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日商簿記1級は転職に有利?ー取得難易度や年収例、活かせる仕事を紹介

更新日:2021.10.25

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転職のために、日商簿記1級を取得しようと考えている方は多いのではないでしょうか。
この記事では、日商簿記1級の転職市場における価値を詳しく解説していきます。

日商簿記1級の内容と取得難易度

まず、日商簿記1級とはどのような試験かを解説します。

日商簿記検定の概要

日商簿記検定は、日本商工会議所が実施している検定試験です。
日商簿記1級は年に2回行われ、「商業簿記」と「会計学」で90分、「工業簿記」と「原価計算」で90分の試験時間となります。

日商簿記1級のレベルは、日本商工会議所のHPによると「極めて高度な商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算を修得し、会計基準や会社法、財務諸表等規則などの企業会計に関する法規を踏まえて、経営管理や経営分析を行うために求められるレベル」とされます。

取得難易度ー取得にかかる費用と勉強時間

日商簿記1級を取得するためには、まず受験料7850円がかかります。
また、日商簿記1級は合格率が10%程度の難関試験であるため、多くの受験生が通信講座や予備校を利用しています。
通信講座や予備校の受講料は、7万~15万程度です。

日商簿記1級に合格するには、600~1000時間の勉強が必要と言われています。
1日2時間ほどの勉強を続ける場合、合格までに約1年~1年半ほどかかります。

日商簿記1級が転職に有利な理由

日商簿記1級は難関資格であり、合格までに何年も勉強しなければならないため、転職市場においてはその知識や向上心がとても高く評価されます。
大手企業の経理部門では、日商簿記1級レベルの知識や技能が求められますが、そのようなスキルを持った人材はかなり不足しています。
そのため、日商簿記1級取得者のニーズもとても高いといえます。

日商簿記1級では、簿記に加えて工業簿記や原価計算の知識も求められます。
そのため、予算作成や、経営分析、製造費用の管理、製品原価の決定など、企業の経営に関わる高度な業務のためのスキルを身につけることができます。
よって、企業の経理部だけでなく、財務やマーケティング、経営管理などの幅広い部門への転職を目指すことができます。

日商簿記1級取得後の転職先は?

次に、日商簿記1級を取得することで、どのような企業に転職できるかを解説します。

どのような仕事で活かせるか

①会計事務所

日商簿記1級取得後の転職先として、会計事務所を考えている方は多いのではないでしょうか。
多くの会計事務所が応募条件として日商簿記2級以上を挙げているため、日商簿記1級を取得していれば、面接の際も高く評価されます。

ただし、会計事務所の中には資格よりも経理経験や税務業務経験を重視している事務所もあります。

また、小規模な会計事務所の業務は税務業務や基礎的な仕訳入力などが中心となるため、日商簿記1級の知識をあまり活かすことができない場合もあります。

➁大手企業の経理部

大手企業の経理部では、海外支店会計や連結会計などの、日商簿記1級レベルの高度な経理業務を行っています。
そのため大手企業の経理部への転職では、日商簿記1級の知識を身につけていることや、難関資格に合格した能力の高さや向上心などが高く評価されます。

③コンサルティングファーム

コンサルティングファームにおいても、日商簿記1級の知識を活かすことができます。
日商簿記1級を取得することで、財務諸表から企業の経営状況や財政状態を分析するスキルが身につきます。
このスキルを利用して、クライアントに対して会計や経営に関するアドバイスを行うことができます。

また、企業の営業やマーケティング部門においても、財務諸表を読み取り、経営状況などを分析するスキルは必須となります。
日商簿記1級を取得していれば、経理以外の業務においても大いにその知識を活かすことができます。

日商簿記1級を応募条件にしている求人例

ここでは、日商簿記1級が評価される求人例をご紹介します。

求人例1

企業・職種:税務コンサルタント
仕事内容:相続・事業承継コンサルティング、セミナー運営、法人決算サポート
応募条件:日商簿記1級があれば未経験でも可、コミュニケーション力必須
年収:414~800万

求人例2

企業・職種:内部監査室スタッフ
仕事内容:内部統制の評価、監査法人対応
応募条件:日商簿記1級歓迎、ビジネスレベルの英語力
年収:500~600万

求人例3

企業・職種:会計事務所
仕事内容:税理士補助業務、クライアント訪問、会計ソフト入力
応募条件:日商簿記1級または税理士科目合格、経理未経験でも可
給与:月給20~30万

求人例4

企業・職種:コンサルティング企業
仕事内容:企業再生に関するコンサルティング、M&AやIPO支援
応募条件:会計に関する業務経験、日商簿記1級歓迎
年収:300~900万

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日商簿記1級を取得すれば、実務未経験でも転職できるか

会計事務所や企業の経理部の中途採用では、多くが経理・会計に関する業務経験を応募条件としています。
ただし、中には日商簿記1級を取得していれば未経験でも応募できる求人もあります。

経理未経験での転職を目指している場合は、年齢や職歴なども採用の決め手となります。
一般的に、30代前半までであり、事務などの経理業務に近い職歴があれば、採用される可能性は高いでしょう。

また、経理職の転職難易度は、景気によっても大きく左右されます。
ここ数年は、経理職に関しては売り手市場であるため、未経験でも転職できる可能性は高いといえます。

日商簿記1級以外に転職に有利な資格

最後に、日商簿記1級以外の転職に有利な資格をご紹介します。

税理士

日商簿記1級を取得することで、税理士試験の受験資格を得ることができます。
税理士試験は科目合格制をとっており、合計5科目に合格することで、税理士として登録することができます。
税理士試験はほとんどの受験生が働きながら勉強しており、仕事と受験勉強の両立も可能です。

税理士試験に1~2科目合格することで、会計事務所や税理士法人への転職ができます。
特に、大手税理士法人は年収も高く、高度な税務業務やグローバルな業務を行うことができるため、人気の転職先となっています。

公認会計士

会計や監査に興味がある方は、公認会計士を目指してみてはいかがでしょうか。
公認会計士試験に受験資格はありませんが、多くの受験生が学生や受験専念者であり、合格率もとても低い難関試験です。

公認会計士試験に合格した場合、ほとんどの方が大手監査法人に就職することができます。
大手監査法人の初任給は30万円以上であり、入社7年目で年収1000万円を超える場合もあるなど、年収アップを目指す方におすすめの資格です。

まとめ

以上が、日商簿記1級の転職市場における価値となります。

日商簿記1級を取得していれば、経理未経験であっても会計事務所や大手企業の経理部に転職できる場合があります。
ここ数年は売り手市場であるため、転職できる可能性が高まっているといえます。
さらに、日商簿記1級の知識を基に、税理士や公認会計士資格を取得すると、将来のキャリアプランはより広がるでしょう。

この記事が、日商簿記1級を活かして転職したい方の参考になれば幸いです。

Profile レックスアドバイザーズ

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