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1.税務の知識・経験とは
税務経験者とは、どういったところで働いている人をさすのでしょうか。
税務について実務できるところといえば、まず会計事務所で働いている人を思い浮かべるかもしれません。
会計事務所では中小企業をクライアントにしているため、たしかに税務を中心に業務を行っています。
そのほか、事業会社の中で経理、その中でも税務担当という人もいます。
グローバルに展開している会社だと移転価格税制など国際税務がありますし、規模が大きい会社だと連結納税やグループ法人税制など気にすべきところは多く、中小企業でも一般的な法人税や消費税などの対応が必要となります。
これらの実務経験がある人は税務の知識を当たり前に身につけることができます。
一方で、経験をしないと勉強だけではなかなか身につかないのが税務です。
資格に関しても簿記のような手ごろな資格はなく、税理士の資格を取るというのはなかなか高い目標になります。
資格取得まではいかなくとも、税理士試験の一部を受けるという方法はありますが、あくまでも一部の試験の合格という形で、正式な資格取得にはなりません。
税務ではなく会計の知識については、入門編として日商簿記試験があり、3級を入口として、2級まで取得しておくと転職にも有利だといわれています。
税務の知識はなかなか得にくいことから、会計よりも税務の知識を持つほうが希少価値は高くなります。
中小企業において、税務は外部の会計事務所に任せることが多いですが、税務の知識を持つ人が入社して内製化できれば、会計事務所に払う顧問料を削減することができます。
税の申告業務において、最終的には税理士などの専門家にチェックをしてもらうことが多く、完全な内製化は難しいですが、税務知識は中小企業でも重宝されることは間違いありません。
2.事業会社での税務
決算書や財務諸表というと会計をイメージすると思いますが、その通りで、決算書や財務諸表を作成するにあたっては会計の知識が必要となります。
決算をしたあとに必ず行わなければならないのは税務申告です。
法人税、消費税、事業税のほかに、住民税、固定資産税、固定資産税、印紙税、登録免許税など幅広く知識が必要となります。
事業会社ではどういった知識が必要になるのか、具体的に見ていきましょう。
まずは中小企業から。
中小企業で非上場企業となると、法人税務の知識が重要です。
もちろん決算書を作成するため、会計の知識も必要となるのですが、上場会社のように四半期ごとに決算をしたり、それを開示したりするわけではありません。
年に一回の年次決算をまとめ、それをもとに税務申告をするのが重要で、法人税が優先的に必要な知識となります。
次に上場会社です。
会計と税務、どちらの知識が優先的に必要なのでしょうか。
結論からいうと、上場会社ではどちらも必要になります。
上場基準での年に四回の決算、有価証券報告書の作成があり、会計の知識は高いものが必要です。
また、とくに現在はIFRSへの移行が行われているケースもあり、知識のアップデートが必要です。
税務に関しては、上場企業ではほとんどの場合は大手の税理士法人に委託しています。
子会社を持っていたり、グローバル展開をしていたりすると国際税務の知識が必要となりますし、税効果会計にも取り組まなければなりません。
また、申告業務中小企業と違って膨大な工数がかかり、専門的な知識が求められます。
顧問となる税理士法人と協力しながら、社内でも税務を行う形となります。
法改正は毎年行われるため、常に知識や情報のアップデートを行うことも必要ですし、税務に関しても高度な知識を持つことが求められます。
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3.会計事務所の求人には税務の経験は有利
会計事務所の求人において、当然ですが税務の経験は有利になります。
会計事務所の業務は大きく二つに分けられ、会計と税務になります。
会計とは、クライアントの記帳代行や月次・年次の決算を行うことで、一般的な経理のイメージです。
税務は、決算をもとに税務申告書を作成したり、税務についてのクライアントからの相談を受けてアドバイスを行うことです。
会計事務所においては、この税務がもっとも重要な業務となります。
経理の経験、簿記の知識があれば会計業務を行うことはできますが、会計事務所にとってはメイン業務ではありません。
キャリアップしたい、昇進昇級をしたいと考えるのであれば、税務の知識や経験は必須です。
もちろん会計事務所に入社したあとに徐々にスキルアップすることもできますが、会計事務所への転職、求人と考えると、税務の知識や経験のある人が積極採用されます。
4.公認会計士の監査法人での経験と税務の関係
監査法人のでの経験で税務をまかなえるのでしょうか。
結論、監査法人だけでは税務の知識は十分ではありません。
公認会計士は税理士登録もすることができますが、会計士のほとんどが最初に入社する監査法人では税務に取り組むことはないといってもいいでしょう。
監査法人では会計処理や決算書、内部統制をメインにみていきますので、税金をみるタイミングはほとんどありません。
税効果会計や消費税など一部をチェックする機会はあり、税務に触れることはありますが、税務を担当したというレベルではありません。
公認会計士が税理士登録をして税務の世界で活躍するには、会計事務所や税理士法人ですこし勉強の時間が必要となります。
しかし、公認会計士は高い会計の知識を有し、監査法人で会計の実務も経験できているため、さらに税務の経験が加われば大きな強みになります。
もちろん税務の知識はありますから、経験を積み、自身のキャリアの可能性をさらに広げていくといいでしょう。
5.税務の知識・経験を活かして次なるステップへ
税務の知識・経験があるとどのようなキャリアプランや求人があるのでしょうか。
税務の知識の習得や経験をすることで専門性が高まり、求人の幅は広がります。
年収的にも高いレベルの求人がマッチするようになるといえます。
求人としては、会計事務所や税理士法人が多いですが、事業会社の求人もあります。
事業会社の税務の求人は、税務だけを行う専門的な仕事ではありませんが、経理だけの求人よりもポジションや年収が高いといえます。
税務のポジションは、もちろん税務の経験などがなくても応募できるものはありますが、経験があると選択肢が増え、選考の際もアピールできて内定率を高めることができます。
就職時に会計士や税理士の資格を持っていなくとも、会計事務所に入社後、働きながら税理士の資格を取得すると、その後独立という選択肢も出てきます。
税務はキャリアを広げるうえでも良いきっかけとなる業務ですので、興味のある方はぜひチャレンジしてみてください。
6.まとめ
ここまで税務経験と求人についてみてきましたが、いかがでしたでしょうか。
経理経験者、会計士など、立場によってスタートは違いますが、税務の経験をすれば選択肢は広がるため、自分のキャリアプランが立てやすくなります。
「税務」というフリーワードを入れて、どのような求人があるかぜひチェックしてみてください。
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