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建設業経理士という資格は、あまり耳にすることがないかもしれません。
一方で、建設業においてニーズが高く、有力な資格です。
今回は、建設業経理士とはどのような職業なのか、資格の概要や難易度について解説します。
建設業経理士とは
建設業経理士は、建設業界において、財務や経理の専門家として活躍しています。
資格取得により、さまざまなメリットがあるので、建設業において有益な資格です。
建設業経理士について、3つに分けてご紹介します。
- 建設業経理士について
- 建設業経理検定とは
- 2級以上は公共事業入札で経営事項審査の加点対象になる
1つ1つ解説していきましょう。
建設業経理士について
建設業経理士は、建設業特有の専門的な経理処理が行える資格を有した人を言います。
建設業は一般の商品売買とは異なる性質を有しているので、特殊な会計処理が求められることも少なくありません。
長期に及ぶ工事において、どのように損益を認識していくのかなどを、押さえていく必要があります。
建設業経理検定とは
建設業経理検定では、建設業における経理処理能力が問われます。
簿記検定の基礎的な内容だけではなく、建設業で必要な経理処理も学んでいきます。
簿記ほど汎用性は高くありませんが、専門性が高く、建設業で優遇される資格です。
建設業で経理を行う場合には、積極的に取得していくのが望ましいと言えます。
2級以上は公共事業入札で経営事項審査の加点対象になる
建設業経理士の2級以上を取得していると、経営事項審査の加点対象です。
公共事業を行うことは、安定した経営に繋げることができます。
会社の評価が上がるの人材として、就職や転職において有利に働くことが期待できます。
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建設業経理士の資格試験概要
建設業経理士の試験を取得するにあたり、試験概要を把握する必要があります。
建設業に特化した専門的知識だけではなく、簿記の基礎的知識まで身に付けていかなければいけません。
建設業経理士の試験概要を、3つに分けてご紹介していきます。
- 1〜4級に分かれている
- 各級5問出題、70%が合格基準
- 1級は3科目取得しなくてはならない
それぞれ解説していきます。
1〜4級に分かれている
1、2級は法律に基づいて実施される試験ですが、3、4級は(一財)建設業振興基金独自の試験として実施しているのが特徴です。
1年で2回の試験が行われて、上期で1、2級、下期で1~4級が実施されます。
1級と他の級を同日に受験することはできません。
各級5問出題、70%が合格基準
1級から4級までそれぞれ5問出題されます。
正答率70%が合格の標準です。
簿記のしくみから始まり、原価計算なども出題されます。
法律の理解が必要になる場合もあるので、簡単ではありません。
1級は3科目取得しなくてはならない
2級までは、問題が5問に集約されています。
一方で、1級は3科目に分かれており、それぞれ合格標準の点数を取得しなければなりません。
1級における3科目は以下の通りです。
- 財務諸表
- 財務分析
- 原価計算
それぞれに特徴があり、認識と測定だけではなく、表示や分析に至るまでを正確に理解していなければなりません。
比較されることの多い日商簿記1級を取得していたとしても、特殊な論点は解けないので特別に勉強が必要です。
建設業経理士の難易度はどれくらいか
建設業経理士は、各級で難易度が大きく異なります。
合格率は、回によってもバラつきがあり、対策が必要です。
1級における科目合格制や、3・4級の特別研修など、特殊な部分を理解しておきましょう。
建設業経理士の難易度はどのくらいなのか、3つご紹介していきます。
- 各級の合格率にはバラツキがある
- 1級は科目合格制
- 3・4級の特別研修による合格率は9割超
1つ1つ解説していきます。
各級の合格率にはバラツキがある
各級の合格率は一定ではなく、バラつきがあります。
4級に関しては、75~80%程度ですが、1級の原価計算は、11.2%の回もあり難易度が高いです。
出題内容により合格率が大きく変わることもありますが、基礎的な勉強を徹底していく必要があります。
自分が何級まで取得するつもりなのかを明確にして、勉強方法を模索する意識が大切です。
1級は科目合格制
1級は、3科目受験しなければなりませんが、科目合格制です。
合格通知書の日付から5年間有効なので、5年間のうちにすべての科目で合格標準を取得すると1級合格となります。
短期的に合格を目指していく必要はありますが、ある程度長期戦になることも想定して、計画的に勉強を進めていくことが大切です。
3・4級の特別研修による合格率は9割超
建設業経理士検定は、3・4級において特別研修を実施しています。
特別研修は、講習と検定試験を同時に行われるのが特徴です。
重要な個所を学んで試験に挑むことができるので、合格率は9割を超えています。
短期的に合格したい場合には、特別研修で合格を目指すのもひとつの手です。
建設業経理検定における注意点
建設業経理検定は、建設業の性質を理解する勉強をしていかなくては、効率的な学習ができなくなってしまいます。
また、専門的な内容なので、自分が働く現場で実際に必要な資格なのかを、冷静に判断していくことも大切です。
いくつかの注意点を事前に把握して、資格取得に挑んでいきましょう。
建設業経理検定における注意点を、3つご紹介していきます。
- 勘定科目が特殊
- 経営事項審査での加点は5年ごとに講習が必要
- 建設業以外では評価されないこともある
それぞれ解説していきます。
勘定科目が特殊
建設業経理士は、建設における専門的な経理処理を行うので、勘定科目が特殊です。
勘定科目に慣れていないと難しく感じてしまい、経理処理が分からなくなってしまうこともあります。
特殊な勘定科目は覚えることが難しいので、日頃から慣れておかなければなりません。
経営事項審査での加点は5年ごとに講習が必要
建設業経理士の1・2級は、経営事項審査での加点を受けられます。
一方で、昨今において経済的変化が激しく、適合させるために会計基準の改正が頻繁に行われています。
建設業経理士においても知識のアップデートが大切であり、加点を受けるためには講習が必要となりました。
資格を保有してから5年間は経営事項審査の加点対象ですが、以降は5年毎に講習を受けなければなりません。
建設業以外では評価されないこともある
建設業経理士は、建設業に特化した資格です。
簿記の基礎を兼ね備えているとして評価される可能性は高いと言えます。
一方で、有名な日商簿記1級などと比較した場合には、劣ってみられてしまうこともあるでしょう。
建設業では有力ですが、他の業種で思っていた評価が得られないこともあるので注意が必要です。
まとめ
今回は、建設業経理士とはどのような職業なのか、資格の概要や難易度についてご紹介してきました。
建設業経理士は、誰もが知っている資格ではありませんが、建設業でニーズが高い資格です。
1、2級を取得しておけば、経営事項審査の加点対象となるので、就職や転職の際に優遇されます。
3・4級は特別研修もあるので、積極的に活用していきましょう。
上位級を目指すためには、資格の性質を把握して、日頃から計画的な学習を進めていくことが大切です。
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