転職お役立ち情報
1.未経験でも大丈夫?東京の事務所数などから税理士求人を考える
東京は人口およそ1,352 万人(平成 27 年)で、およそ 62 万カ所(平成 28 年)の民営事業所があり(東京都ホームページより)、国土交通省による東京の主要な経済指標では、資本金10億円以上の法人は全国比で50.8%、民営事業所数は11.6%が東京に集中しています。
全国で従業者数100人以上の事業所数の37.0%が東京にあります。
事業所数が圧倒的に多いこと、大企業や外資系企業が集中していることもあり、東京の税理士の求人は他の都市よりも圧倒的に多い状況にあります。
その一方で、東京には全国の29.6%に相当する税理士がいるため、会計事務所のサービス品質の向上、大手会計事務所で中小規模・中堅規模の会計事務所との提携(グループ化)によるサービスエリアの拡大化、そして税理士間の転職市場での競争はますます激しくなっています。
東京の税理士登録者数
東京の税理士登録者数は23,515人で全国の税理士登録者総数に対して29.6%に相当します。税理士法人(主たる事業所)は1,290で全国の30.2%が存在します。
東京都はまた、国内最大の富裕層(ここでは相続税の課税対象者を富裕層と定義)が存在しており、税理士にとって貴重な個人クライアントを獲得できる魅力的なエリアです。
大和総研による推計では東京の富裕層比率は全国トップのおよそ16%(各税務署単位の課税対象被相続人公表数と厚生労働省「人口動態調査」による自治体別の被相続人数(死亡者数)による)です。
相当数の相続税案件が生じていますので、会計事務所や税理士法人で資産税に関連する求人、富裕層向けの金融サービスを強みとしている会計事務所からの求人が見られます。
東京の会計事務所の数は、「政府統計の総合窓口」によれば2016年6月の調査月度で6,750事務所、従業員総数は49,933人でした。
全国と比較すると、事務所総数はおよそ21.6%、従業員総数でおよそ28.1%を占める規模が東京に集中しています。
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2.東京の会計事務所に未経験税理士でも転職が可能な求人とは
会計事務所では未経験の転職希望者がどれくらいの専門性を身につけているか、クライアントとのコミュニケーション能力は高いかどうかなど、実務に直結する一定水準の能力を求めています。
税理士は税務・会計に精通していますので、未経験であっても法人クライアントに対して一定水準の会計支援サービスができること、他の税法科目で学んだ内容を実務に適用しやすいため、基本的にはどのような規模の会計事務所であっても未経験として働くことが可能です。
ただし会計事務所では採用者が半年後、1年後までにどれくらい実務経験を積み、期待されるパフォーマンスをだすことができるかにより年収や待遇を想定しますので、転職元が一般企業の経理部門であれば例えば予算の組み立てや事業計画の作成経験、社内外関係者との調整能力をどれくらい転職先の会計事務所で法人クライアントのサービス品質に活かすことができるかが大事なポイントになります。
前職の経験を生かすことができない場合は、税理士の有資格者であっても年収はあまり期待できないかもしれません。
しかし、そのような場合でも採用された会計事務所で一定の実務経験を得て、中長期的な視点に立ったキャリアプランを構築していくことで次のステップに進みやすくなるといえます。
大手税理士法人やBIG 4(PwC税理士法人、デロイトトーマツ税理士法人、KPMG税理士法人、およびEY税理士法人)では、一般的な会計事務所より担当案件規模の大きさ、それら複雑な税務事案をチームで担当するなどにより、未経験であってもそのポテンシャルを期待して採用します。
未経験を埋めるほどのコミュニケーション力、協調性、そして最も重要な要素である英語力(できればビジネスレベル以上)が高いかどうかが重要な評価基準となります。
年齢別による未経験者の採用動向
20代で税理士有資格者であれば、業務遂行能力があることを期待された「ポテンシャル採用」が中心になります。
一般企業の出身者であれば経理・財務部門での決算対応、資金繰り作成、決算書などの財務諸表の作成経験、税務申告の作成などの経験があれば望ましいでしょう。
30代では20代以上の業務経験とその内容を加味して、会計事務所でマネジャー候補やある程度大きな規模のクライアントの担当候補として、一般企業の出身者であればチームマネジメントの経験、プロジェクト担当の有無やその実績、あれば企業再編、連結決算のとりまとめ、上場企業であれば有価証券報告書・決算短信の作成経験などが評価されます。
40代になると一般的に経営幹部としての転職になります。
転職希望者がより責任範囲の広いマネジメント経験を持っている、事業成長の支援や採算性の改善実績、上場準備の支援、海外赴任経験などの実務経験を積んでいれば、全般的に求人数が少なくなる状況においても会計事務所へ転職することは可能でしょう。
社内関係者とうまくやっていけるかどうか、組織に合わせた柔軟な働き方ができるかどうかも重要な判断要素になります。
50代であっても転職の可能性はあります。
中堅規模の会計事務所でのコンサルティング業務、これまでの経験を活かしたクライアントの経営支援などが期待されます。
一般企業の出身者であれば管理本部や経理財務の責任者の経験も高く評価され、法人クライアントに対してその経営者と直接対話することができ親身に相談にのることができる、経営を支援できる、などが期待されます。
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3.東京の事務所求人(未経験税理士含む)での給与事情、待遇は?
