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社会保険労務士の資格を取得するためには、試験に合格する必要があります。
試験に向けた勉強はもちろん、試験そのものに対する正しい理解も必要不可欠です。
今回は社会保険労務士試験について詳しく解説します。
社会保険労務士試験の概要
まずは社会保険労務士試験の概要について紹介します。
社会保険労務士試験の受験資格
社会保険労務士試験を受けるためには、学歴・実務経験・特定の国家試験合格、いずれかの受験資格を満たす必要があります。
ひとつでも要件を満たしていれば受験可能です。
学歴
学歴に関する受験資格は以下の通りです。
- 大学・短期大学・専門職大学・高等専門学校等を卒業している
- 大学に在学中の場合、修得単位数の要件を満たしている
- 一定の要件を満たす専門学校を卒業している
- その他厚生労働大臣が認めた学校等を卒業、もしくは所定の課程を修了している
- 個別の受験資格審査により、短期大学を卒業した者と同等の学力を有すると認定された
実務経験
実務経験として、所定の業務に従事した経験が通算で3年以上必要となります。
要件を満たす実務経験の具体例は以下の通りです。
- 健康保険組合や労働保険事務組合等、労働社会保険法令の規定に基づいて設立された法人での実施事務
- 国または地方公共団体における公務員、日本郵政公社の職員
- 全国健康保険協会、日本年金機構における社会保険諸法令の実施事務
- 社会保険労務士もしくは弁護士の補助事務
- 労働組合業務
- 会社その他の法人における労務担当
- 労働社会保険諸法令に関する事務
いずれの場合も、受験資格を証明する書類として実務経験証明書の原本または写しを提出する必要があります。
特定の国家試験合格
司法試験の予備試験、行政書士試験、その他厚生労働大臣が認めた国家試験に合格している者は社会保険労務士試験の受験資格を有します。
社会保険労務士試験の試験形式・試験科目
社会保険労務士試験は択一式試験と選択式試験という2つの試験形式があり、どちらもマークシート形式です。
試験科目は以下の8つです。
- 労働基準法及び労働安全衛生法
- 労働者災害補償保険法
- 雇用保険法
- 労務管理その他の労働に関する一般常識
- 社会保険に関する一般常識
- 健康保険法
- 厚生年金保険法
- 国民年金法
社会保険労務士試験では、択一式試験と選択式試験それぞれの総得点に合格基準点が設定されています。
また、それぞれの科目ごとにも合格基準点が定められており、1科目でも合格基準点未満の場合は不合格です。
社会保険労務士試験のスケジュール
社会保険労務士試験の出願から受験、合格発表までの大まかなスケジュールを紹介します。
受験申込受付期間 | 毎年4月中旬~5月下旬 |
試験日 | 8月の第4日曜日 |
合格発表 | 10月上旬 |
受験案内や願書の取り寄せは、毎年3月上旬から可能です。
郵送による取り寄せでは請求から手元に届くまで最大2週間ほどかかる恐れもあるため、早めの手続きをおすすめします。
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社会保険労務士試験の出願について
続いて、社会保険労務士試験の出願について詳しく解説します。
社会保険労務士試験の申し込み方法
社会保険労務士試験の申し込み方法は、願書を郵送する方法もしくはインターネットで申し込む方法の2種類です。
郵送で申し込む場合は、事前に受験案内および願書を取り寄せる必要があります。
往信用封筒の表面に請求者の郵便番号・住所・氏名、そして赤字で「受験案内請求」と記載が必要です。
切手を貼り付けた返信用封筒を入れて試験センターに郵送することで、取り寄せの手続きが完了となります。
請求受付期間は毎年3月上旬から5月下旬(受験申込受付期間の最終日)となっています。
ただし、郵送事故や遅延の恐れもあるため、5月上旬には試験センターに返信用封筒が到着するよう準備するのが安心です。
受験案内や願書が届いたら、必要書類の準備および郵便局の窓口で受験手数料の支払いを行い、簡易書留で申込書類一式を郵送します。
インターネット申し込みは、社労士試験オフィシャルサイトからアクセスできる申込み専用サイトで行います。
サイトでの申込手続きを始める前に、提出書類の画像等アップロードが必要なデータファイルを用意しておくと効率的です。
