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社労士は難関国家資格の1つです。
では、実際の合格率はどれくらいなのでしょうか。
また、合格するのに必要な勉強時間はどれくらい確保すればいいのでしょうか。
実際の合格率とは?
まず、社労士資格の合格率はどれくらいなのでしょうか。
また、その合格率の理由についても述べていきます。
社労士試験の申し込み数からみる合格率の推移
社労士試験の申込者は平成29年度で49,902人、平成30年度で49,582人。
令和元年で49,570人、令和2年度に49,250人、令和3年度で50,433人 とあまり変動していません。
実際の受験者ごとの合格率は
- 平成29年……受験者38,685人/合格者2,613人(合格率6.8%)
- 平成30年……受験者38,427人/合格者2,413人(合格率6.3%)
- 令和1年……受験者38,428人/合格者2,525人(合格率6.6%)
- 令和2年……受験者34,845人/合格者2,237人(合格率6.4%)
- 令和3年……受験者37,306人/合格者2,937人(合格率7.9%)
おおむね6〜7%で推移しています。
10名受験して1名合格できるかどうかといった厳しい試験になりますが、社労士資格の合格率が低いのにはいくつか理由があります。
社労士試験は大小含めて10科目と科目数が多く、また足切りがあります。
足切りとは、選択式試験と択一式試験の2点がある社労士試験で、最低限とっておかなければならない点数基準です。
このラインは選択式各科目5点満点中3点、択一式各科目10点満点中4点が基本となっています。
科目毎に細かく足切りラインが決まっているのが社労士試験の特徴の1つといえます。
この足切りのために、合格を逃してしまっている方が多く、合格率が低い一因となっています。
また、単純に科目数が多く試験範囲も広いため、知識の整理が難しいのも一因です。
広い試験範囲をバランスよく勉強し、高得点を取れるよう学力を維持しておくというのはかなり難しいです。
さらに、法改正が多くあるのも合格率が低い一因になっています。
社労士試験で出題される科目は法律からであり、法改正がセットになっています。
毎年のようにされる法改正も多く、一度覚えた制度や条文をリセットして覚える必要があるため、最新の情報に対応するのが難しくなってきます。
社労士試験の合格ライン
合格基準点は選択式、択一式共に総得点の65%以上程度となっています。
科目毎にバランスよく勉強して、総得点の6〜7割を確保する必要があります。
なお、過去5年の合格点数は以下になります。
- 平成29年選択式試験合格基準……総合得点24点以上かつ各科目3点以上、択一式試験合格基準は総合得点45点以上かつ各科目4点以上
- 平成30年選択式試験合格基準……総合得点23点以上かつ各科目3点以上、択一式試験合格基準は総合得点45点以上かつ各科目4点以上
- 令和元年選択式試験合格基準……総合得点26点以上かつ各科目3点以上、択一式試験合格基準は総合得点43点以上かつ各科目4点以上
- 令和2年度年選択式試験合格基準……総合得点25点以上かつ各科目3点以上、択一式試験合格基準は総合得点44点以上かつ各科目4点以上
- 令和3年度年選択式試験合格基準……総合得点24点以上かつ各科目3点以上、択一式試験合格基準は総合得点45点以上かつ各科目4点以上
足切り点数は選択式試験でおおむね3点以上、択一式試験でおおむね4点以上ということがわかります。
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社労士試験の科目
社労士試験の科目は大小10科目あるとお伝えしました。
それでは、具体的な科目内訳について解説していきます。
社労士試験の科目内訳
社会保険労務士の試験範囲は大きく分けて労働関係科目と社会保険関係科目に分かれます。
労働関係科目は以下があります。
- 労働基準法
- 労働安全衛生法
- 労働者災害補償保険法
- 雇用保険法
- 労働保険の保険料の徴収等に関する法律
- 労務管理その他の労働に関する一般常識
次に、社会保険関係科目を見ていきましょう。
- 健康保険法
