転職お役立ち情報
日商簿記は、所持することで就職や転職を有利に進められる資格です。
勉強するにあたってはまず日商簿記の概要を把握し、効率的な学習を心掛けていく必要があります。
日商簿記の合格率と級による違いについて解説していきます。
日商簿記の合格率
日商簿記を勉強する際、どの程度の合格率なのか知っておく必要があります。
合格率を知り、難易度を把握して、最適な勉強方法を行っていくことが大切です。
日商簿記の合格率について3つに分けてご紹介していきます。
- 合格率は級により異なる
- 日商簿記2級がおすすめ
- 日商簿記1級は別格
1つ1つ解説していきます。
合格率は級により異なる
日商簿記は、他の資格同様、級によって合格率が異なります。
合格率の目安は以下の通りです。
- 簿記初級 60%前後
- 原価計算初級 90%前後
- 日商簿記3級 40%前後
- 日商簿記2級 20%前後
- 日商簿記1級 10%前後
合格率は同じ級でも回によって大きく異なる場合があるので、注意が必要です。
日商簿記2級がおすすめ
中小企業の経理で働いていく場合には、日商簿記2級が募集要項になる場合が多いです。
簿記の内容を理解して、会計処理できるようになるためには、日商簿記2級を目標に学習を進めていく必要があります。
日商簿記1級は別格
日商簿記1級は合格率も10%程度であり、集中して本格的に学習しなければなりません。
大企業の経理や、税理士・公認会計士を目指す場合には、学んでいくとより専門的な知識を獲得することができます。
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日商簿記のメリット
日商簿記は、会社の募集要項に掲載されることが多いです。
会社を理解するために簿記の知識は重要であり、さまざまなメリットがあります。
日商簿記のメリットを3つご紹介してましょう。
- 財政状態や経営成績がわかる
- 税理士や会計士の受験に応用できる
- 就職・転職に有利
それぞれ解説していきます。
財政状態や経営成績がわかる
日商簿記では「損益計算書」や「貸借対照表」の作成を行います。
その作成過程において、財務諸表がどのような会計処理により成り立っているのかを理解できるようになってきます。
財政状態や経営成績により、会社の状況を把握できることは、社会人にとってとても有益な知識です。
税理士や公認会計士の受験に応用できる
日商簿記1級は、税理士科目である税法の受験資格になっています。
税理士を目指す場合、取得しておくと税法を受験できるようになります。
また、日商簿記で勉強する内容は、税理士や会計士を受験する基礎学習にあたります。
原理・原則を理解していけば、税理士や会計士の受験に応用可能です。
税理士の簿記論・財務諸表論、公認会計士の管理会計論・財務会計論に、日商簿記は実践的知識として役立つことが期待できます。
就職・転職に有利
日商簿記2級を保有していると、社会的に会計の基礎知識が身についていると考えられます。
経理などにおける実務経験がなかったとしても、入社前に簿記の知識を保有している一定程度の保証になります。
採用側も安心して採用できるでしょう。
日商簿記2級より上の級は特に、就職・転職にも有益な資格です。
日商簿記の級による違い
日商簿記は級により内容が異なります。
1級に近付くにつれて、範囲が広くなり、会計処理が複雑になるのが特徴です。
日商簿記の級による違いを4つの級ごとにご紹介していきます。
- 簿記初級・原価計算初級
- 日商簿記3級
- 日商簿記2級
- 日商簿記1級
1つ1つ解説していきます。
簿記初級・原価計算初級
簿記は専門性が高い知識であり、簿記初級では基礎的な原理・原則を学びます。
100点満点で70点以上を合格として、「ネット試験」で試験時間は40分です。
また、生産性向上の課題解決の過程を可視化していくために、原価計算初級で原価計算の基礎を学びます。
100点満点で70点以上を合格です。
「ネット試験」で試験時間は40分となります。
簿記初級・原価計算初級は、正確に知識を身につけていくと、日商簿記3級や日商簿記2級への学習をスムーズに行えます。
日商簿記3級
日商簿記3級は、会社における商品売買などの取引を帳簿に記帳して、利害関係者への報告を行う会計処理を学んでいきます。
試験科目は「商業簿記」で3題以内、試験時間は60分、「ペーパー形式」または「ネット試験」で70%以上得点すると合格です。
日商簿記2級
日商簿記2級は、会社における取引記録や報告において、連結会計などを含んだ多様な取引形態に対する会計処理について学びます。
また、会社において製品製造を行う場合における、原価の計算を含む製造過程における会計処理についても学ぶのが特徴です。
試験科目は「商業簿記」と「工業簿記」で5題以内、試験時間は90分、「ペーパー形式」または「ネット試験」で70%以上得点すると合格です。
日商簿記1級
日商簿記1級は、会社における取引記録や、原価の計算を含む製造過程における会計処理を学びます。
会社において経営管理や経営分析を行うための高度な簿記について学んでいくのが特徴です。
試験科目は「商業簿記」・「会計学」・「工業簿記」・「原価計算」で、試験時間は前半「商業簿記」と「会計学」で90分、間に休憩をはさみ、後半「工業簿記」と「原価計算」で90分、合計180分行われます。
「ペーパー形式」で合格基準は70%以上、1科目ごとに40%以上取得していなければなりません。
日商簿記の合格率をアップさせる勉強のコツ
日商簿記は、難しい専門知識を学ぶため、勉強方法を模索していく必要があります。
いくつかのコツを把握して、学習効率をあげていくことが大切です。
日商簿記の合格率をアップさせる勉強のコツを3つご紹介していきます。
- 簿記の五大要素を理解する
- 「財務諸表」への表示方法を学ぶ
- 過去問の反復
それぞれ解説していきます。
簿記の五大要素を理解する
簿記による記録は、「資産」・「負債」・「収益」・「費用」・「資本(純資産)」の5つの要素に分かれています。
これらは簿記の基礎です。
すべての取引は当該5つの要素に当てはめて考えられます。
完璧に理解していると、日商簿記の学習をスムーズに行っていけるようになります。
「財務諸表」への表示方法を学ぶ
簿記では、会計取引から仕訳を行い、「財務諸表」として利害関係者に開示を行うことが大切です。
日商簿記の試験においても、「財務諸表」へどのように表示するのかを把握しておく必要があります。
仕訳だけではなく、表示方法を学んでいくことで、本試験で効率よく得点できるようになります。
過去問の反復
日商簿記では、同じ問題が出題されなくても、類似している問題が出題されることは少なくありません。
級が上がるにつれて範囲が広くなり、すべて覚えるのは難しくなってきます。
限定的な過去問の反復を行うことが、日商簿記においては効率的な学習であり、大切な手法です。
まとめ
今回は、日商簿記の合格率と級による違いについて解説してきましたがいかがだったでしょうか。
日商簿記は級により難易度が上がり、合格率も下がっていく傾向にあります。
一方で、同じ級であっても合格率は回により大きく異なることもあるのが特徴です。
マイペースで学習を継続していき、得点していくことが大切になってきます。
Profile レックスアドバイザーズ
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