転職お役立ち情報
日本の5大法律事務所は西村あさひ法律事務所、アンダーソン・毛利・友常法律事務所、長島・大野・常松法律事務所、森・濱田松本法律事務所、TMI総合法律事務所です。
本記事ではそれぞれの特徴や転職のポイントを解説します。
5大法律事務所とは
はじめに5大法律事務所について、事務所ごとの概要や特徴を紹介します。
西村あさひ法律事務所
西村あさひ法律事務所は、1966年に東京で設立された法律事務所をルーツとする国際総合法律事務所です。
設立年 |
1966年 |
拠点数 |
日本国内:5 海外:12 ※うち2は提携事務所 |
所属弁護士の数 |
800以上 |
強みとする分野 |
M&A、コーポレートガバナンス、ファイナンス等ビジネス法分野 |
特徴 |
・5大法律事務所の中で最も大きな規模感 ・「Solutions」「Commitment」「Spirit」の3つを強みに、豊かで公正な社会の実現を追求 ・法務に関する研修や講演等を実施する研究組織も運営 |
アンダーソン・毛利・友常法律事務所
アンダーソン・毛利・友常法律事務所は、日本有数のフルサービス法律事務所です。
設立年 |
1952年 |
拠点数 |
国内:3 海外:9 |
所属弁護士の数 |
2023年4月時点で648人 |
強みとする分野 |
企業法務、独占禁止法、労働法、アジアを中心としたグローバル案件(国際法務)等 |
特徴 |
・米国税理士であるジェームス・B・アンダーソン氏が設立した事務所がルーツであり、その後日本の法律事務所が統合した過程から「企業法務のパイオニア」とも呼ばれる ・国内外で広くサービスを提供している ・案件ごとにチームを編成する仕組みで、硬直的な指揮命令系統は設けていない |
長島・大野・常松法律事務所
長島・大野・常松法律事務所は、様々な分野の専門知識や経験を持つ弁護士が所属する法律事務所です。
設立年 |
2000年 |
拠点数 |
国内:1 海外:7 |
所属弁護士の数 |
2023年7月時点で564名 |
強みとする分野 |
コーポレート、ファイナンス、紛争解決、税務等企業活動に伴う法律問題全般 |
特徴 |
・海外留学を含めた教育・研修の機会を提供し、弁護士の能力向上に努めている ・立法活動や国際弁護活動等への参加にも積極的な姿勢 ・分野の異なる複数の弁護士がチームを組んでサービスを提供 |
森・濱田松本法律事務所
森・濱田松本法律事務所は、国内外問わず幅広い分野における専門性・実績を有する法律事務所です。
設立年 |
2002年 |
拠点数 |
国内:5 海外:8 |
所属弁護士の数 |
2023年7月時点で709人 |
強みとする分野 |
M&A、事業再生/倒産、ウェルス・マネジメント/相続・事業承継、国際法務等 |
特徴 |
・迅速かつ丁寧な対応のため、クライアントの目的や背景の深い理解に努める ・ベビーシッター制度や育児休暇制度など、ワークライフバランス実現につながる制度が充実 ・教育機関や諸外国の法制度の整備プロジェクトなど、様々な公益活動に取り組んでいる |
TMI総合法律事務所
TMI総合法律事務所は、豊富な経験を有する弁護士・弁理士・スタッフによって構成されている法律事務所です。
設立年 |
1990年 |
拠点数 |
国内:6 海外:18 |
所属弁護士の数 |
2023年7月1日時点で551人 |
強みとする分野 |
コーポレート、税務、環境エネルギー、海事法、保険等 |
特徴 |
・企業法務に限らず、環境・エネルギーや保険といった幅広い分野にも強みを持つ ・所員のコミュニケーションが活発であり、互いの価値観や専門性を認め合う伝統がある ・クライアントへのアドバイスだけでなく、その先の「ソリューション」を重視している |
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5大法律事務所のメリット
続いて、5大法律事務所で働くメリットを4つ紹介します。
高年収を得られる
5大法律事務所で働く大きなメリットが、高年収を得られる点です。
日本弁護士連合会が発表した「近年の弁護士の実態について(弁護士実態調査と事件動向調査を元に)」によると、登録から5年未満の弁護士の収入は、中央値が600万円となっています。(2018年調査時)
一方、5大法律事務所は初任給でも1,000万円を超えるケースが多いです。
弁護士として実績を積みスキルを伸ばしていくことで、将来的に高年収になる可能性はあります。
しかし、5大法律事務所であれば入社してすぐの頃から高年収を得られます。
