転職お役立ち情報
国際弁護士とは日本国外の案件も扱う弁護士の総称です。
国内外で幅広く活躍する弁護士であり、語学力や外国の法律知識など高度なスキルが求められます。
本記事では国際弁護士の仕事内容や必要なスキル等を解説します。
国際弁護士とは
大前提として、国際弁護士は特定の職業・特別な資格を表す言葉ではありません。
何らかの方法で海外案件も扱う弁護士を国際弁護士と表現しており、大きく3つのパターンに分けられます。
複数の国の弁護士資格を有する弁護士
日本の弁護士資格と海外の弁護士資格の両方を有するパターンです。
日本以外でも弁護士として活動できます。
弁護士として活動できる範囲が広い分、必要なスキルや難易度もかなり高めです。
日本の弁護士資格のみを有し海外案件も扱う弁護士
日本の弁護士資格のみを有しており、海外案件も扱う弁護士のことも国際弁護士と呼びます。
この場合、海外がメインとなる案件や、外国の法律が絡む案件は対象外となります。
あくまで日本の弁護士資格で対応できる範囲のみ対応可能です。
海外の弁護士資格のみを有する弁護士
海外の弁護士資格のみを有する弁護士は、さらに以下の2パターンに分けられます。
- 海外の弁護士資格を取得し、海外を拠点とする日本人弁護士
- 本国の弁護士資格を有し、日本で働いている外国人弁護士
数は少ないですが、海外の弁護士資格のみを取得し日本で働くケースもみられます。
前項で紹介した例とは逆に、日本の法律案件への対応は不可能です。
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国際弁護士になるメリット
国際弁護士になるメリットを3つ紹介します。
国内外で幅広く活躍できる
弁護士として活躍できる場が国内にとどまらない点は、国際弁護士の最も大きなメリットです。
活躍の場が広いとは、それだけ案件獲得の選択肢が広い・弁護士としての活動範囲が広いことを意味します。
日本国内だけでなく海外案件も扱うため、海外に行く機会も発生し得るでしょう。
弁護士として幅広く活躍したい・活動の場を海外まで広げたいという人にとって、国際弁護士は最適な選択肢です。
国際弁護士ならではの案件を受けられる
国際弁護士は以下のように、一般的な日本の弁護士には対応できない案件を引き受けることもできます。
- 複数の国にまたがる案件
- 海外の法律が絡む案件
- 語学力が必要な案件
上記の案件は海外の法律知識や海外の判例・事例に関する知識、語学力といった高度なスキルが必要です。
国内案件のみを扱う弁護士には、対応できないといえるでしょう。
案件獲得に関する競争率が低い・高度なスキルが求められる案件も受注が存在できるといった点は、国際弁護士になる大きなメリットです。
高年収を得やすい
国際弁護士が必要とされる案件は、対応できる弁護士が少なく、高い需要があるといえます。
また、様々なスキルが必要で難易度が高い案件であるために、案件そのものの単価も高くなりがちです。
このように国際弁護士が必要とされる案件は需要と難易度の両方が高いため、必然的に単価も高額になります。
したがって、国際弁護士は高年収を得やすい仕事です。
国際弁護士に必要なスキル
国外の案件も多く扱う国際弁護士には、さまざまなスキルが求められます。
中でも特に重要なスキルを3つ紹介します。
語学力
日常会話やビジネス会話レベルは最低限であり、法律の専門用語といった高度な語学力まで求められます。
弁護士が扱う案件では、日常会話では使わないような単語や言い回しが出てきます。
これは通常の日本語案件でも変わらないでしょう。
海外でも同様に、法律が絡む案件特有の単語や言い回しが見られます。
法律分野ならではの専門的な語学力まで身につける必要があります。
海外の法律に関する専門知識
海外の法律に関する専門知識も必要不可欠です。
海外案件・外国が絡む案件は、日本の法律知識だけでは対応できません。
その国の法律について、高度な部分まで精通している必要があります。
また、法律分野の専門知識だけでなく、判例・事例に関する豊富な知識も必要です。
弁護士は法律の専門家として高度な知識が必要ですが、国際弁護士に求められるレベルはさらに高いといえるでしょう。
なお、一口に法律の専門知識といっても、専門とする分野や扱う案件のジャンルによって求められる知識は異なります。
