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日商簿記2級の検定試験を受けようと考えている人の中には、下記のように思っている方もいるのではないでしょうか。
「工業簿記って難しいの?」
「工業簿記って捨てても問題ないのかなぁ?」
「工業簿記の試験対策方法があるなら知りたい」
今回の記事では、工業簿記についての解説や勉強方法を紹介していきます。
工業簿記は難しいのか?
工業簿記は応用問題を解くのが苦手な人にとっては難しいことがあります。
暗記ではなく、計算方法を組み合わせて進めていく内容が多いからです。
商業簿記は、お店でおこなわれる商取引の流れを勉強していきます。
内容も仕訳のルールを覚えていくことがほとんどです。
そのため知識を暗記することが基本となり、正しく内容を理解すれば対応できます。
しかし、工業簿記は内容を暗記すれば対応できる科目ではありません。
資料を参考にして単価や原価を求めていきます。
この計算方法は公式に当てはめるだけではなく、組み合わせなければ答えを導き出せない問題もあるのです。
そのため暗記が得意な人にとっては、難しいと感じることがあります。
逆にいえば、計算や応用問題への対応が苦でなければ、そこまで苦手意識をもつ必要はありません。
文系の人は商業簿記が得意、理系の人は工業簿記が得意。
といわれる理由は、この仕組みの違いからきています。
工業簿記が難しいといわれる3つの理由
では、なぜ工業簿記が難しいといわれるのか?その理由は下記の3つです。
- 暗記だけではないから
- 資料を読み取る力が必要だから
- 専門用語を覚える必要がある
順に紹介していきます。
暗記だけではないから
先述したとおり、工業簿記は暗記だけでは対応できません。
工業簿記は何かを覚えていけば大丈夫というより、全体の流れを掴み解く科目だからです。
もちろん多少の暗記は必要ですが、どちらかといえば数学のように問題を解いていくような科目になっています。
そのため、多くの問題を解いて慣れていく必要があるのです。
暗記が得意な人や計算問題が苦手な人にとっては、難しく感じる科目かもしれません。
資料を読み取る力が必要だから
工業簿記が難しいといわれる理由は、資料を読み取って解く問題が多いからです。
計算問題もただ解くのではなく、資料から数字を読み取って計算していく必要があります。
手順がわからないと点数が伸びず、工業簿記に対して難しさを感じてしまうのです。
工業簿記の勉強をするときは計算問題に慣れるために、たくさん問題を解くことをおすすめします。
専門用語を覚える必要がある
工業簿記は計算問題や資料を読み取る力が必要です。
ですが、専門用語ももちろん存在します。
その用語を覚えるのにも時間がかかる場合があるのです。
例えば、差異という言葉があります。
差異は操業度差異や変動費能率差異、不利差異など複数の種類がある言葉です。
似た言葉なので違いを覚えるのに時間がかかってしまうことがあります。
このような工業簿記ならではの専門用語に苦戦する人は、難しいと感じてしまうのです。
それなら工業簿記を諦めて、商業簿記で頑張ればいいと思う人もいるかもしれませんが、それはやめましょう。
その理由を次に解説していきます。
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工業簿記をしっかりと対策しておくべき3つの理由
工業簿記はしっかりと対策しておくべきです。
理由は、以下の3つが考えられます。
- 簿記試験の4割を占めるから
- 簿記の難易度が上がり始めたから
- 基本的な問題が多いから
順に紹介していきます。
簿記試験の4割を占めるから
簿記2級の点数配分は、商業簿記が60点、工業簿記が40点で、合計100点となっています。
この配分で70点以上獲得できれば合格です。
そのため工業簿記を捨てることはできません。
商業簿記で満点を取れる自信があるなら、力を抜いてもいいかもしれません。
ですが、実際は難しいと思うので、しっかりと対策しましょう。
簿記の難易度が上がり始めたから
工業簿記をしっかり対策しておくべき理由は簿記自体の難易度が上がっているためです。
その理由は2016年から3年間をかけて大幅に出題範囲を改定したことにあります。
- 連結会計
- リース取引
- 本支店会計
- 外貨健取引
- 税効果会計
- 他有価証券の評価 など
もともと簿記1級の問題範囲が含まれるようになりました。
そのため出題範囲も広がり、対策が今までより難しくなっています。
基本的な問題が多いから
工業簿記の問題は基本的な問題が多く出題されます。
しっかりと対策をすれば点数を取ることが可能です。
工業簿記は簿記2級で初めて登場します。
そのため出題範囲は商業簿記に比べて、初歩的なものが多いのです。
しっかりと対策をすれば点数を取ることができます。
難しいと諦めるのではなく、基礎を固めて対策をしていきましょう。
工業簿記をしっかりと対策するべき理由について解説をしました。
次に勉強方法について解説していきます。
工業簿記の勉強方法を紹介
工業簿記の勉強方法はたくさんあり、自分にあったやり方が一番です。
ですが、おすすめをするとしたら以下の3つになります。
- 図を書いて慣れていく
- 過去問を解く
- 公式の意味を最初から理解しない
順に紹介していきます。
図を書いて慣れていく
工業簿記は手を動かして内容を掴んでいきましょう。
おすすめは「勘定連絡図」を書いて、全体を把握していくことです。
勘定連絡図とは、材料がどういった工程で流れていくのかを勘定の面からまとめた図のことをいいます。購入→製造→製品と流れていく中で、発生するお金の流れを把握するのにとても便利です。
工業簿記の試験では、この「勘定連絡図」がとても重要になります。
自分でこの図を書いていくことで、工業簿記の全体を把握することができるようになるはずです。
そして、学習するときは、勘定連絡図のどの辺りを解いているのかを意識しながら進めることで、理解を深めることができます。
手を動かして、慣れていきましょう。
過去問を解く
問題を解くときは過去問を使いましょう。
工業簿記は商業簿記に比べて範囲が狭く、基本的な問題ばかりだからです。
そのため過去問を解くことで出題パターンを予測することができます。
得点源にもなりうるので、テキストで内容を理解したら、過去問を徹底的にこなしていきましょう。
もし過去問が難しいと思ったら、テキストに戻る。また過去問を解く。
これを繰り返すことで、点数も上がっていくはずです。
過去問は徹底的に利用していきましょう。
公式の意味を最初から理解しない
公式の意味がわからなかったら、スルーしましょう。
こういうものだと思って進めていくのが最初の段階ではおすすめです。
インプットの時点で悩んでいたら時間のロスにつながってしまいます。
わからないからテキストを何度も読むのではなく、実際に問題を解いて、製品ができるまでを大まかにイメージしながら理解していくほうが確実です。
わからなくてもとりあえず進める。そして、出題範囲を2~3周してみる。
最終的には「なぜそうなるのか?」をわかっているのが理想ですが、最初から考える必要はありません。
工業簿記は予想外な問題というよりは基本的な問題ばかりです。
何回も問題を解いて、手を動かすことで理解できます。
難しいと思うのではなく、まずは全体を掴んでいくことを意識していきましょう。
まとめ
工業簿記は難しいのか?について解説をしてきました。
暗記や応用問題を解くことが苦手な人にとっては難しいと感じることがあります。
ですが、商業簿記に比べて基本的な問題ばかりです。
しっかりと対策をして、問題を解いていけば得点は取れます。
手を動かして、全体を把握しながら、過去問とテキストを何周もしていくことがおすすめの勉強方法です。
全体の4割を占める工業簿記。
ぜひ対策をしていきましょう。
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