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公認会計士に必要な能力はどんなもの?スキルを活かせるキャリアは?

更新日:2023.05.17

会計士の転職お役立ち情報

公認会計士に必要な能力、スキル

公認会計士はひとたび試験に合格してしまえば、能力やスキルを身につける必要はない、と思っている人は少なくありません。
果たして、そうなのでしょうか?

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公認会計士に必要な能力は?

公認会計士の就職先と聞いて一般的に思い浮かぶのは監査法人です。
ここでは、公認会計士の試験合格から監査法人で働き始めて独立開業するまでのキャリアパスを想定して、公認会計士に必要な能力を紹介します。

試験に合格するため?公認会計士の試験に耐えられる人に必要な能力は?

公認会計士試験は最難関国家資格の一つであるために、高学歴であることや、簿記1級を取得していることが必要と思われがちです。

 

確かに、合格体験記などには、高学歴の方が目立ちます。
しかし、実際の監査法人で働く公認会計士に聞いてみると、そこまで高学歴な人たちばかりではありません。

 

合格率が10%前後の試験に合格するために必要なのは、小手先のテクニックを習得する能力や目先の答練でいい成績を残す能力ではありません。

合格している人に共通している特徴は、公認会計士になる、という強い信念を維持して合格するまで集中して勉強し続けることができる人です。

この特徴を単なる精神論にせずに、試験合格に必要な能力として言語化すると、

 

  • 公認会計士になって、どのようなキャリアや人生を進むのか、ゴールイメージと目的を明確に描ける能力
  • 描いたゴールに対して、モチベーションを維持できるように、こまめな中間目標と行動計画を立てて継続できる能力

 

となります。誤解を恐れずに簡単に言うならば、大きな夢を描いて、小さなことから始めることができる能力が必要になります。

前者は楽観的に、後者は悲観的に物事を考える能力があるとうまくいくと言われています。試験の準備をしている人は参考にしてみてください。

監査法人の仕事で求められる能力は?

公認会計士の就職先として真っ先に思い浮かぶのが監査法人でしょう。

監査法人での会計士の仕事は、当然監査することです。
決められた監査期間内に膨大な資料をチェックし、不備や問題点を洗い出して確認することを積み重ねる、作業とも言える仕事となります。

 

求められる能力としては、

 

  • 高度な会計知識と正確性
  • 効率よく業務を進める処理能力
  • 効率よく仕事を進めるためのPCスキル、ITの知識
  • 数字をチェックする力

 

といったものが挙げられます。
これらの能力は、膨大な資料を処理する経験を積み重ねることによって自然に身につくものです。
キャリアのスタート時にそなわっていなくても心配ありません。
監査法人の仕事で求められる能力のうち、意識して身につけなければいけないのは以下になります。

 

  • 会計上の論点や監査上の指摘事項を伝えるコミュニケーション能力
  • 指摘事項の確認や必要な情報を引き出すための交渉力
  • 業務改善や問題解決を提案する企画力

 

なぜ意識して身につけなければいけないのかと言うと、監査法人は、法制度上、必要なシステムに組み込まれた存在であるため、クライアント企業の担当者は話を聞く姿勢でいてくれるからです。
大袈裟に言えば、これらの能力に乏しくても仕事をこなせてしまうことになります。
膨大な仕事を積み重ねる過程で、意識して能力を磨かないと、数年後には大きな差となることでしょう。

独立開業に必要な能力は?

他の士業と同様に、独立開業に必要な能力は何といっても営業力となります。
仕事がなければ生業とならないからです。

 

独立の前に人脈形成を築いたり、営業活動を継続するノウハウを学んでおきましょう。

従業員を雇用するようになれば、事務運営のマネジメント力や経営能力が必要になってくることを認識しておくことも大切です。

公認会計士が追加で持っておきたい必要な能力はなに?

監査法人から独立開業するだけが公認会計士のキャリアパスではありません。
活躍の場を広げるために、追加で持っておきたい必要な能力はどんなものがあるでしょうか?

増える海外監査基準、必要な能力として英語力が求められる?