そのため、同じ国際弁護士でも専門性や難易度の高さに違いがみられるといえます。
高度なコミュニケーション能力
国際弁護士に限らず、弁護士にはコミュニケーション能力が必須です。
特に国際弁護士は日本人以外とやり取りをする場面も多く、日本人相手とは異なるコミュニケーションの仕方も求められます。
スムーズなコミュニケーションのためには、文化・宗教・思想なども考慮する必要があります。
一概にはいえませんが、多くの人に共通する国民性といった要素も存在するでしょう。
単純な語学力だけではスムーズなコミュニケーションができず、反感を買う・失敗してしまう恐れも大きいです。
このように、細かな要素まで配慮した上でのコミュニケーションが求められます。
コミュニケーション能力の有無は、弁護士としての成否に大きく影響する要素です。
国際弁護士 海外の弁護士資格を取得するポイント
最初に、国際弁護士は3つのパターンに分けられると紹介しました。
この章では1つ目に紹介したパターンである、日本の弁護士資格に加え海外の弁護士資格を取得する際のポイントについて解説します。
弁護士資格を取得する国や州を選ぶ
はじめに、弁護士資格を取得する国や州を選ぶ必要があります。
弁護士として活動したい場や興味のある国から考えるのが一般的です。
たとえば、アジア案件やアジアが絡む取引をメインに扱いたい場合、アジア各国を選ぶのがおすすめです。
また、ヨーロッパのEU加盟国で弁護士資格を取得すれば、EU全域で弁護士活動が可能です。
そのため、ヨーロッパでの活動をメインとしたいのであれば、EU加盟国を選ぶのが効率的でしょう。
具体的な国については、受験資格や登録要件を考慮して選ぶことが大切です。
英語がメインかつ日本との交流が活発な国としてはアメリカが挙げられますが、アメリカの弁護士資格は州単位となります。
そのため、アメリカで弁護士資格を取得したい場合、取得する州を決める必要もあります。
今後の働き方を左右する重要なポイントであるため、しっかり考えることが大切です。
ロースクールに通うのが一般的
海外の弁護士資格を取得する手段として最も一般的なのが、その国・州のロースクールに通う方法です。
法律に関する知識のほか、判例・事例といった弁護士に必須の情報も得られます。
日本と同様に、実務経験を積めることも多いです。
なお、日本では司法試験を受けるためには、予備試験の合格またはロースクールの修了いずれかの要件を満たす必要があります。
海外も同様に、ロースクールを修了することで司法試験の受験資格を得られるケースが見られます。
ただし、必ずしもロースクール修了が試験の受験資格になるとは限らないため、事前の確認が必須です。
弁護士の登録要件の確認も必須
前項で、弁護士の受験資格について少し触れました。
弁護士資格をスムーズに取得するためには、試験の受験資格について確認が欠かせません。
また、受験資格だけでなく、弁護士の登録要件の確認も必須です。
日本の場合は司法試験の合格後、司法修習の受講および修習終了時の試験に合格する必要があります。
司法試験に合格した後すぐに弁護士登録できるわけではありません。
海外も同様に、弁護士登録をするためには、司法試験の合格後に一定の要件を満たす必要があるケースが多くみられます。
たとえば、アメリカのカリフォルニア州では試験合格後に以下3つの要件を満たす必要があります。
- MPRE(法律倫理に関する試験)で基準点以上を獲得
- バックグラウンドチェックを受け、弁護士登録ができるという結果を得る
- 大使館での宣誓を実施する
スムーズな資格取得のために、弁護士資格の登録要件も確認し早めに準備を進めましょう。
まとめ
国際弁護士になることで、国内外幅広く活躍ができる上、国際弁護士ならではの案件も獲得できるようになります。
国際弁護士が必要とされる案件は需要・難易度ともに高いため、高年収も期待できるでしょう。
国際弁護士には語学力や海外の法律知識など、高度なスキルが求められます。
また、海外で弁護士資格を取得するのであれば、国選びから登録要件のチェックといった事前準備が非常に重要です。
国際弁護士についての理解を深めた上で、国際弁護士になるかを判断する必要があります。
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