に合格しなければなりません。
日本の国家資格ではないため、科目の合格を履歴書に記載するケースはあまりありませんが、18ヵ月間の途中で転職活動をする場合、
●●●●年●月~ USCPA受験中(FAR・BEC合格)
のように書いておくと良いでしょう。
転職回数が多い場合…正確に記載する
会計業界は、他の業界と比較するとやや転職回数が多い傾向があります。
会計事務所・税理士法人・コンサルティングファームなど業種によって得意分野やクライアントは異なります。
「新しいスキルを身に着けたい」「違うチャレンジをしたい」と考えると、社内では限りがあり、転職によってステップアップするという考え方があります。
近年は事務所やファーム側も長期勤続を推奨する傾向が出てきましたが、それでも転職回数の多い業界です。
転職だけでなく、副業や兼業をすることもあるでしょう。
記載は正確にするようにしてください。
会計業界は特に正確性を求められますので、意図的ではなくとも記載した経歴が不正確だと、著しく評価を下げてしまいます。
また、わかりやすく伝えることも会計業界で働く方には必要な資質ですので、省略せず、相手に誤解なく伝わるように記載するようにしましょう。
ブランク期間があるときは理由を書く
ブランク期間というと、一般的には転職する際のリフレッシュや勉強、看護介護、出産や育児などがあります。
会計業界では、公認会計士や税理士という国家資格を取得するため、一定期間離職して試験に集中することがあり、半年から一年単位のブランク期間のある方も珍しくありません。
こういう場合、採用側も「きっと試験勉強に集中したのだろう」と想像はするのですが、やはり一行理由を添えておくと親切です。
※税理士試験準備のため離職
※公認会計士試験準備期間
などを書いておくと良いでしょう。
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3:履歴書【左】:氏名・住所などの基本情報欄から学歴・職歴欄の書き方
ここでは履歴書の左側にフォーカスして、基本的な書き方について説明しましょう。
①西暦・和暦どちらが正しい?年号と日付は正確に
履歴書に記入する年月日について、西暦・和暦どちらが正しいという決まりはありません。
しかし、生年月日や職歴・学歴欄など年月日を記載する箇所で、それぞれ西暦・和暦が混在しているのはNG。
履歴書全体を通して、統一した表記をしましょう。
同じく元号をアルファベットに省略した和暦の表記方法も好ましくないため、注意が必要です。
②住所は都道府県から!「同上」は避ける
多くの履歴書を書いていると、ついやってしまいがちなのが、上記と同じ内容を表す「同上」の記載ではありませんか?
なかには空欄を避けるために、あえて「同上」と記載しているという人もいるほど、履歴書のミスで多く挙げられます。
確かに多くの書類で役立つ表記方法ですが、履歴書に関しては失礼な印象を与える恐れがある「同上」や、さらに簡略化された「〃(記号)」の使用は避けるべきでしょう。
③サイズや服装は?写真の貼り方
履歴書に貼る証明写真は、3カ月~6カ月以内のものを使用するよう期限が定められているケースが多いです。
一般的なJIS規格の履歴書などの場合、証明写真の貼付枠にはサイズ指定があり「縦40mm×横30mm」のサイズが好ましいとされています。
アップになりすぎたり小さくなりすぎたりせず、傾かないように注意してください。
女性の場合は落ち着いた色のスーツまたはジャケットを着用した服装を。
また男性であれば白地のシャツに同じく落ち着いた色合いのスーツと、派手過ぎないネクタイなどが好ましいでしょう。
④連絡先は空欄ではなく「なし」と記載する
履歴書のなかには連絡先を記載する欄もあります。最近では携帯電話のみで、固定電話を引いていない人も多いですよね。
しかし、固定電話がないからといって空欄にはせず、「なし」と記載するのが良いでしょう。
連絡先欄に「現住所以外にも連絡を希望する場合にのみ記入」という但し書きがある場合のみ、空欄でもOKです。
⑤職歴や学歴は読みやすくまとめる
職歴と学歴の欄では、誰が見ても把握できる“読みやすさ”を意識してまとめます。
特に、採用担当者が読みやすいよう時系列で並べる会社名や学校名は、省略せずに正式名称で記載するよう注意しましょう。
また中央に揃えて記入する「学歴」と「職歴」の文言や、最後の行に「現在に至る」と記入し、下段には右寄せで「以上」と記入するなど、読みやすい履歴書になっているかどうかもポイントのひとつ。
4:履歴書【右】:免許・資格欄から志望動機の書き方
続いて履歴書の右側にフォーカスしていきます。周りと差がつくワンポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
①免許や資格はそれぞれ正式名称で
免許と資格は正式名称で、取得年月も正確に記入しましょう。
会計業界の特徴が出る部分でもあるので、資格や受験の書き方については【会計士・税理士】必見!会計業界における履歴書の特徴を参考にしてください。
履歴書のなかでも応募職種へのアピールに繋がるのが、免許や資格の欄です。
複数の資格を保持している場合は、どのような業務内容に活かせるのか吟味したうえで、記載すると良いでしょう。
②志望動機と自己PRの違いとは
志望動機と自己PR欄には一体どんなことを書けば良いのか頭を抱えている人は少なくありません。果たして両者の違いとは……?
