転職お役立ち情報
1.埼玉県の人口規模、事業所数
埼玉県は東京に隣接した位置にあり、その人口は近年も増加を続け2015年にはおよそ726万人(日本の総人口のおよそ5.7%)となりました。
主な要因として東京で働く人が埼玉県内に住むようになったこと、県内に会社や工場が増えたことで、一般従業員の求人数も増加したことにあります(埼玉県ホームページより)。
埼玉県の事業者数を確認すると、「政府統計の総合窓口」では2014年度の埼玉県の事業者総数はおよそ249,000(全国比でおよそ4.9%)、その従業者総数はおよそ257万人(全国比でおよそ4.9%)の規模にあります。
埼玉県の新規開業率はおよそ5.0%で全国平均と同じです(埼玉県ホームページより)が、この比率計算式は期初の事業者総数を分母に新規開業数を分子としていることから、単純計算で毎年12,000数が開業しているイメージです。
この規模の企業は経理環境や税務申告等について特に会計事務所へ顧問依頼が多くなることから、その受け皿である会計事務所がスタッフや税理士の求人をする可能性につながります。
その一方で廃業率は7.5%となっておりクライアント数減少の影響を受けているため実際には求人することをためらう会計事務所もあります。
(出典)埼玉県ホームページ 埼玉県の産業と雇用のすがた(令和元年度版)
一定数の富裕層(ここでは相続税の課税対象者を富裕層と定義)の存在は、税理士にとって貴重な個人のクライアントになる可能性があります。
大和総研による推計では埼玉県の富裕層比率は全国でも有数となるおよそ10%(各税務署単位の課税対象被相続人公表数と厚生労働省「人口動態調査」による自治体別の被相続人数(死亡者数)による)とされ、東京都、愛知県、神奈川県に次いで相当数の相続税案件が生じています。
よって会計事務所や税理士法人で資産税に関連する求人の可能性、富裕層向けの金融サービスを強みとしている会計事務所からの求人案件の可能性があります。
(出典)大和総研リポート
2.埼玉県の会計事務所の数は
埼玉県の会計事務所の数は、「政府統計の総合窓口」によれば2016年6月の調査月度で1,377事務所、従業員総数は6,751人でした。
2004年の調査時点では1,324事務所、従業者総数は6,109人でしたので、およそ12年間で事務所数はおよそ4%の増加、従業者数はおよそ10%の増加となりました。
全国の数値と比較すると、2016年6月の調査月度で事務所数は全国比でおよそ4.4%、従業員総数は全国比でおよそ3.4%となります。
「事務所経営白書2020(ファイブスターマガジン)」によれば、従業員規模数別の会計事務所数の比率は、従業員数が5名未満の会計事務所は63%を占めており、一般的に多くの小規模会計事務所では所長税理士とその家族あるいは複数の従業者で構成されているため、外部から税理士を求人することは珍しく、残りの37%にあたる会計事務所からの求人に応募することになります。
推計では2016年度の埼玉県の会計事務所数1,377に対して37%を乗じるとおよそ510社(税理士法人を含む)が税理士向けの求人を出す可能性のある母数になります。
なお、一般的に会計事務所の勤務者は長期間に渡るキャリア形成志向・安定志向があり、例えば科目合格者が税理士試験に合格した後も引き続き同じ会計事務所で勤める場合などがあるため、税理士を求人するケースは基本的に退職による補充目的になり、その機会は多くありません。
(出典) 関東信越税理士会 会員数≪令和2年9月末≫
会計事務所あるいは税理士法人に勤めている方を含む税理士登録者の数を確認すると、埼玉県の登録者数はおよそ3,500人(関東信越税理士会より)です。
これは全国の税理士登録者数79,225人(日本税理士連合会より)に対しておよそ4.4%に相当します。
また、埼玉県の事業者数の全国比4.9%に比べ若干低くなっていますが、会計事務所の数が事業所の数におおむね比例すると仮定すれば、ある程度の均衡が保たれているように見えます。
なお富裕層率が高い(相続税の課税案件数が全国有数である)ため、そのようなクライアントを持つ会計事務所では比較的高額報酬となる相続税案件のスポット契約が期待でき、事務所の収入拡大につながります。
(出典)日本税理士連合会 税理士登録者・税理士法人届出数(令和2年9月末日現在)
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3.埼玉県の会計事務所の規模は
埼玉県は全国でも事業者数が比較的多いエリアであり、さらに富裕層比率が全国屈指の高さであることからそれら需要に応じた会計事務所の総数も相当数あり、その多くは地域密着型の会計事務所として運営されています。