- 厚生年金保険法
- 国民年金法
- 社会保険に関する一般常識
また、試験の各科目の問題数に関しては、選択式80分計40問、択一式試験210分間計70問あります。
細かい内訳は下記になります。
選択式試験
- 労働基準法3問
- 労働安全衛生法2問
- 労働者災害補償保険法5問
- 雇用保険法5問
- 労務管理その他の労働に関する一般常識5問
- 健康保険法5問
- 厚生年金保険法5問
- 国民年金法5問
- 社会保険に関する一般常識5問択一式試験
- 労働基準法7問
- 労働安全衛生法3問
- 労働者災害補償保険法7問
- 労働保険料徴収法3問
- 雇用保険法7問
- 労務管理その他の労働に関する一般常識5問
- 社会保険に関する一般常識5問
- 健康保険法10問
- 厚生年金保険法10問
- 国民年金法10問
各科目の問題数が解答時間に対して少ないため、1問1問をスピーディに解いていく必要があります。
社労士試験でつまずきやすいポイント
社労士試験の各科目で、つまずきやすいポイントについて解説していきます。
- 労働基準法
→判例等の長文問題が出題される傾向がある。難易度の高い問題がでやすい傾向がある。
- 労働安全衛生法
→なじみのない規定や語句が多い
- 労働者災害補償保険法
→保険給付の支給要件及びその支給額を各給付ごとに分けるのが大変
- 雇用保険法
→暗記が必要な数字が多い
- 労働保険の保険料の徴収等に関する法律
→計算問題の出題がある
- 労務管理その他の労働に関する一般常識
→学習範囲が広範でカバーしきれない
- 健康保険法
→適用範囲、保険給付の種類が労働保険法と異なっており知識の混同が起こりやすい
- 厚生年金保険法
→年金制度の仕組みが複雑で理解しにくい。国民年金法の知識があることが前提の問題も出題されるため、ボリュームが非常に大きい
- 国民年金法
→厚生年金法と違う被保険者や保険給付の概念を理解する必要がある。また、学習範囲も広い
- 社会保険に関する一般常識
→学習範囲が非常に広く、カバーしきれない
社労士資格取得のための勉強
社労士試験は各科目に足切り要件があるため、各科目をまんべんなく勉強する必要があります。
1つの科目でも合格基準を満たしていないと不合格となるので、そういった意味で厳しい試験と言えます。
この合格基準点ですが、合格発表日に公表されるので、どこまでやっておけば安心という基準もまた設けにくいです。
各科目と、必要な勉強時間について参考にし、勉強法を考えてみましょう。
必要な勉強時間
社労士試験合格のための学習開始時期は、一般に試験実施年の前年8月から10月頃とされています。
例えば、2024年の社労士試験合格を目指す場合、2023年の8月から10月頃に勉強を開始することになります。
社労士試験の実施日は毎年8月の第4日曜日ですので、勉強期間は10-12か月ほどとなります。
社労士試験の平均合格回数は3-4回。これは1-2回で合格する人と7-8回で合格する人の2極化するためです 。
短期で合格をするためには、足切りにならないよう、全科目を平均的に勉強することが必要になります。
また、単に暗記するのではなく、出題内容を理解する勉強をすることをおすすめします。
社労士試験は問題数が多く、先ほど説明したとおり、択一式は210分の中で70問、選択式試験は、80分の中で40問 の出題がされるため、1問1問をスピーディに解いていく必要があります。
問題を解く際は、そのスピードも意識して行いましょう。
まとめ
ここまで、大きく分けて社労士の合格率と科目について勉強をしてきました。
合格率は6〜7%と厳しい試験であることがわかります。
合格にかかる年数は1-2回で合格する人と7-8回で合格する人で2極化します。
社労士試験は科目数が10科目もあり、また足切り基準もあるため、各科目をまんべんなく、苦手科目を作らず勉強する必要があります。
各科目ごとにつまずきやすいポイントがあり、学習が難しいところですが、予備校を活用して勉強するというのがおススメです。
平均3〜4問の足切り基準をクリアし、総得点の65%をとることを目安に、勉強をぜひ頑張ってください。
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