画面の案内に従ってデータファイルのアップロードや受験手数料の支払いを進めましょう。申込が完了すると完了メールが届きます。
社会保険労務士試験の必要書類
郵送による出願・インターネットによる出願の両方で必要となる書類は以下の通りです。
- 顔写真
- 受験資格証明書
郵送の場合は受験申込書および受験手数料の払込受領書も必要となります。
インターネット申込みの場合は画面上で必要事項の入力や手数料の払込を行うため、別途書類を用意する必要はありません。
なお、試験科目の一部免除や特別措置の申請などを行う場合、別途書類が必要となります。
必要書類の詳細は、必ず最新の受験案内をご確認ください。
社会保険労務士試験出願後の流れ
社会保険労務士試験の出願後、特に必要な手続きはありません。
8月上旬に受験票が届き次第、試験会場や時間等の内容を確認する程度です。
なお、所定の期日までに受験票が届かない・氏名等内容に誤りがある場合、試験センターへ連絡する必要があります。
試験センターへの連絡にも期日が設けられているため、必ずご確認ください。
社会保険労務士試験の勉強のコツ
社会保険労務士試験に向けた勉強のコツを6つ紹介します。
必ずスケジュールを立てる
社会保険労務士試験は非常に広い範囲から出題されます。
試験範囲をすべて網羅するためには、勉強の進め方について計画が必要不可欠です。
社会保険労務士のように、出題範囲が広く長期的な勉強が必要な試験の場合、以下のようにスケジュールを立てることをおすすめします。
- 試験日から逆算して、いつまでにどの範囲を終わらせるかを決めていく
- 1週間~1ヶ月単位の勉強計画を立てる
- 平日・休日それぞれの勉強スケジュールを設定する
労働基準法から勉強する
社会保険労務士試験は複数の試験科目によって構成されています。
どこから勉強するべきか悩んでしまうかもしれませんが、最初に労働基準法から勉強するのがおすすめです。
労働基準法は社会保険労務士試験の試験科目・出題範囲すべての基礎となります。
労働基準法から勉強することで土台がしっかりと出来上がり、その後の勉強をスムーズに進められる・理解がしやすいといった効果が期待できます。
暗記より理解が重要
社会保険労務士試験の勉強では、暗記よりも理解が重要です。
各法律や規則が存在する理由や考え方などを押さえることで、頭に入りやすくなります。
頭に詰め込みとにかく覚えるといった勉強法ではなく、多少時間がかかっても理解を深めることを優先しましょう。
頻出分野を押さえる
社労士試験に向けて満遍なく勉強するのが理想ではありますが、範囲が非常に広いため、すべてを完璧にするのは容易ではありません。
そのため頻出分野に力を入れて勉強するのがおすすめです。
テキストで重点的に解説されている部分や、問題集・過去問で多く出題されている分野をしっかり押さえましょう。
ただし、社会保険労務士試験はそれぞれの科目ごとに合格基準点が定められており、1科目でも合格基準点未満の場合は不合格となります。
頻出分野を優先しつつ、それ以外の科目や分野もある程度は勉強することが大切です。
問題演習の時間を確保する
社会保険労務士試験のように出題範囲が広く難易度も高い試験は、演習と復習の繰り返しが必要不可欠です。
テキストを使ったインプットも大切ではありますが、インプットだけでは十分な理解が難しいといえます。
インプットに時間をかけすぎず、なるべく多くの問題演習ができるよう時間を確保しましょう。
長期戦を前提とする
社会保険労務士試験は試験範囲が広い上に難易度も高く、合格率は毎年10%未満です。
最初の1年での合格にこだわりすぎず、長期戦を前提とする必要があります。
もちろん短期合格を目指して勉強すること自体は悪くありません。
しかし、短期合格にこだわってしまうと、不合格になったときに大きなショックを受ける・モチベーションが下がってしまうといったリスクがあります。
気持ちを上手く切り替えて次年度以降の勉強に励めるよう、最初から長期戦を前提とした意識を持つことをおすすめします。
まとめ
社会保険労務士試験は科目数の多さや試験範囲の広さが特徴的であり、合格率は非常に低い数値です。
出願や必要書類に関するルールも厳しく設定されているため、試験そのものに対する理解が欠かせません。
社会保険労務士試験について正しい情報を押さえることが、試験合格に必須の要素といえます。
今回紹介した内容を押さえた上で、試験に向けた準備や勉強を進めましょう。
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