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M&Aコンサルについてわかりやすく解説!必要な資格とは?

更新日:2021.10.04

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M&Aコンサルについて分かりやすく解説!

企業が買収や合併などを行い、相手先企業の事業や経営権を入手することをM&Aといいます。

M&Aコンサルとは、一言で言えば、M&Aに関わる、一連のサポートを行う業務を言います。

 

M&Aには、世界を揺るがす大企業同士の大合併もあります。

一方、最近は中小企業の後継者問題がクローズアップされ、後継者問題解決の手段としてのM&Aも注目されています。

 

ここでは、M&Aのサポート業務を行うM&Aコンサルについて、M&Aコンサルの形態、M&Aコンサルの目的、M&Aコンサルを行うために必要な資格、M&Aコンサル業務の流れ、M&Aコンサルのメリット・デメリット、M&Aコンサルの専門家を目指す方法について説明します。

1.M&Aコンサルの形態

M&AアドバイザリーやM&A 仲介を併せた概念として、M&Aコンサルと表現することもあります。

M&Aの手続きに重きを置くM&AアドバイザリーやM&A 仲介に対して、M&Aコンサルは経営統合後のアドバイスにまで関わるなど、コンサルティング機能に重きを置くという考え方もあります。

ここでは、主に前者の考えに基づいて、説明を進めていきたいと考えます。

M&Aアドバイザリー

M&Aアドバイザリーとは、クライアントに対して、M&Aに対するアドバイスを行うことです。M&Aの買い手側か売り手側のどちらかの依頼を受けて、クライアントの利益のために、M&Aの終結までサポートします。

大手コンサルティングファーム(FAS)等は、M&Aアドバイザリーを主に行ないます。

M&A 仲介

M&A仲介とは、M&Aの両当事者の間に入ってM&Aの仲介を行うことです。

売り手と買い手のマッチング機能を担います。

 

大手証券会社、大手銀行、外資系投資銀行などがM&Aアドバイザリーを行うこともあれば、M&A 仲介を行うこともあります。

M&A仲介の専門会社が多数存在しますが、主に、規模の小さいM&A案件を扱うことが多いようです。

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2.M&Aコンサルの目的

M&Aコンサルの目的は多岐に渡ります。

M&Aコンサルの目的①事業の多角化のための新規事業への参入

経済環境が著しく変化する現代においては、一つの事業だけで安定して企業収益を上げ続ける事は困難になってきています。

そのため、リスクの分散として事業の多角化が重要になるケースも多いです。

業種や事業内容の異なる企業をM&Aにより買収することで、新規事業への参入を図るケースが増えています。

 

全く新しい分野に進出するケースもあります。

一方で、関連する分野に進出していき、川上から川下までのサプライチェーンを構築するケースも増えているようです。

 

新規事業の参入には様々な障壁が存在しますが。

しかし、既存事業を譲受けることで、障壁をなくすことが考えられます。

 

その事業特有のノウハウの取得や、コスト削減、リスクの軽減といったプラスの効果も期待できるでしょう。

M&Aコンサルの目的②既存事業の強化

M&Aの目的は新規の事業に参入するだけではありません。

同業他社の技術を吸収したい場合や、他業種の技術であっても自社の事業とのシナジー効果が期待できる技術を持った企業の買収など既存事業の強化が目的でM&Aを行うケースもあります。

M&Aコンサルの目的③規模の経済性

M&Aコンサルの提案のメリットとして、企業収益の向上のために、市場規模拡大による、規模の経済性を利用する事が考えられます。

大量仕入れによる仕入れコストの削減、大量生産による工場等の設備の有効利用、共通の流通網の整備と利用など、大きなスケールメリットが得られることが考えられます。

 

また、継続して企業価値を高め続けるには、研究開発への投資は重要です。

しかし、研究開発費は高額になることが多い上、必ずしも効果が現れるとは限らない費用です。

研究開発費は組織規模に関係なく一定額派生する固定費ですから、M&Aによる組織拡大のメリットを、研究開発費に当てることが出来たとしたらどうでしょうか。

よりいっそう企業価値を高めることが可能になると考えられます。

 

市場シェアの拡大により、業界首位になること目的としたM&Aも有効と考えられます。

事業展開において大きなメリットがあるため、M&Aコンサルの提案の対象となるでしょう。

M&Aコンサルの目的④後継問題の解決の手段としての事業承継

M&Aコンサルの提案の対象として、事業承継目的のM&Aも多くなっています。

 

近年、中小企業の後継者不足が問題とされ、長年培ってきたノウハウの消滅や従業員の生活を守るために、M&Aの手法が注目されています。

事業承継目的のM&Aは、比較的規模の小さいM&Aが多いです。

そのため、個人の会計事務所や税理士事務所等が行うことが多くなっています。

M&Aコンサルの目的⑤事業処分

不採算事業の整理のための事業処分を目的として、M&Aコンサルが行われることもあります。

これもまた、ひとつの方法です。

3.M&Aコンサルを行うために必要な資格

M&Aコンサルを行うための資格は、特に法定されてはいません。しかし、様々な局面で、専門的な知識を必要としますので、それぞれの分野の専門家が担当するのが一般的です。