当然、実績を積めばさらに高い年収になるでしょう。
5大法律事務所で働くことで、弁護士の中でも高年収になると期待できます。
幅広い業務を経験できる
幅広い業務を経験できる可能性がある点も、5大法律事務所で働くメリットのひとつです。
5大法律事務所は知名度が非常に高く信頼も獲得しているため、自然と多くの案件が集まります。
また、在籍している弁護士の数が多く対応できる業務の幅も広いため、他の法律事務所では対応できない案件も多い傾向です。
結果として、他の法律事務所では経験できないような業務に携われる可能性が高くなります。
ただし、ポジションや自身の専門性によっては、特定の分野に特化した働き方になるケースもあります。
幅広い業務を経験したいと考えるのであれば、応募するポジションや働き方に関する希望の伝え方について工夫が必要です。
職場環境が良い
5大法律事務所は扱う案件数や規模が大きいため、弁護士だけでなくパラリーガルや秘書、一般事務スタッフも多く在籍しています。
法律案件以外は弁護士以外のスタッフがメインで対応します。
つまり5大法律事務所は、弁護士の本業に集中しやすい環境です。
また、5大法律事務所は福利厚生や研修制度が充実している傾向です。
無理のない快適な働き方や、自己研磨がしやすい環境といえるでしょう。
転職で有利な可能性が高い
5大法律事務所では、他の法律事務所では難しい案件の対応や、充実した研修制度による学習などができるので、弁護士としてのキャリアアップがしやすい環境です。
そのため5大法律事務所での勤務経験を有する人は、他の法律事務所に転職する際に高く評価されると期待できます。
ただし「将来のさらなる転職のために、まずは5大法律事務所へ転職しよう」という考えはおすすめできません。
踏み台として考えるのではなく、あくまで弁護士としてのキャリア形成において大きなメリットを得られる職場と考えておくのが良いでしょう。
5大法律事務所の勤務経験は、5大法律事務所を退職した後にも評価される可能性が高いというイメージです。
5大法律事務所に転職するためのポイント
前提として、5大法律事務所では学歴が重視される傾向なので、ある程度の学歴が必要とされる点を把握しておきましょう。
その上で、転職を目指す際に押さえたいポイントを3つ紹介します。
語学力を上げる
5大法律事務所への転職に向けて、語学力を上げるのがおすすめです。
5大法律事務所に含まれる事務所は、すべて海外にも拠点を有しています。
グローバル案件に強みを持つ事務所であれば、必然的に語学力が求められる場面が多いでしょう。
所属する弁護士全員が外国語対応をするとは限りませんが、語学力が高い方が活躍の場が広がりやすい・チャンスを得やすいのは事実です。
一口に5大法律事務所と言っても、事務所や応募するポジションによって求められる語学力のレベルは異なります。
事前に募集要項を確認し、達成するべきレベルを把握しておくと効率的です。
専門性を身につける
専門性を身につけるのもひとつの手段です。
5大法律事務所全体の共通点として、専門分野の異なる弁護士がチームを組んで案件を担当する点が挙げられます。
複雑な法律案件はひとつの分野で解決できないケースが多いため、各々の専門分野を活かし協力して解決するイメージです。
そのため広く浅く幅広い案件に対応できる弁護士ではなく、強みとなる分野を持つ弁護士が重宝される傾向にあります。
幅広い分野の経験も大切ではありますが、専門性を深めることも意識しましょう。
強みのアピールも必要不可欠
どれだけスキルを磨き経験を積んだとしても、転職活動の場面で自分の能力を伝えられなければ評価につながりません。
そのため単純に強みを伸ばすだけでなく、強みをアピールする工夫や練習もしましょう。
転職エージェントのようなプロによる書類添削や面接対策・アドバイスを受けるのもおすすめです。
まとめ
5大法律事務所はそれぞれ得意分野や特徴に違いがありますが、規模が大きい・高度な案件を多く扱う点は共通しています。
高年収を得やすい・職場環境が良いなど、5大法律事務所ならではの大きなメリットも存在します。
5大法律事務所での勤務経験は、弁護士としての大きな成長につながるでしょう。
5大法律事務所はメリットが大きい分人気があるため、転職の競争率も高いです。
今回紹介したポイントを押さえ、5大法律事務所の転職に向けた対策を行いましょう。
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