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内部監査の求人にはどんなものがあるでしょうか。
内部監査とは、大企業や上場企業の経理業務に携わると、ほぼ必ず聞くキーワードです。
企業内の組織で自社の業務や財務諸表の手続きに関して監査を行うことを内部監査と言います。
内部監査の仕事内容、求人動向がどういうものかを解説します。
そもそも内部監査とは
内部監査の主な目的は、業務どのように効率化していくか、そして不祥事や不正が発生しないように予防すること、あるいは早期発見することです。
内部監査の結果は、経営者に報告されます。
報告内容には、業務の環境や会計処理の適性さを伝えるとともに、問題がある場合には改善方針を提言する場合もあり、会社経営に大切なものと言えるでしょう。
会社全体として、重要な問題点がないかに特に留意し、業務の効率化を支えることで経営活動を間接的に支援できます。
内部監査は企業の経営活動とは独立して中立の立場で動く必要があります。
一般的には経営者の直属した部門(例えば内部監査室)にて対応しています。
内部監査は上場企業や大企業で実施される取り組みでありません。
中小から中堅規模の企業では大きな需要が見込まれない専門的な職業です。
そのため、他の一般的な経理や財務職に比べると求人数は少ない傾向にあります。
1.内部監査の求人動向は
内部監査は上場企業や大企業等の規模の大きな企業で実施されるため、自ずとその求人動向は限られるケースが多くなります。
内部監査は社内からの登用もあるため、外部へ直接求人を出すことが少ない面もあります。
内部監査人に求められる要求水準や経験は非常に高いものです。
外部へ求人を出すことで貴重な人材を獲得し、内部監査チームの底上げを図ることがあります。
内部監査担当者の年収は、経験に応じて500万円前後~1000万円弱と幅があります。
財務責任者としての経験があるなどの場合、1,000万円以上になる募集も見られるので、ひとつのチャンスと言えるでしょう。
大手企業では内部監査担当者の給与が一般的な事務職の給与水準よりも高い傾向です。
その背景として、監査業務の難易度が比較的高いこと、企業側で専門的な知識を持つ人材を希望している、などが挙げられます。
未経験者では内部監査への転職は厳しい
内部監査の担当者として求められる能力はいくつかあります。
- 経理と財務の深い知識
- 企業の業務内容を理解している
- 問題点を発見するための洞察力
- 問題の改善を提案するための専門性
こうした能力を備えていなければならないので、まったくの未経験からの転職は厳しいでしょう。
これらのうちどれかひとつに特化した専門知識がある場合だけでも内部監査人として十分ではありません。
幅広い視点と深い理解が求められるため、誰でもできる業務ではありません。
また、外資系の企業であれば、現場の担当者や関連部門とのヒアリングなど、優れたコミュニケーションが必要になるため、高い英語力が必要です。
外資系企業の内部監査の求人の採用難易度は日系よりも高い傾向にあります。
内部監査の求人に応募する際に有利に働く資格
様々な業種や深く携わった業務経験など、内部監査の業務では総合力が求められます。
内部監査に向けた資格を取得することもおすすめです。
内部監査人としての能力を示すことができ、転職の際に有利な評価になるでしょう。
公認内部監査人
企業を取り巻く経営環境が絶えず変化していく状況です。
企業の不祥事を未然に防ぐことや業務環境の効率性を高めるため、内部監査の必要性が認識されるようになりました。
そこで、日本内部監査協会(IIA-Japan)は、1999年から世界水準となる資格として、公認内部監査人(CIA、Certified Internal Auditor)を日本語で受験できるようにしてきました。
CIAは、資格認定試験に合格し、さらに実務経験等の要件を満たすことで授与される称号です。
CIAの資格認定試験は世界水準の認定制度となっており、世界で約190の国と地域で実施されています。
この国際的な資格であるCIAは、内部監査業務に精通したプロフェッショナルとして、経営者の信頼を得られやすいとされています。
また、公認内部監査人の資格は、試験に合格してから2年間の実務経験を積むことが必要です。
