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社労士とは正式には社会保険労務士のこと。
言わずと知れた国家資格の1つですが、社労士試験に合格するにはどれくらいの難易度なのでしょうか。
社労士になるために必要な勉強方法も含め、解説していきたいと思います。
社労士試験の概要
社労士試験の実施日は、毎年8月の第4日曜日となっています。
社労士試験を受けるには受験資格が必要です。
学校教育法(昭和22年法律第26号)による大学、短期大学若しくは高等専門学校(5年制)を卒業した者(専攻の学部学科は問わない)
上記の大学(短期大学を除く)において学土の学位を得るのに必要な一般教養科目の学習を終わった者
上記の大学(短期大学を除く)において62単位以上を修得した者(卒業認定単位以外の単位を除く)
労働組合の職員又は法人等若しくは事業を営む個人の従業者として労働社会保険諸法令に関する事務に従事した期間が通算して3年以上になる者
行政書士となる資格を有する者
といった要件が必要になります。
それでは、具体的に社労士試験の合格率や科目等について述べていきます。
社労士試験の合格率
令和2年度の社労士試験合格率は6.4%と、合格率がとても低いです。
その理由としては以下があげられます。
社労士試験の難易度が高い
社労士試験の難易度が高い理由として、試験科目が10科目と多いことがあげられます。
この各科目にはそれぞれ合格基準点が設けられており、総得点で合格基準を上回ったとしても、科目毎の合格基準点を下回っていると不合格になってしまいます。
科目合格制度がない
資格試験によっては、科目の獲得点数が基準を超えると科目合格となり、次の試験の際に免除される場合があります。
しかし、社労士試験には科目合格制度が設けられていないため、合格するには常に全科目で合格点を超えている必要があります。
社労士試験の科目
社労士試験の科目は10科目とご説明しました。
具体的には
労働基準法
労働安全衛生法
労働者災害補償保険法
雇用保険法
労働保険徴収法
労務管理その他の労働に関する一般常識
社会保険に関する一般常識
健康保険法
厚生年金保険法
国民年金法
があります。
各科目は選択式と択一式という2つの形式で行われます。
選択式では「労働保険の保険料の徴収等に関する法律」からの出題はありません。
択一式の「労働者災害補償保険法」及び「雇用保険法」は、各10問のうち問1~問7が「労働者災害補償保険法」及び「雇用保険法」から題され、問8~問10の3問(計6問)が「労働保険の保険料の徴収等に関する法律」から出題されます。
社労士試験の合格基準
具体的な合格基準の説明をします。
選択式と択一式それぞれの試験で「総得点基準点」「科目別基準点」の両方の基準点以上を得点することにより合格となります。
「総得点基準点」は科目全ての合計点、「科目別基準点」は1科目の合計得点です。
令和4年の合格基準は下記になります。
・総得点基準点:選択式27/40点以上 択一式44/70点以上
・科目別基準点:選択式1科目3点以上 択一式1科目4点以上
総得点で7割以上、各科目6割以上を獲得することが目安になります。
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社労士試験突破のための勉強について
社労士試験は上記で述べた通り、合格率の低い難関資格です。
科目毎の足切り要件があるため、各科目をまんべんなく勉強する必要があります。
では、社労士試験を突破するにはどういった勉強をすればよいのでしょうか。
社労士試験の必要な勉強時間
社労士試験合格のための学習開始時期は、一般に試験実施年の前年8月から10月頃とされています。
例えば2024年の社労士試験合格を目指す場合、2023年の8月から10月頃に勉強を開始することになります。
社労士試験の実施日は毎年8月の第4日曜日。
そのため、勉強期間は10-12か月ほどとなります。
勉強時間の目安として、独学なら800~1000時間
通信講座・予備校を利用する場合なら600〜700時間の勉強が必要になってきます。
各科目の勉強方法
短期で合格をするためには、足切りにならないよう、全科目を平均的に勉強することが必要になります。
また、単に暗記するのではなく、出題内容を理解する勉強をすることをおすすめします。
社労士試験は問題数が多く、先ほど説明したとおり、択一式は210分の中で70問、選択式試験は、80分の中で40問 の出題がされるため、1問1問をスピーディに解いていく必要があります。