国内展開している日本企業、もしくは外資系日本支社をクライアントとした場合、公認会計士が英語力を要求されることはほとんどありません。

しかし、日本企業であっても、海外進出や海外企業を買収といった場合には、英語力が試される機会が多くなってきています。

他にも、英語力があることで、公認会計士としての業務において、有利に展開する機会が増えていく可能性があります。

 

  • クライアントがグローバル企業の国際部となった場合でも対応できる
  • グローバル企業へのアサインをされる可能性が高まる
  • 英語を使うスピードが高まり、原文に触れる機会が増える
  • 海外転勤の可能性が高まる

 

今やネットで世界中がつながる時代です。
公認会計士であっても日々英語力を磨くようにしましょう。

中小企業やベンチャーも利用?税務知識も必要なわけ

独立開業後に中小企業やベンチャー企業をクライアントとして想定するのであれば、税務知識も身につけておくべきでしょう。

なぜならば、中小企業やベンチャー企業がクライアントの場合は、公認会計士と税理士を別々に契約するケースは少なくなるからです。

特に小規模事業のクライアント企業にとっては、経営として会計と税務をセットでとらえているため、切っても切り離すことはできません。

 

例えば、会計士として中小企業と顧問契約を結んだとします。
会計処理の後には当然、税務申告がついてきます。
そこで、クライアント企業に無駄な納税をさせてしまっては、不当に利益を損失させてしまうことになります。

最悪の場合には、税務の知識不足が税法違反というリスクにもつながる可能性もあります。

 

税務知識が不足していると、中小企業やベンチャー企業のニーズに応えられず、機会損失につながりかねません。
所得税や確定申告について、最低限の知識は理解し、できる限り独立前に業務を経験しておくようにしましょう。

進む電子化、公認会計士にITスキルは必要な能力?

経理の処理から監査・コンサルまでを会計士がこなしてきてしまっているという実態があります。
一方で、ルールが決まっていて間違えないような処理は、ツールを使って効率化してきているのも事実です。

歴史的に見れば、そろばんから始まり、電卓、パソコン、会計ソフト、と経理の処理は時代によってツールが変わってきています。

 

入力作業をするために公認会計士の資格を取った人はいないはずです。
IT技術が進めば、会計士が従来やっていた入力作業が効率化されて、本来業務に専念できるようになります。

 

本来業務とは、非定型的でクリエイティブな仕事、すなわち監査とコンサルです。
異常値の検知や経営に対して想像力を働かせた提案など、人間の会計士にしかできない部分に特化して能力を発揮する時代へと変わっていくことでしょう。

ITスキルは最低限に抑えて、本来業務の能力を磨くことを大切に仕事をしましょう。

公認会計士として必要な能力を向上させるための方法は?

会計士は、意識して能力を向上させるように取り組まないと成長することはできません。

なぜならば、監査は毎年必ずやってくるため、意識しないと忙しいことを理由に努力を怠ってしまうからです。

ただ膨大な仕事をこなす普通の会計士になってしまわないよう、小さなことでも挑戦し続けることが大切です。

積極的に海外へ

公認会計士として必要な能力を向上させるための方法の一つに海外進出が挙げられます。

出向または現地採用、どちらかの手段にて海外で働くことによって、対応できるクライアントの幅が広がるからです。

 

例えば、出向という形で海外へ赴任し、3年の任期を終えて日本へ戻ってきた場合、

 

  • 日本企業の海外グループ会社
  • 海外企業の日本法人

 

といったクライアントを担当することが想定できます。

就職や転職の際には、キャリアの方向性も考えましょう。
海外展開している国内監査法人や企業を選び、ゆくゆくの出向を目指すのか、海外の監査法人や企業に直接転職するのか。
あらかじめ調査し準備しておくのもよいでしょう。

 

また、WEBシステムの発達によって、日本にいてUSCPAの取得もしやすくなっています。
海外進出をめざすのならば、国際資格を視野に入れておくのも有効になります。

監査法人勤めはサラリーマンと同じ!?最低でもシニア職を経験しておこう

監査法人で働く会計士がキャリアアップのために転職を見据えるのならば、最低でもシニア職を経験しておくことをおすすめします。

理由は、転職の条件は、転職前の年収と経験に大きく左右され、監査法人から転職するのに最も適した役職はシニア職となるからです。

 

シニア職からマネージャー職へは一般的に約10年かかります。
年収も高くなり、転職時に時間がかかったり年収が下がってしまったりするリスクが生じることもシニア職をおすすめする理由の一つです。

 

スタッフから始まり、シニア、マネージャー、パートナーと昇級する構造は、一般企業の社員、主任、係長、課長、部長と同じピラミッド型の組織構造と似ています。

 

監査法人に勤めていても実はサラリーマンと同じ部分は多く、他の監査法人への転職、事業会社やコンサルティングファームへの転職、いずれにしても、転職に有利な職歴と年収があることを認識しておきましょう。

公認会計士は他の職種へ転職してもやっていける?必要な能力は?