単なる資格ではなく、内部監査人としての経験を備えていることを証明していることから、転職の際に有利な評価を得られやすいでしょう。
外資系企業では、内部監査の求人で公認内部監査人の試験に合格している人材を優遇する採用が見られますので、注目度の高い資格といえます。
公認会計士
公認会計士は監査法人で様々な企業の監査業務に携わります。
財務諸表の監査の他にも内部統制監査なども経験があることから、内部監査業務にとって有望な資格のひとつです。
公認会計士は、独立した立場で財務諸表を監査している他、クライアントのためにアドバイザーとしてサービスを提供することもあります。
豊富な経験は内部監査人に転職する際、大いに役立つ資格と考えられるでしょう。
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2.内部監査の求人にある仕事はどのようなものか
内部監査の仕事はどの企業もでも概ね同じ目的に基づいています。
内部監査の仕事は、独立性の観点から経営者直属の内部監査部門として、自社の内部監査を行い、その結果を経営者に報告します。
監査対象は、重要な業務の手続きやその内容、会計処理の状況等です。
内部監査の担当者は、内部監査を行うために、まず会社の経営に関わるルールを確認します。
主に規程類や組織体制、稟議や決裁権限などを見て、実際の業務オペレーションがこれらのルールに従っているかどうかを確認する対象を絞ります。
基本的には重要な取引や、経営リスクが大きい取引を重点的に監査の対象として選定。
その後、監査計画を策定します。
実際の内部監査の業務では、監査計画に基づいて監査対象とした現場に訪れます。
重要な業務が正しく文書化されているかどうか、規程類は従業員にきちんと周知されているか、正しく運用されているかどうかを確認していくのです。
内部統制への対応
内部統制とは、事業目的や経営目標に対して、それらを達成するために必要なルール・仕組みを構築して、適切に運用していくことです。
これらの確認により、統制活動上の不備がある場合にはそれを是正し、あるいはリスクを鑑みながら対応方針を策定・実行します。
内部統制は、大きくは以下の4つを確認することが具体的な目的です。
- 業務が効率的に行われているかどうか(合理的な経営活動にかどうか等)
- 財務報告に信頼性があるかどうか(疑わしい取引がないか等)
- 法令は遵守されているかどうか
- 会社の資産が守られているか
そしてこれら4つの目的は以下の6つの基本的要素から構成されています。
- 統制環境
- リスクの評価と対応
- 統制活動
- 情報と伝達
- モニタリング(監視活動)
- IT(情報技術)
3.内部監査で求人がある企業とは
内部監査人の転職市場では、募集は増えつつあります。
背景には企業のガバナンス強化、海外にビジネスを展開するなどで組織の急拡大に伴う内部監査の必要性が高まっていることです。
一般に、内部監査を経験している人材は非常に少ない実情があります。
これは、内部監査の業務を遂行するために求められる経験や知識のハードルが高いからでしょう。
誰でも対応できるわけではない業務です。
経験が非常に重要視される職務です。
転職者の多くはある程度の年齢がある人材が中心になる傾向があります。
4.まとめ
内部監査の業務は、企業の経営基盤を安定させ、持続的に健全な発展を支えるものです。
内部監査は、自社内の常識にとらわれてはいけません。
広く世間一般においても問題がないとする客観性を持って、発見された問題に対して最適な措置を講じるための提案ができる能力が必要とされています。
内部監査の進め方、判断の仕方いかんにより現場業務が改善されることで、企業の成長に間接的な影響力を持つため、やりがいがある仕事です。
内部監査を実行できる人材として評価されるためには、十分な経験や関連する資格を持つなど低くないハードルがあるでしょう。
しかし、企業からの採用ニーズが高まりつつあります。
特に経理や財務系の出身者が採用されやすい状況になっている場合もありますので、気になる人は挑戦してみてはいかがでしょうか。
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