問題を解く際は、そのスピードも意識して行いましょう。
勉強方法を把握する上で、各科目のつまずきやすいポイントを理解することは大事です。
そこで、社労士試験の各科目でつまずきやすいポイントについて解説していきます。
労働基準法
判例等の長文問題が出題される傾向がある。難易度の高い問題がでやすい傾向がある。
労働安全衛生法
なじみのない規定や語句が多い。
労働者災害補償保険法
保険給付の支給要件及びその支給額を、各給付ごとに分けるのが大変。
雇用保険法
暗記が必要な数字が多い。
労働保険の保険料の徴収等に関する法律
計算問題の出題がある。
労務管理その他の労働に関する一般常識
学習範囲が広範でカバーしきれない。
健康保険法
適用範囲・保険給付の種類が、労働保険法と異なっており知識の混同が起こりやすい。
厚生年金保険法
年金制度の仕組みが複雑で理解しにくい。
国民年金法の知識があることが前提の問題も出題されるため、ボリュームが非常に大きい。
国民年金法
厚生年金法と違う被保険者や保険給付の概念を理解する必要があり、学習範囲も広い。
社会保険に関する一般常識
学習範囲が非常に広く、カバーしきれない。
といったことでつまずきやすいため、そこを意識して勉強しましょう。
社労士試験の勉強 独学と予備校で比較
ここまで社労士試験の内容とその難しさについて述べてきました。
では、社労士の資格取得には予備校にいくべきなのでしょうか。
一般的に予備校に行くにはそれなりのお金が必要となります。
また、社会人ですと勉強時間に制限があるので、悩ましいところです。
そこで、予備校に行く場合と独学の場合を比較してみます。
社労士試験の独学が難しいとされる理由
独学での資格取得は難しいのでしょうか。
結論から言うと、独学で合格できるのは一部の人だけであり、予備校に行って受講するのが合格に手っ取り早い方法となります。
まず、独学は最短効率で勉強するのが難しく、予備校の教材であれば合格までの勉強が効率よくできます。
したがって、勉強時間の確保が難しい方は独学に向いていません。
社会人で忙しい方は予備校に行っているヒマが無いと思われる方もいらっしゃいますが、時間確保が難しい方ほど予備校に行った方がいいです。
できるだけ少ない勉強時間で合格できるよう、予備校の教材で効率よく勉強するのをおススメします。
また、周りに社労士試験について質問できる人がいない方も独学には向いていません。
試験勉強をしているとどうしてもわからない箇所がでてきますし、そこを自分で一から調べると余計な時間がかかります。
質問できる方を確保する目的でも、予備校に通うのがよいでしょう。
社労士試験で予備校を使った方がいい理由
上記をまとめると、予備校を使った方がいい理由は以下になります。
効率的な試験勉強をすることで、勉強時間を短縮できる
周りに質問できる人がいる環境のため、疑問に思ったことを素早く解消できる
質問を随時していくことで、学習の理解が深まる
独学と予備校のメリットとデメリット
ではここで、独学と予備校のメリットとデメリットをあらためて整理してみましょう。
独学のメリットは自分で勉強時間を決められ、コストを安く抑えられるところです。
一方で、勉強をするための自己管理が難しかったり、そもそもどういった教材を使えば合格レベルの実力が身に付くのかを自分で考えないといけないところがデメリットになります。
社労士試験は科目毎に足切りが設定されているため、各科目に穴を空けない勉強法が必要になってきます。
そういった意味でも教材選びはとても重要になってきます。
一方、予備校に通う場合、合格実績のあるカリキュラムや教材を使って勉強することができます。
定期的にテストをするので、自身の実力を常に測りながら勉強をしていけるというのもいいところです。
法改正の最新情報をタイムリーに、必要なところだけおさえておいてくれるというのも、法改正の影響を受けやすい社労士試験では大きなメリットになります。
まとめ
社労士試験は合格率の低い難関資格であり、合格には科目に穴を空けずまんべんなく勉強することが必要になってきます。
10科目と試験科目が多いので大変なところですが、工夫をして勉強をしていって欲しいです。
効率的な勉強をするためには、お金はかかるものの、予備校で勉強することをおススメします。
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