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公認会計士の将来性とは

更新日:2021.10.15

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公認会計士は、法律に基づいた独占業務が認められています。

独占業務は財務諸表の「法定監査」で、会社法や金融商品取引法などの関連法令に基づいたものです。

 

監査は主に上場企業や、公益性の高い企業に対して行われるため、近年の新規上場案件の増加数や、海外上場企業の日本子会社に対する監査、内部統制などの案件が一定数あるため、引き続き公認会計士の需要は将来においても高いと言えるでしょう。

公認会計士の将来性を登録者数などからみると

公認会計士の登録会員数は2010年度で27,792人から2017年度には36,302人へ増加しました。

男女比率では、女性公認会計士の登録会員数は2013年度の3,353人で12.8%から、2017年度の4,220人で13.9%に拡大しました。

 

2017年度の地域別の公認会計士登録者数を見ると、東京で過半数を超える21,414人で58.9%、次いで近畿エリアの4,249人で11.7%となっており、一極集中となっています。

この背景には、監査対象となる上場企業の本社所在地が東京都に51.6%と偏在していることがあります。

 

参照:

日本公認会計士協会

上場企業サーチ 都道府県別の株式会社数と上場企業数

公認会計士の将来性を考えたキャリアプランは

公認会計士の法定業務の1つである財務諸表の監査は、主に上場企業が株主に向けて公表する財務諸表の信頼性を担保するものであり、資本市場においても社会的にも意義のある仕事です。


公認会計士は、監査業務によりさまざまな業種を見ており、監査報告書の報告にあたり会社の経営者に進言することもあります。

監査業務を通じて業務統制や経営管理方法などを理解することで、ステップアップするための材料・きっかけを得ることができるでしょう。

公認会計士は法定独占業務である監査のほかに、非監査業務として上場を目指す上場準備企業(IPO準備企業)の任意監査や、アドバイザリー業務などを行います。

 

公認会計士はまた税理士として登録することが可能ですので、法人税や所得税、消費税のような企業にかかわる税務相談を対応することが可能です。

監査法人で昇進昇格を目指す

公認会計士の実務経験は監査法人で積んでいくことが一般的です。

 

監査法人で引き続き監査やチームマネジメントなどの経験を広げて、マネジャーやシニアマネジャーなどより高いポジションに向けて努力するということも現実的な選択肢の一つです。

海外企業とのミーティングや交渉ができるレベルの英語力を持っていれば、戦力のある人材としての評価が高まるでしょう。

 

BIG4などの最大手で監査業務の経験を積んでいれば、他の監査法人への転職の際に高い評価を受ける可能性があります。

投資銀行やM&Aのコンサルティングファーム

公認会計士はその会計や業務監査に基づく専門的能力を期待され、投資銀行や投資ファンドでの企業再生やM&Aに関する需要があります。

 

同様に、M&Aや会計系のコンサルティングファームでコンサルティング業務に就くことも可能です。

M&Aの重要な手続きの一つであるデューデリジェンスは公認会計士の業務の得意とする分野であり、この他にも経営分析、企業のバリュエーションなど財務会計の専門的な経験を生かすことができる業務があります。

税務・会計コンサルタント分野

会計事務所、税理士法人でも、公認会計士の需要があります。

大手の事務所ではクライアントに上場企業や大企業があるため、会計の支援サービス、税務、管理会計のコンサルティングができる人材を必要としています。

 

相続税改正によって、より多くの相続税案件が増えましたので、個人または法人の資産税関連の対応のほか、事業承継アドバイスなど税務と会計の両方の経験が求められる案件でも必要とされるでしょう。

また、複雑なビジネスモデルを持つ世界的外資系企業や、海外展開企業では、その会計制度や税務制度の難易度が高くなります。

 

英語スキルがある公認会計士はこの分野での需要が高くなります。

年代別のキャリアプラン

公認会計士試験の合格者の多くは20代で全体の合格者数のおよそ84%を占めています(参照:日本公認会計士協会 平成30年公認会計士試験 合格者調)。

そのため試験合格後に公認会計士としての経験を積んでいくことになるため、監査法人においてはポテンシャル採用、一般企業では将来のマネジャー候補として採用されるでしょう。

 

国内の上場企業の他、外資系企業の監査を担当する可能性もあるため、英語によるコミュニケーション能力が求められますので、TOEICであれば少なくとも700点以上を、Big4監査法人であれば800点以上を目指すことが大切です。

30代以降の転職ではこれまでの経験を発揮できる業種、企業で勤めることで基本的な評価が高くなること、マネジメントの経験があれば経理部門の責任者に抜擢される可能性があります。

 

ベンチャー企業や中堅企業では将来、CFOのような経営層の候補者になることが期待できます。

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公認会計士の将来性は

公認会計士は、合格率の難易度から日本の国家資格で上位に位置づけられている重要な資格です。

会計制度に関する高い専門性と監査業務による豊富な経験に裏付けされた資格であり、監査法人での高待遇や、一般企業における経営層への参画の可能性など、魅力のある資格です。

 

公認会計士の独占業務である「法定監査」は、対象企業数が上場企業から地方公共団体、信用金庫などの金融機関まで幅広く、景気の影響を受けにくい安定した職種の一つと言えます。

監査法人での公認会計士需要の高まり

公認会計士の仕事は、一般的に豊富な知識力とクライアントとの高いコミュニケーション力が必要とされ、年齢や性別を問わず誰でも活躍できる機会ができます。

 

最近では監査法人において監査対応ができるスタッフ数が十分でないことを背景に、パートタイムや時短出勤の制度を設けて、出産や育児で休職する女性も復帰しやすい環境が徐々に整えられています。

人生のイベントでキャリアを中断しやすい女性でも安心して働くことができる労働条件となりました。

 

公認会計士は、特に女性のキャリアダウンを心配せずに長く働いていくことができるメリットがあります。

IT化による業務の効率性向上

IT技術の発達により、監査業務がますます効率的に実施できるようになってきました。

 

例えば公認会計士業界では、「未来の監査でのIT活用」として、ITを利用することで、監査対象企業の活動、取引、記録の電子化による会計情報の高度化と信頼性の向上を期待しています。(参照:日本公認会計士協会 監査業務におけるITの活用事例

監査手続きに関しても、企業の記録・証憑を電子データでリアルタイムに入手できるようになること、ビッグデータの蓄積・解析による監査論点の早期発見、統計・AIによる高度なデータ分析・解析によって、効率的に実施できるようになることを想定しています。

 

一般的なIT化の推進とAIによって、会計業務の一部または多くの部分は人の手に代わって対応されるようになるでしょう。

しかし公認会計士の監査業務では、むしろこのテクノロジーを活用してより的確に、確実な監査証拠を収集できるようになるメリットがあります。

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まとめ

公認会計士の業務は監査の立場と企業で働く立場でそれぞれ目的が変わります。

ITやAIを効率的に利用することで、休日出勤も多く激務といわれていた監査業務が合理化され、より働きやすくなる可能性があります。

 

クライアント数や対応すべき監査業務は増加傾向にあるため、監査法人での公認会計士の需要は引き続き高いといえるでしょう。

企業に勤める場合でも、専門的能力の高さ、豊富な経験を背景に、経理部門の責任者や将来の幹部候補として公認会計士の需要が続くと考えられます。

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