さいたま市などの人口が多い都市圏では中堅から大企業までを含む事業所数が多く集約していることから、数多くの会計事務所や税理士法人が所在しており求人もこれらの会計事務所から多くだされているようです。
会計事務所の総平均規模を従業者数と年商から確認すると、1999年の調査時点で会計事務所の数は1,324事務所、従業者総数は6,109人、年間の収入額は631億円でしたので1事務所当たりの平均収入はおよそ4,700万円となり従業者はおよそ4.6人でした。
税理士法人の数を確認すると、埼玉県の税理士が所属する関東信越税理士会によれば税理士法人は282社(令和2年9月末)でした。
日本税理士会の公表会員数では「主たる税理士法人」数が4,270社(令和2年9月末)ですので、全国比での税理士法人数は6.6%になります。
会計事務所の全国比4.4%(2016年6月)に比べるとその比率が高くなっている背景には、事業者数の数が多いため、会計事務所の規模も中堅クラス以上に発展し税理士法人として運営されていることが推察されます。
4.埼玉県の税理士の給与水準はどれくらいか
税理士の給与水準はその職務経験の内容、経験年数、年齢、事業規模など様々な要因があり一概には言い切れませんが、目安として税理士の総平均年収はおよそ892万円(厚生労働省「賃金構造基本統計調査(2018年)」となっており、年代別では20代後半で733万円、年収のピークとなる50代前半では1,135万円となっています。
職務内容・役職によっても年収は変わりますし、マネージメントの経験がある、英語能力が高いなど付加価値があれば年収は比較的高くなる傾向にあります。
5.埼玉県の税理士 求人事例
複数の転職支援サイトの求人動向として、会計事務所より税理士法人が多く、入社経験年数にもよりますが、概ね年収500万円から600万円台が多くみられました。
主な業務はクライアント訪問巡回、記帳代行、税務申告書の作成、および税務コンサルティングとなっています。
事務所によっては事業承継対策、医療など特定業種の経営及び開業サポート、融資のサポートなどがあり、そのような業務を対応できる場合で年収600万円台になります。
既存の顧問先を担当するだけではなく、税理士として積極的に新規クライアントを獲得し事務所の収益に貢献できれば、年収アップの可能性があるかもしれません。
- さいたま市 税理士法人 年収650万円 経験あり入社
- さいたま市 税理士法人 年収650万円 入社10年目
- さいたま市 税理士法人 年収550万円
- さいたま市 税理士法人 年収430万円 入社3年目
- 熊谷市 税理士法人 年収501万円 入社8年目
- 熊谷市 税理士法人 年収550万円
- 川越市 税理士法人 年収480万円から560万円
- 川越市 税理士法人 年収425万円
- ふじみの市 税理士法人 年収550万円 入社8年目
埼玉県の税理士の平均年収は429万円、関東(1都6県)では第3位の茨城県の430万円とほぼ同額で、東京都や愛知県などを除けは全国的に見ても高い金額となっています(求人ボックス 給料ナビより)。
この平均値は求人動向に比べるとやや低い位置にありますが概ね傾向をとらえているようです。
会計事務所に勤める場合の年収を会計事務所に勤める方の平均給与と比較すると、税理士の年収は「平均給与」に比べてどれくらい高くなっているかをおおまかに把握することができます。
埼玉県の税理士平均は430万円でしたので、税理士資格を持たない方より少なくとも50万円以上は年収が高いことが分かります。
- 2004年の調査時点で埼玉県の会計事務所の数は1,324事務所、従業者総数は6,109人、「年間の給与支給総額」は233億円でしたので1人当たりの平均給与はおよそ381万円でした。
- 1999年の同統計では会計事務所の数は1,342事務所、従業者総数は6,653人、年間の給与支給総額は235億円でしたので1人当たりの平均給与はおよそ353万円でした。
また、税理士の年収を従業員規模別(「賃金構造基本統計調査(職種DB第1表 2019年)『公認会計士・税理士』)を確認することにより、税理士として何をしたいのか年収面から検討するための手助けになるでしょう。
その平均像は以下のとおりです。
- 企業規模別99人以下で平均年齢44.7歳の平均年収は977万円
- 企業規模別100人以上999人以下で平均年齢49.1歳の平均年収は1047万円
Profile レックスアドバイザーズ
公認会計士・税理士等の有資格者をはじめとする会計人材専門特化した人材紹介会社。
■公認会計士・税理士・経理の転職サイトREX
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