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税理士登録の流れ:必要な実務経験とは?アルバイトは実務経験になるのか

更新日:2023.05.30

税理士の転職お役立ち情報

空に人影

税理士試験に合格した後、税理士登録を行う際には、通算して2年以上の実務経験が求められます。
実務経験には、業務の内容や勤務時間などにおいて細かい規定が数多くあります。

この記事では、税理士登録の流れや、どのような実務経験が求められるかについて、詳しく解説していきます。

1.税理士登録に必要な実務経験とは

まず、税理士試験合格から税理士登録までの流れを簡単に解説します。

税理士試験の合格

税理士になるためには、まず税理士試験に合格する必要があります。
税理士試験は必修科目、選択必修科目、選択科の全11科目の中から5科目の合格が求められます。
科目の合格は生涯にわたって有効なので、多くの受験生は毎年1~2科目ずつ受験し、数年をかけて5科目の合格を目指しています。

税理士登録の流れ

税理士試験に合格しただけは、税理士として活動することはできません。
税理士として活動するためには、税理士会への登録が必要となります。

その際、税理士登録の要件として、通算して2年以上の実務経験が求められています。

税理士登録の流れは以下の通りです。

  1. 必要書類の提出・手数料の納付
  2. 税理士会の面接・調査
  3. 日本税理士会連合会の調査・審査
  4. 税理士登録

税理士登録に必要な実務経験について

税理士登録に必要な実務経験の内容は、租税に関する事務または会計に関する事務で政令に定めるものと規定されています。

具体的な業務内容は下記のとおりです。

  1. 簿記上の取引について、簿記の原則に従い取引仕訳を行う業務
  2. 仕訳帳等から各勘定への転機業務
  3. 元帳を整理し、日計表または月計表を作成して、その記録の正否を判断する事務
  4. 決算手続に関する事務
  5. 財務諸表の作成に関する事務
  6. 帳簿組織を立案し、または原始記録と帳簿記入の事項とを照合点検する事務

なお、実務経験に該当するかどうかは、在職証明書や税理士会の面接・調査等から個別に判断されます。

また、実務を行っていた期間が税理士試験の受験前でも、実務経験として含めることができます。

さらに、学生がアルバイトとして上記業務を行っていた場合も、実務経験として含めることができます。

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2.税理士登録に必要な実務経験ー会計事務所や税理士法人に勤めている場合

会計事務所や税理士法人は、登録に必要な実務経験を最も積みやすい職場といえます。
会計事務所や税理士法人には、税理士や税理士試験合格者が多く働いており、どのような業務が実務経験として認められるかについての理解が深いため、問題なく実務経験を積むことができるでしょう。

また、税理士登録に必要な書類を整える際、会計事務所や税理士法人であれば比較的スムーズに揃えることができるというメリットもあります。

3.税理士登録に必要な実務経験ー一般企業に勤めている場合

一般企業においても、業務内容が租税に関する事務または会計に関する事務で政令に定めるものとして認められれば、実務経験に含むことができます。
ただし、経理業務の中でも、簿記の知識がなくてもできるような単純な事務や、電卓を使用して行う単純な入力事務などは実務経験に該当しないと判断されます。

また、原則として通常の勤務時間内における勤務時間のみがカウントされるため、勤務時間外の勤務は含まれないことに注意が必要です。

4.税理士登録のための実務経験を証明する書類

在籍証明書とは

税理士登録には様々な書類が必要ですが、その中で実務経験の証明にのために必要な書類が在籍証明書と呼ばれるものです。
在籍証明書には、実務経験を積んだ職場の所属長の捺印が必要です。

また、複数の職場で実務経験を積んだ場合は、その全ての職場から在籍証明書を発行してもらう必要があります。

在籍証明書を取得する際の注意点

在籍証明書の取得に関しては上記以外にもいくつかの注意点があります。
一般企業の経理部門で実務経験を積んだ場合は、在籍証明書に加えて職務概要証明書を提出しなければなりません。
一般企業の場合、会計・経理業務だけでなく、その他の業務も行っていることが多いため、業務内容を確認するために求められてます。

また、所属企業の組織図の提出も求められています。
パートやアルバイトなどの非正規雇用で実務経験を積んだ場合は、在籍証明書に加えて勤務時間数の積み上げ計算書類の提出が必要となります。
しかし無報酬で勤務した時間は実務としてカウントされないため注意が必要です。

5.実務経験を積み、税理士として登録した後のキャリアについて

税理士登録後のキャリアとしては、転職や独立開業など様々なプランが考えられますが、今回は代表的な4つの例を紹介したいと思います。

大手税理士法人への転職

税理士法人、特にBig4などの大手税理士法人への転職はとても人気があります。
大手税理士法人は、国内・海外の大企業をクライアントに持ち、会計・税務・コンサルティングなどの幅広いサービスを提供しています。
よって、一般の会計事務所では取り扱いがないような高度な税務業務や、英語を使った国際税務に関する業務などを経験することができるでしょう。

また、多くの大手税理士法人は監査法人や弁護士法人、コンサルティングファームなどと提携しています。
そのため、税理士以外の公認会計士、弁護士、経営コンサルタントなどの専門職員と共に働いたり、税務業務と並行して監査やコンサルティング業務に携わることも可能です。

一般企業

税理士は、一般企業でも活躍しています。
大手企業では、経理部門や財務部門で税務に関する業務を専門に担当することが多く、中小企業では経理、財務に関する業務を幅広く担当していることが多いです。

また、企業内で出世を重ねて、最高財務責任者(CEO)を目指す道もあります。

独立開業

税理士登録後、独立開業を考えている方は多いでしょう。
開業税理士は、能力次第で高収入が得られる可能性があることや、自分のペースで働くことができ、また定年もないため生涯現役で働くことができるというメリットがあります。

一方、事業拡大のためには営業努力が欠かせず、また業務上の責任もすべて引き受けなければなりません。
さらに事業主であり、自分の代わりがいないため、事故や病気になった場合のリスクが大きいことがデメリットといえます。

コンサルティングファーム

コンサルティングファームの中で、税理士の転職先として多いのは、会計系および資産税系のコンサルティングファームです。
会計系コンサルティングファームでは、IPO、M&A、組織再、事業譲渡などの支援業務を行っています。

また、資産税系のコンサルティングファームでは、富裕層に向けた相続税の相談や、事業承継に関するアドバイス業務を行っています。

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6.まとめ

以上が税理士登録に必要な実務経験の内容です。

  • 経理業務の中でも、単純な作業は実務経験として認められない
  • 無報酬での業務や、勤務時間外の業務は実務経験として含めることができない
  • 一般企業や、非正規雇用として実務経験を積んだ場合、追加の書類が必要となる

などに注意して、計画的に実務経験を積むようにしましょう。


また、実務経験中の業務が、転職先や開業後の業務に活かせる場合も多いので、どのような職場、業務で実務経験を積むのかについて慎重に検討するとよいでしょう。

Profile レックスアドバイザーズ

公認会計士・税理士等の有資格者をはじめとする会計人材専門特化した人材紹介会社。
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