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USCPAとは、アメリカ各州が認定する公認会計士資格です。
日本では米国公認会計士とも呼びます。
転職でキャリアアップを考えている30代、40代にも人気の資格です。
しかし、USCPAの資格を取れば監査法人などへ転職できるのでしょうか。
未経験でも転職は可能なのかなど、USCPAの転職における価値について解説します。
USCPAの転職における市場価値とは
USCPAとは、U.S. Certified Public Accountantの略で、アメリカ各州が認定する公認会計士資格です。
アメリカの資格ではありますが、世界的に非常に高い認知度を持ちます。
全世界で約40万人のUSCPA取得者がいると言われ、様々な分野で活躍しているのです。
転職を考えるとき、キャリアアップや年収の上昇を望む人は多いでしょう。
今よりもっとやりがいのある仕事を願う場合、資格は役に立ってくれます。USCPAは転職にどんな良い影響をもたらしてくれるのでしょうか。
転職する場合、USCPAの取得はどう評価される?
USCPAはアメリカの資格であり、試験は英語で行われます。
また、企業経営やITに関する知識も問われる試験です。
USCPAを取得すれば、会計・監査の知識だけではなく、英語力や、経営やITの知識も身につけていることの証明となります。
さらに、USCPAは国際的に通用する資格です。
USCPAに関してMRA(国際相互承認協定)を結んでいる、香港、アイルランド、カナダ、メキシコ、オーストラリア、ニュージーランドでは、追加の研修を受ければ現地の公認会計士と同じ業務を行うことができます。
近年は減少傾向にありますが、日本人の受験者数も多い人気の資格です。
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USCPAは監査法人に転職できるの?主な転職先
転職時にUSCPAの資格を取得していれば、会計・監査分野の知識及び英語力が身についていると客観的に示すことができます。
USCPA所得者は、監査法人はもちろん、外資系企業や海外展開している企業や海外市場へ上場している企業、海外のクライアントを持つ企業など、多くの企業にも需要があります。
どんな転職先ならUSCPAのニーズがあり、どのような業務を行っているのか。
主な転職先を紹介します。
監査法人
監査法人では、監査部門やアドバイザリー部門でUSCPAの採用を行っています。
中でも、Big4(EY新日本有限責任監査法人、有限責任監査法人トーマツ、有限責任あずさ監査法人、PwC Japan有限責任監査法人)など、大手監査法人での採用はとても活発に行われているようです。
監査法人の監査対象企業には、海外展開している企業や海外市場へ上場している企業も多く、USCPAの資格取得者の需要はとても高いといえます。
中小監査法人でも、クロスボーダーM&Aなどの案件を取り扱う監査法人で、USCPAの採用を行っています。
また、近年USCPAの転職先として人気なのが、FAS部門です。FASとは、ファイナンシャルアドバイザリーサービスのこと。M&Aや企業再生支援などのサービスを行う部門です。
大手監査法人のFAS部門では、規模が大きくグローバルな案件を数多く取り扱っているため、USCPAの需要も高まっています。
さらに国内のみならず、海外に駐在できる場合もあります。
Big4など日本の大手監査法人は、全世界に展開しているグローバルファームと提携しています。
日本の監査法人から海外の拠点に駐在したり、提携ファームへ出向したりすることが可能です。
また、直接海外の監査法人へ転職するという、今までになかった道が開ける可能性もあるでしょう。
監査法人には、年齢にもよりますが、監査未経験でも転職できる求人が数多くあります。
事業会社で経理や経営企画の仕事をしていた方、コンサルティング業務に従事していた方、会計システム導入の経験ある方など、さまざまなバックボーンを持つ方が活躍しています。
監査法人について、より詳しく知りたい方はこちら
監査部門の業務内容
監査部門に配属された場合、主に会計監査を担当することになります。
企業は経営にあたって、財務諸表を作成します。
取引の金額が違うといった記載ミスや、粉飾決算などの不正行為がないかを調べることが監査の業務内容です。
所定の監査手続きに基づき、企業の健全な運営をサポートします。
公認会計士の独占業務は行えません。
アドバイザリー部門の業務内容
監査法人の中には、アドバイザリー部門を持ち、USCPAの資格保持者が配属されることも多いです。
アドバイザリーとは、非監査業務に含まれます。
企業の持続的成長や経営の基盤強化を目的とし、内部統制やCSR(企業の社会的責任)といった、会計監査以外の経営に関する分野の助言を行う業務です。
綿密なコミュニケーションで企業のニーズ、課題を汲み取り、適切なアドバイスを行うことが求められ、多くはコンサルティング経験者が担当します。
独占業務ではないので、USCPAでも活躍できる可能性は高いといえるでしょう。
コンサルティングファーム
USCPAの転職先として、コンサルティングファームも挙げられます。
コンサルティングファームは、クロスボーダーM&Aや、海外企業が絡んだ事業再生業務などの業務を行うファーム(会社)です。
USCPAの採用が活発に行われています。
ただコンサルティングファームへの転職では、USCPAの資格だけではなく、コンサルティングやM&Aなどの関連業務の経験が求められることが多いようです。
未経験可の求人だとしても、高いコミュニケーション能力や、企画・交渉力などが求められます。
国内事業会社
国内の一般事業会社でも積極的にUSCPAの採用が行われています。
具体的には、海外に支店や子会社を持つ企業です。
アメリカ市場に上場する企業や、海外の投資家向けに英語でIR情報を作成する企業が増加しています。
英語と会計の知識を持つUSCPAの資格取得者が活躍する場面が増えているのです。
さらに、総合商社でもUSCPAは活躍しています。
多くは経理・財務部門での採用です。
海外との取引を行う際、会計の知識と英語力を発揮することが可能となります。
経験を重ね、経営企画にステップアップする方もいるようです。
事業会社では、即戦力として中途採用を募集する傾向があります。
これまでの経験をアピールしつつ、USCPAの資格を切り札として持っておくと、希望の転職を実現できる可能性が高まるでしょう。
興味のある求人、自分のスキルを活かせそうな求人があれば挑戦してみるのもひとつの方法です。
外資系企業・海外事業所
国内企業ではなく、外資系企業に転職するUSCPA取得者は多くいます。
USCPAは米国の資格であるため、米国系企業の求人ニーズが特に目立ちます。
米国企業の会計基準はUS-GAAPが多いため、USCPAの資格取得で得た知識をフルで活かすことができます。
アジア系やヨーロッパ系企業でも、USCPAを採用している外資系企業は多くあります。
最近は国際会計基準(IFRS)を導入しているヨーロッパ系企業が多いため、USCPAの知識をそのまま活かすことは難しいかもしれません。
しかし、会計に関する英語力は重宝されるでしょう。
USCPAの年収についてはこちらもチェック!
