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税理士になるためには、税理士試験を突破するだけではなく、税理士として日本税理士連合会の名簿に登録を行わなければなりません。
税理士となるために払わなければならないものとしては、以下の3つがあります。
- 税理士登録料(5万円)
- 登録免許税(6万円)
- 税理士会費(会費・支部会費: 会と支部によって異なる)
登録の際には税理士登録料を支払わなければならず、また、税理士会の年会費の支払いも必要となります。
そのため、税理士となったあとも、税理士資格維持のために費用を支払い続けなければなりません。
この記事では、税理士試験について説明したうえで、税理士の登録料について詳しく解説していきます。
この記事を読むことで、税理士の資格維持のためにどれくらいの費用がかかるかがわかるようになります。
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税理士になるには?
税理士となるためには、まずは試験に合格し、試験合格後、日本税理士連合会が備える税理士名簿に登録する必要があります。
ここでは、税理士登録前にしなければならないことについて解説していきます。
まずは税理士試験に合格しよう
税理士試験は、会計学に属する科目2科目と税法に属する科目3科目の計5科目をそれぞれ60%以上得点できたとき合格者となります。
会計学に属する科目とは簿記論・財務諸表論の2科目です。
一方、税法に属する科目とは、所得税法・法人税法・相続税法・消費税法・酒税法・国税徴収法・住民税・事業税・固定資産税です。
このなかから、受験者の選択する3科目について行われますが、所得税法又は法人税法のいずれか1科目は必ず選んで受験し、合格しなければなりません。
なお、令和5年度の税理士試験からは、受験資格が変更となることが予定されているのでご注意ください。
大学院に通って免除を得る方法もあり
税理士試験は、上記のとおり、会計学に属する科目2科目と、税法に属する科目3科目に合格しなければなりませんが、大学院に通って試験科目免除を受けることも可能です。
- 税法に属する科目の認定を受けるためには、大学院において所得税法や法人税法などの税法に属する科目等の研究により学位を授与されていること。
- 会計学に属する科目の認定を受けるためには、大学院において簿記論や財務諸表論などの会計学に属する科目等の研究により学位を授与されていること。
なお、専門職大学院では、課程修了要件として論文の提出が必須とされていないので、試験科目の免許を受けることはできませんのでご注意ください。
実務経験を積む
税理士試験に合格すればはれて税理士になれるわけではありません。
税理士試験合格後、租税または会計に関する事務で、政令で定めるものに従事した期間が通算2年以上となるように、実務経験を積む必要があります。
ここで言う、実務経験とは具体的には以下の表のとおりです。
実務経験に関する参考条文・通達
税理士法第3条第1項 | 税理士法施行令第1条の3 | 税理士法基本通達 |
租税に関する事務 |
税務官公署における事務のほか、その他の官公署及び会社等における税務に関する事務 (3-1) |
|
会計に関する事務で政令で定めるもの | 貸借対照表勘定及び損益勘定を設けて計理する会計に関する事務(特別な判断を要しない機械的事務を除く)※ |
簿記の原則に従って会計帳簿等を記録し、その会計記録に基づいて決算を行い、財務諸表等を作成する過程において簿記会計に関する知識を必要とする事務
(3-3) |
出典:税理士登録の手引
税理士になる要件を整えたら登録料が必要!
税理士試験を突破し、一定期間の実務経験を積めば、税理士となる資格を得ることができます。
税理士となる資格を有する人が、税理士となるためには、日本税理士会連合会に備えられている税理士名簿に登録することが必要になります。
税理士名簿には、氏名・生年月日・事務所の名称及び所在地その他の事項の登録を受ける必要があります(税理士法第18条)。
税理士となるために払わなければならないものとしては、以下の3つがあります。
- 税理士登録料(5万円)
- 登録免許税(6万円)
- 税理士会費(会費・支部会費: 会と支部によって異なる)
ここでは、税理士登録料と税理士会費に絞って詳しく解説していきます。
税理士の登録料とは
税理士登録の申請を行うにあたって、登録申請者は、日本税理士連合会会則に基づいて、登録手数料として5万円を納付する必要があります。
この手数料は、登録申請を行うときに提出する際に、税理士会の指定する方法によって納付しなければなりません。
通常は、税理士会受付時に現金で納付するか、郵送振り込みで納付します。
税理士会の会費も必要
税理士登録の登録料・登録免許税の2つを納めたら、次は税理士会の会費を納める必要があります。
会費としては、細かく分けると、税理士会への入会金や年会費、支部会の年会費を支払わなければなりません。
入会金・年会費・支部会費は、全国一律ではなく会と支部によって違います。
税理士の登録料や会費は誰が負担する?