公認会計士が監査法人から他の職種へ転職を考えたとき、企業の経営やコンサルティングといった職種を希望する人も少なくありません。

経営やコンサルティングには、監査業務以外の知識や経験が必要となるため、監査業務だけをこなしてきた会計士にとっては、経験不足となります。

 

  • 広いビジネスを経験
  • できるだけ多くの現場を経験
  • 先輩や上司の調書も見に行く
  • 後輩指導

 

といった、独立開業に必要な営業力や経営管理能力を鍛え、人脈形成をしておくと役に立つでしょう。

公認会計士に必要な能力を身につけたら?スキルを活かせるキャリアは?

公認会計士にとって会計事務所や税理士法人は王道

将来的に独立開業を視野に入れる公認会計士にとっては、会計事務所や税理士法人への転職が有効となります。

なぜならば、中小企業や個人事業主がクライアントとなるケースが多く、経理や決算、税務申告だけでなく、経営についてのコンサルティングを経験することができるからです。

 

また、会計事務所や税理士法人の代表は、独立開業を実際に経験してきているはずです。
一緒に働く先輩が独立をしていく姿を見ることもあるでしょう。

 

身近な人をメンターとして活用すべく、積極的にコミュニケーションをとり、独立への心構えや必要な経験を聞き、実行していくことをおすすめします。

独立開業を視野に入れたキャリアパスを考えるのであれば、会計事務所や税理士法人は準備としては有効かつ王道といえるでしょう。

コンサルティングファームのメリット・デメリット

公認会計士は、監査業務だけでなく、コンサルティングに似た業務を求められるケースも少なくありません。

特に中小の監査法人では、監査業務とコンサルティング業務のどちらも経験できるため、コンサルティングファームへ転職しても比較的スムーズに対応できることでしょう。

 

公認会計士がコンサルティングファームで働く際には、

 

  • クライアントの経営陣との人脈が築きやすい
  • クライアント企業へ転職できる可能性がある
  • 将来、独立開業しやすくなる

 

といったメリットが挙げられます。

公認会計士にとってはやはり有効なキャリアパスと言えます。

一方で、デメリットを挙げると、

 

  • 一般的な会計業務に戻りにくい
  • 監査法人と比べて高いコミュニケーション能力が必要

 

といった点となります。

監査業務を主軸においた会計士からはキャリアチェンジとなるため、思うように実力を発揮できないケースも少なくありません。

転職を検討する際には、自身の適正という面でも注意するようにしましょう。

公認会計士が事業会社でスキルを磨けるか!?

公認会計士が事業会社で働くと、会計情報や数値を読み取るスキルだけでなく、自社に合ったアクションプランを立てるスキルを磨けるようになります。

 

なぜならば、監査法人やコンサルティングファームで働く場合とは、

 

  • 数値を自社のこととして親身に捉えられる
  • 社内の各部署に対する深い理解をもって対応ができる

 

という点が異なるからです。

 

具体的には、監査法人への対応、経営・財務状況の調査、資金調達などを担当することになります。

その際に、営業や開発、マーケティング部門といった様々な人の話と会計数値を融合させて、経営判断に有効な情報を提供できる管理会計ができるようになることでしょう。

公認会計士にとって意外と穴場なのが金融関係

監査法人で経験をつんだ公認会計士の転職先として穴場なのは、銀行・証券・投資銀行・ファンドなどの金融関係となります。

なぜならば、金融関係の主計部では、財務に高い専門性が求められる業務において会計士のニーズがあるからです。

 

例えば、投資銀行やファンドでは、

 

  • どの企業に投資するかの判断
  • 投資額はいくらにするのか
  • 投資後の経営アドバイス

 

といった業務内容があります。

 

将来的には、国際会計基準(IFRS)の導入、AIの進展、仮想通貨の発展など、従来のスタイルが大きく変わっていきます。

新規ビジネスに携われるチャンスもありますので、新しい分野の専門家としてのキャリアパスを描くのも魅力的ではないでしょうか。

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まとめ

公認会計士に必要な能力のうち、監査やコンサルティングといった能力は、将来のキャリアパスを実現するために、意識して身につける必要があります。

 

監査法人で働く会計士がキャリアアップのために転職を見据えるのならば、最低でもシニア職を経験しておくことをおすすめします。
監査法人から他の職種への転職や独立開業をめざすのであれば、営業力と経営管理能力を鍛え、人脈形成をするなどの準備が大切です。
会計事務所や税理士法人、事業会社で経験をつむこともキャリアパスによっては有効となります。

 

公認会計士の試験に合格する能力があれば、将来像をイメージして自分に合ったキャリアパスを進んでいける能力も備わっているはずです。
未来に向かって行動していきましょう。

Profile レックスアドバイザーズ

公認会計士・税理士等の有資格者をはじめとする会計人材専門特化した人材紹介会社。
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