USCPAの試験詳細
ここで、USCPAの試験詳細を改めて振り返ってみましょう。
アメリカの資格ですので、出願の際は「州」を選ぶのが特徴。
誰でも受験できるという資格ではなく、「学位要件」(主に四年制大学を卒業していること)「単位要件」(ビジネス単位を一定数以上取得)の2点をを満たしている必要があります。
ただ、受験やライセンス取得の条件は州によって異なるので、確認しておきましょう。
USCPAの試験はコンピューター形式なので、渡米せず受験できます。
- 財務会計
- 企業経営環境・経営概念
- 諸法規
- 監査及び諸手続き
4種類の試験科目受験が必要です。
試験時間は4時間となっています。
先ほど州によって条件はそれぞれだと述べましたが、試験の難易度は変わりません。
相対評価ではなく、絶対評価の試験であり、ボーダーライン以上の点数を取れば合格です。
試験形式は4択問題とシミュレーション問題の2種類で形成されています。
一度にすべてを受験する必要はありません。
ただし、18か月以内にすべての科目に合格することがUSCPA取得条件となります。
全米で試験が行われていますが、日本国籍を持っていれば日本国内で受験することが可能です。
受験票の有効期限は6か月であり、その間に試験を受ける必要があります。
一方、受験回数に制限はありません。
年間を通して何回でも受けられます。
USCPAの勉強についてはこちらの記事もご覧ください。
USCPAは独学で取得できる?試験の難易度や勉強のポイントを解説
USCPA資格者の転職求人例
せっかく取得したUSCPAの資格。
転職で有効に活かしたいですね。
USCPAの資格を取得している場合、未経験でも転職可能な求人もあります。
転職では業務内容と年収が重要です。
ここでは具体的な求人例を紹介します。
求人例1
企業:監査法人
業務内容:監査業務、アドバイザリー業務
年収:500万~1500万
応募条件:USCPA資格者 監査経験については未経験でも可
求人例2
企業:一般企業
業務内容:業務改善、システム導入、コンサルティング
年収:400万~1200万
応募条件:USCPA 業務未経験でも可
求人例3
企業:コンサルティングファーム
業務内容:クライアントがM&Aした海外子会社の管理や内部統制構築、海外出張あり
年収:650万~1000万
応募条件:USCPA 何らかのコンサルティング経験
科目合格の時点で転職を考えているという方はこちらの記事もチェック→
USCPA有資格者が転職する際の注意点
USCPAの資格が万能というわけではありません。
経理やコンサルティングの経験がセットになると、非常に強いアピール力を持つことができます。
未経験の場合は特に監査法人でチャンスがあります。
特に近年はBIG4監査法人もUSCPAの採用に積極的ですので、チェックすることをおすすめします。
しかし一般的にいうと未経験での転職はとても難しいのが事実です。
USCPA取得を機に、キャリアチェンジをしたり、あらたなチャレンジをしたりする方は、
転職エージェントを活用することをおすすめします。
未経験でのチャレンジをサポートしてくれるでしょう。
USCPAの資格を取得していることで、英語と会計・監査知識をアピールできます。
うまく活用することがより良い転職先を見つけることにつながるでしょう。
資格を有効利用し、効果を最大化していきましょう。
USCPA取得年齢によって転職しやすさは異なる?
転職の際には、年齢が採用のポイントとなるケースがあります。
20代~30代前半くらいまでであれば、キャリアチェンジや未経験からのチャレンジなども比較的実現しやすいといえます。
一方、30代後半以降の場合、USCPAを取得していても、それまでの職種と全く異なる職種への転職は難しくなることが多くなります。
ただ、実際にはUSCPAの取得者は30代以降が中心です。
30代からチャレンジする人が多いことは心強いですね。
今までのキャリアをアピールすることが重要な役割を果たすでしょう。
USCPAの求人採用は積極的に行われている?
USCPAが転職する難易度は、本人のスキルや経験だけでなく、転職市場の状況によっても変わります。
大手監査法人の場合はあまり景気に左右されず、毎年多くの採用枠があります。
事業会社の求人状況は景気に左右されやすく、転職での採用枠も1人か2人といったところです。
このように転職先にどこを選ぶかによって、USCPAの転職難易度は大きく変わる傾向があります。
転職市場における価値についてはこちらの記事もご覧ください。
まとめ
監査法人をはじめとした多くの企業で、USCPAの資格取得者が求められています。
グローバル化がより一層進む昨今、USCPAの資格を取得していれば、英語と会計・監査の知識の両方を一度にアピールすることが可能です。
取得を考えているという方は、受験の準備をしてみてはいかがでしょうか。
会計や監査業務に興味がある方や、英語を使った業務を希望している方にとって、USCPAの資格は転職にきっと役立つでしょう。
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