ここまでは、税理士として登録するために必要となる登録料や会費について説明してきました。
それでは、この費用は誰が負担しなければならないのでしょうか。
結論から言えば、この費用は自分で負担することはもちろん、事務所や会社が負担するケースもあります。
以下では、この点について詳しく解説していきます。
事務所や会社が負担するケースもあり
税理士の登録料は、自分で負担するのが基本ではあるものの、事務所や会社が負担してくれるケースもあります。
税理士として登録するだけで多額の費用がかかりますが、これは必要経費です。
そのため、事務所や会社に雇用されている方が税理士登録をするケースでは、会社負担で経費として処理してくれます。
転職するときには費用負担の確認をしよう
事務所や会社が費用を負担してくれるケースもありますが、負担してくれる理由は、事務所や会社に税理士として活躍してもらうことで会社にメリットがあるからです。
したがって、もし、事務所や会社から転職するなどの予定がある場合には、登録料などの費用負担を雇用先と十分に確認することが大切です。
税理士として独立開業するには登録料のほかに何が必要?
税理士として独立開業するためには、登録料以外にも費用がかかります。
ここからは、税理士試験を突破し、税理士として登録したうえで、他に必要となる費用にどのようなものがあるかについて解説していきます。
自分で事務所を構えて独立開業するのは税理士の憧れ
税理士として自分で事務所を構えて、独立開業するのは税理士の憧れの一つです。
税理士となる前は、会計事務所や税理士事務所で働いて経験を積みながら、税理士試験の合格を目指すのが一般的です。
そのため、税理士として登録したら、次は独立開業という考えを持っている人も少なくありません。
そこで、以下では、独立開業するためにどんな投資・費用が必要であるかを解説します。
開業するには初期投資が必要
税理士事務所を開業するためには初期投資が必要です。
まずは事務所を借りなければなりませんし、事務所に備える備品などにも投資が必要となります。
事務所を借りるとなれば、敷金や礼金が必要となる場合もあります。
クライアント獲得のための費用も必要
税理士として開業したばかりでは、誰もそこに税理士事務所ができたことを知りません。
そのため、クライアント獲得のために広報を行う必要があります。
一般に、税理士のクライアントワークは地味なもので、商工会議所の集まりに出向いて名刺交換をしたりして、地元の経営者との関係性を深めるところからはじめていきます。
ポスティングを行ったり、ホームページを作成したりするのも、クライアント獲得のための重要な手段です。
これらの活動のためにも当然コストがかかります。
会計ソフトや会計クラウドサービスの維持費用も
税理士の仕事のなかでも、まだまだ記帳業務は重要な位置を占める業務の一つです。
ただし、記帳業務を手作業で行うということはなく、最近では、会計ソフトや会計クラウドサービスを利用するのが一般的になっています。
税理士としての報酬は、クライアントの数によって大きく左右されますが、多くのクライアントを抱えるようになれば、当然、業務を効率化していく必要があります。
そのため、会計ソフトや会計クラウドサービスを利用して、業務の効率化に取り組む必要があります。
結果として、税理士としては、会計ソフトや会計クラウドサービスへの投資も不可欠です。
まとめ
税理士として試験を突破し、実務経験を積むことで、はれて税理士として登録できるようになります。
税理士として登録するためには、税理士登録料の他にも様々な費用がかかるのが普通です。
独立開業するのであれば、事務所の賃料などを用意したり、備品の予算を用意したりする必要があります。
事務所や会社に雇用されている場合には、税理士登録費用を負担してくれるケースもありますが、登録後しばらくは、事務所や会社に貢献する必要がありますので注意してください。
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