 

投資を行うにあたって、投資対象となる企業や投資先の価値やリスクなどを調査することを、デューデリジェンスと言います。

 

デューデリジェンスには、ビジネス・デューデリジェンス、財務税務デューデリジェンス、法的なものをチェックする法務デューデリジェンスなどあり、それぞれ以下の資格を持った専門家が担当します。

 

  • 公認会計士

主に、財務税務デューデリジェンスを担当します。

財務税務デューデリジェンスとは、組織や財務活動の調査をし、財務内容などからリスクを把握することです。

M&Aの対象となる業界に詳しければ、ビジネスデューデリジェンスを行うこともあります。

 

  • 税理士

主に、財務税務デューデリジェンスを担当します。

M&Aの対象となる業界に詳しければ、ビジネスデューデリジェンスを行うこともあります。

 

  • 弁護士

主に、法務デューデリジェンスを担当します。

会社法や税法、業界関連法規など、M&Aに関する法律全般について、法律の遵守状況の調査を行うのが、法務デューデリジェンスです。

 

  • 司法書士

主に、契約手続き、登記手続きを担います。

 

  • その他

ビジネスデューデリジェンスは、会社の経営管理部門か専門会社が担うことが多いです。

事業・業界の特性に応じた経営状況の調査を行うのが、ビジネスデューデリジェンスです。

M&Aコンサル業務の流れを解説

M&Aコンサル業務の流れを分かりやすく解説します。

 

  • M&Aコンサル業務①提案

企業の経営戦略策定の一つとして、M&Aが提案されることがあります。

 

  • M&Aコンサル業務②相手方の選定・交渉

M&Aの買収先、売却先となる相手の選定、交渉を行います。

 

  • M&Aコンサル業務③デューデリジェンス

M&Aの買収先、売却先となる相手が定まったら、デューデリジェンスを実施します。

デューデリジェンスによって、買収の対象となる会社の事業、財務状況、法律の遵守状況等、対象会社の理解とリスクの把握を行います。

買収して良いかの意思決定の材料の入手段階です。

 

  • M&Aコンサル業務④バリュエーション

事業の収益性とリスクの把握から、買収価格の決定が行われます。

 

  • M&Aコンサル業務⑤交渉

売り手側・買い手側双方の、M&Aの条件の摺合せが行われます。

 

  • M&Aコンサル業務⑥契約締結

バリュエーションを経て、売り手側・買い手側双方の合意が得られれば、契約締結に至ります。

 

  • M&Aコンサル業務⑦クロージング(M&Aの終結)

売り手側・買い手双方が、統合されます。

株式譲渡であれば、株式の受け渡しが完了します。

4.M&Aコンサルのメリット・デメリット

M&Aコンサルのメリット:プロによる知識の提供

M&Aは膨大なコストが掛かるのが一般的です。

しかし、新たに事業を立ち上げるコストを考えれば、M&A は時間とコストの節約という大きなメリットがあります。

 

また、M&Aコンサルを利用することで、M&A の専門家に対する高額な報酬が発生します。

M&A を成功させるには、法律や会計などに対する専門的な知識が不可欠です。

 

専門家に依頼したことで発生するコスト以上のメリットがあると考えられます。

M&Aコンサルのデメリット:高額な費用

M&Aコンサルのデメリットとして考えられるのは、やはり高額な報酬でしょう。

企業にとってはある種の勝負です。

 

M&Aコンサルの提供者は、高額な報酬に見合うだけの専門的知識の習得に努める必要があります。

5.M&Aコンサルの専門家を目指すには…

M&Aコンサルは非常にやりがいのある仕事であると共に、それに見合った高収入が期待出来る業界です。

では、M&Aコンサルの専門家を目指すにはどうすれば良いのでしょうか?

FASに転職する

FASとは、ファイナンシャル・アドバイザリー・サービスの略で、コンサルティング・ファームを指します。

主に、M&Aコンサルの中の、M&Aアドバイザリーを専門に行います。

 

専門知識の習得

M&Aコンサルの専門家を目指すために何より重要なのは、専門知識の習得です。

公認会計士や税理士の資格を持っていたとしても、それだけで十分とは言えません。

 

デューデリジェンスや、バリュエーションの知識以外にも、幅広い知識がなければ、クライアントからの期待には添えないでしょう。

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6.まとめ

M&Aコンサルについて、M&Aコンサルの形態、M&Aコンサルの目的、それを行うために必要な資格、M&Aコンサル業務の流れやメリット・デメリット、M&Aコンサルの専門家を目指す方法について、お話してきました。

 

現在、社会情勢は目まぐるしく変遷しており、企業のM&A はますます増える傾向にあります。

それに伴いM&Aコンサルに対する需要も、更に高まることが予想されるでしょう。

 

非常にやりがいのある仕事として、M&Aコンサルを目指す方も多いと思います。

そのためには、様々な専門的知識の習得が不可欠です。

M&Aコンサルの専門家として、高収入を得ることを目指すなら、常に学び続ける姿勢が必要と考えられます。

 

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