2つを明確に分けて書くのが難しいのは、両方に「志望動機」「自己PR」の要素が入ってくるためであり、内容に重複があっても不自然ではありません。
しかし、基本的な方向性をおさえておけば、似すぎてしまうこともなく、自信をもって書くことができます。
志望動機とは「なぜ応募した企業を選んだのか」また「これから入社後、どんなことに取り組みたいのか」を伝える項目で、メインとなるのは【未来】の内容になります。
自己PRは「自分が持つ仕事へのこだわりや強み」「今まで培ってきた過去の成果」をアピールする項目で、【過去・現在】をメインにすると良いでしょう。
多少の重複内容を気にすることはありませんが、【未来】【過去・現在】を意識してまとめてみてください。
③趣味や特技は面接時の話題作りにつながる
履歴書に登場する趣味・特技の欄には、人柄や長所をアピールできるものを書くのがおすすめです。
面接の際に趣味の話で盛り上がるなど、思わぬ副産物に繋がるチャンスもあります。
5:今さら聞けない…履歴書のマナーと常識
意外と知らない、履歴書のマナーと常識はご存じでしょうか?「知らなかった」では許されないNGマナーも合わせて解説します。
手渡しするときも必要?履歴書を郵送する際の封筒のサイズや色
履歴書を手渡しする際、採用担当者がチェックしているのは礼儀正しさなどのビジネスマナーです。
持参の場合、郵送とは異なり直接やり取りするので、宛名を記入する必要はありませんが、履歴書が汚れてしまうなどの対策のためにも封筒は用意すべきです。
そして封筒は、使用した履歴書のサイズに合ったもので、白色無地のデザインがベターだとされています。
「本人希望欄」に書くべきではないこと
職種を始め、勤務時間などを記入する「本人希望欄」ですが、実は書くべきではない内容もあるのです。
例えば、給与や待遇についての内容は、履歴書の段階で一方的に伝えるのは心証が悪い場合も……。
面接時や内定オファーの段階で伝える内容だと言えるでしょう。もし特にないのであれば「貴社の規定に従います」と一文添えておきましょう。
履歴書の用紙はA4かB5サイズ?手書きとパソコンのどちらが良いのか
書店やコンビニなど手軽に購入できる履歴書ですが、JIS規格(日本工業規格)のものがほとんど。そのため二つ折りタイプのA4サイズとB5サイズの2種類が主流になっています。
応募に使用する履歴書に関して指定がなければ、基本的にはどちらを選んでもOKです。
手書きとパソコン作成の選択については、数年前に話題になったこともありますね。
応募手段のほとんどが求人サイトやメールになったため、主流はパソコン作成になっています。年代によっては抵抗のある方もいらっしゃるかもしれませんが、スピーディーなやりとりができ、効率も良いので、基本はパソコン作成でいいでしょう。
ただし、手書きを指定されることもあります。
とくに会計事務所では手書きでの対応が必要になる場面があり、文字のクセなどを見ておきたいという意向もあるようです。
手書き指定の場合は応募要項に書かれていますし、転職エージェントも把握していますので、臨機応変に対応しましょう。
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