転職お役立ち情報
国税専門官から他の業種への転職を考えている方はいませんか?
転職先候補となる職場について解説していきます。
また、国税専門官の経験を活かして税理士に転職しようとする場合のこともご紹介いたします。
国税専門官とはどんな仕事?国税専門官になる方法は?
国税専門官の転職について述べる前に、そもそも国税専門官とはどういった仕事なのか知らないという方もいると思いますので、解説をします。
国税専門官の概要
国税調査官とは、納税の義務がある会社や個人のもとを訪れ適正な申告が行われているかを調査したり、確定申告の方法や申告用紙の書き方について指導したりするのが役割となります。
国税専門官になるには、国家試験を受ける必要があります。
「国税専門官採用試験」に合格をしなければなりません。
試験には年齢制限が設けられており、受験する年の4月1日時点において21歳以上、30歳未満の方が対象になっています。
試験合格後、4か月の研修を受け、全国の税務署に配属され約3年の実務経験を積みます。
そこからさらに7か月の研修を受けたのち、正式な国税専門官として各都道府県の国税局に勤務します。
国税専門官採用試験の合格率は申込者の28%であり、公務員試験の中では高い方ですが、筆記試験の難易度は高いです。
市町村職員よりもずっと難しいものだといえます。
勉強時間の目安は1,500時間です。
国税専門官の給料
国税専門官の給料はいくらなのでしょうか。
初任給は地域手当を合わせると250,560円(地域手当無しだと208,800円)で、入庁後の年収は413万円。
平均給与は429,783円、平均年収709万円となります。
民間企業の平均年収は443万円のため、国税専門官の年収はそれよりかなり高いと言えます。
国家一般職の初任給が218,640円であることと比較しても、初任給が他の職種に比べて高いと言えます。
公務員は例外的なことが無い限り解雇されないため、安定した職であると言えるでしょう。
国税専門官の主な就職先
国税専門官の配属先は札幌・仙台・関東信越・東京・金沢・名古屋・大阪・広島・高松・福岡・熊本の各国税局と、沖縄国税事務所の12の国税局・国税事務所のうち、採用された管内にある税務署に配属となります。
勤務実態としては、原則1日7時間45分、土日祝日が休みとなります。
また、年20日間の有給休暇をはじめ、病気休暇、冠婚葬祭休暇、介護休暇が認められています。
転勤は2~3年のサイクルで行われます。
また、個々の能力や意欲に応じて海外勤務のチャンスもあります。
現在、アメリカ、イギリス、フランス、オーストラリア、中国、シンガポールなどで働いている国税専門官がいます。
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国税調査官からの転職先
国税調査官から転職を考えている方は一定数いるでしょう。
それでは、国税調査官からの転職先にはどういったところがあるのでしょうか。
ご紹介していきます。
税理士事務所、税理士法人
税理士事務所や税理士法人において、クライアントに税務調査が入った際に非常に役立ちます。
国税専門官として培った知識やスキルを活かして、元の職場である税務署との交渉役として役に立つことができます。
事業会社の経理部
会計と税法の経験を活かして、企業での申告・納税が正しく行われているかをチェックする、事業会社の経理という道もあります。
事業会社の経理実務を経験することで、将来独立した時にアドバイスの幅が広がるので有益な経験になります。
税務調査で得た知見を基に、法令を遵守しつつ業績を確保していく経理を目指したいという方にもおススメです。
財務コンサルティング会社
財務コンサルティング会社では、単なる節税・資金繰りアドバイスだけでなく、元国税調査官の経験と、国税庁OBや国税調査官との交流による最新の動向についての情報収集力が強みとなります。
財務戦略の立案から経営サポート、有能な財務責任者の育成といった人事戦略にも幅広く携わることができます。
金融業界
国税調査官出身で銀行や証券会社など、民間の金融機関に転職する人は非常に多いです。
国税時代に身につけた税金や法律の知識を活かし、決算書を読み込んだり分析することのできるスキルは銀行員や証券会社でも重宝されるスキルとなります。
銀行の中途採用は比較的少ないですが、銀行が人手不足になっているケースも実はあり、ねらい目となっています。
商工会議所
商工会議所とは、日本の商工業の発展を目的とした経済団体です。
青色申告をはじめとした節税方法や複式簿記による帳簿の付け方、届出書の案内など国税専門官の管理運営部門時代で経験のある業務につける可能性があります。
商工会議所は実は年収も高く、入社8年目で年収600万、役職付であれば年収1000万も夢ではありません。
ただし、全国の商工会議所の財務状況次第で待遇が変わってくるため、事前の調査が必須となります。
国税専門官から税理士になるという選択肢
実は国税専門官には、勤続年数に応じて税理士試験が免除される国税従事者の免除制度があります。
そのため、国税専門官を退職後、税理士に転身する方も多くいます。
そこで、ここでは国税専門官から税理士に転職することについて述べていきます。
なお、税理士資格を取得するには2年以上の実務経験が必要になります。
国税専門官と税理士の違い
国税専門官は、納税者に対していかに適正な納税をするかを促すのが仕事です。
一方、税理士は合法の範囲内でいかに納税額を少なくできるか提案する仕事であり、実は職務内容が正反対です。
税理士は申告書の作成や税務会計指導、顧客に対する節税提案など、国税専門官よりも扱う業務の幅が広いです。
また、国税専門官が国税のみを扱うのに対し、税理士は地方税の知識も必要となってきます。
国税専門官が税理士になるメリット
国税専門官が税理士になるメリットの大きなものに、勤続年数に応じて税理士試験の免除が受けられる、というものがあります。
10年以上勤務で3科目の試験免除、23年以上で全科目試験が免除になります。
また、国税専門官時代に培った知識や経験を税理士の仕事に活かすことができるため、 転職時の負担が減るということも1つのメリットとなります。
長年税務署に勤務していた国税専門官であれば、税務署内に多くの人脈を持つことになります。
クライアントの目からは税務署内に人脈をもつ税理士は信頼ができて頼もしく映るため、顧客がつきやすいというメリットがあります。
さらに、税理士として独立すれば、再就職が難しい年齢でも働き続けることができます。
国税専門官試験が税理士に転職する良いタイミング
先ほども説明した通り、
国税専門官は10年以上勤務すると税理士試験の3科目免除、
23年以上勤務すると税理士試験の全科目が免除になります。
そのため、10年以上勤務したタイミングで税理士事務所などに勤務して実務経験を満たしながら、税理士試験の残り2科目の合格を目指すというパターンがあります。
または23年勤めたタイミングで税理士になる方も少なからずいます。
ただし、この場合は40代半ばからのリスタートとなるため、独立開業を目指す場合が多いです。
税理士事務所への転職を目指す場合は、転職先探しが意外と難しいということも考慮に入れる必要があります。
まとめ
国税専門官は安定した仕事であり退職金もしっかりと出る一方、様々な事情で転職を考える方もいらっしゃるでしょう。
税務署とのパイプや国税専門官としての知識経験を活かすことで、多様な転職先が見つかります。
また、国税専門官として勤続10年以上・23年以上が、税理士に転職する1つの契機になります。
いずれも転職を考えている場合は、転職先で自身のスキルをどう活かしていけるのか、考えながら転職活動をすすめるのが良いでしょう。
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