税理士の年収を各種指標からみてみましょう。
東京の税理士の平均年収は562万円で全国平均の477万円を17.8%上回っています(求人ボックス 給料ナビより)。
厚生労働省の公表によれば税理士の平均年収はおよそ892万円(賃金構造基本統計調査 2018年)で、年代別は20代後半で733万円、50代前半では1,135万円となっています。
税理士の年収を従業員規模別(賃金構造基本統計調査(2019年)『公認会計士・税理士』)で見ると、企業規模99人以下で平均年収は977万円、企業規模100人以上999人以下で平均年収は1047万円となっています。
未経験であっても大手の会計事務所に勤めることで一般的な会計事務所の年収より高くなるでしょうし、その規模の会計事務所で継続して勤めていくことで年収の拡大幅を期待することができます。
実際に複数の転職支援サイトの求人動向を確認すると、年収300万円台から600万円台が多く、会計事務所未経験でも他の職種の経験を生かすことができれば800万円台以上となる案件が見られました。
- 東京都千代田区 年収330万円~550万円
- 東京都千代田区 年収350万円~600万円 医療会計部門に所属
- 東京都千代田区 年収350万円~750万円 BIG4会計事務所 TOEIC700点以上
- 東京都千代田区 年収600万円~750万円 入社6年目~7年目モデル
- 東京都台東区 年収350万円~800万円
- 東京都港区 年収550万円~800万円 シニアスタッフポジション
- 東京都千代田区 年収600万円~1000万円 入社3年目~10年目モデル
- 東京都千代田区 年収800万円~1300万円 営業経験があること
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4.東京の未経験税理士求人を見る前に…。事務所転職で考えるべき将来の進路
日本税理士連合会によれば東京の税理士法人の数は、「主たる税理士法人」は1,290社(令和2年9月末)あり、全国にある税理士法人数4,270社(令和2年9月末)に対しおよそ30.2%を占めています。
事業者数の数が多いこと、それに応じて会計事務所の規模も中堅クラスや大規模な税理士法人へ発展していることが推察されます。
勤務税理士として働く場合、様々な規模の会計事務所で多様なクライアントに対して税務関係書類・申告書の作成、税務コンプライアンスの構築、経営支援サービスの展開、経営改善の提言ができます。
これらの業務は未経験からでも着手でき、経験を積むことでより高度で複雑な案件を対応することになります。
東京には会計事務所・税理士法人の中でも従業員数100名を超える大規模税理士法人も多数あります。
海外に事業所や子会社を持つ大企業や外資系のクライアントはこれら大規模な会計事務所やBIG4会計事務所にあります。
この規模の会計事務所に勤めることで高度な国際税務を対応し、複雑な事業承継、M&A対応ができるなど多くの魅力とやりがいを感じるでしょう。
開業を目指す税理士の場合は、相当数の会計事務所と競合することになるため通常の税務サービス以外にも特色のあるサービスを展開していく必要があります。
例えば都内には医療関係の事業所が相当数ありますので、医療関係に特化した会計や税務のサービスを展開することや、スタートアップ企業を中心にクライアントの会計や財務の仕組みを構築するサービスなど、ハンズオン型のサービスも有効でしょう。
Profile レックスアドバイザーズ
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