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行政書士になるための方法は大きく3つ挙げられますが、最短で行政書士になるには試験合格を目指すのが効率的で確実です。
今回は行政書士になる方法や試験の概要、押さえたいポイントについて詳しく解説します。
行政書士になるには?資格取得の方法は3種類
行政書士資格を取得する方法は以下の3種類です。
- 行政書士試験に合格する
- 試験が免除される資格を取得する
- 公務員として一定年数の行政事務経験を積む
それぞれ詳しく解説します。
行政書士試験に合格する
最も一般的なルートは、行政書士試験に合格することです。
試験は年に1回、毎年11月の第2日曜日に実施されます。
しかし、試験に合格すれば自動的に行政書士資格を取得できるわけではありません。
行政書士として仕事をするためには、行政書士会への登録を行う必要があります。
登録時には申請書や身分証明書の他、履歴書・誓約書・試験合格証明書の原本の提出や、行政書士会入会金の支払い等も必要です。
申請から登録までには1〜2ヶ月程度かかるため、早めの書類提出を心がけましょう。
試験が免除される資格を取得する
特定の資格を有している場合は、行政書士に登録する資格を有します。行政書士試験を受ける必要がありません。
行政書士となる資格を有する者について、行政書士法第2条で明記されています。
- 弁護士となる資格を有する者
- 弁理士となる資格を有する者
- 公認会計士となる資格を有する者
- 税理士となる資格を有する者
なお、上記の試験はいずれも行政書士よりも合格率が低く、取得難易度が高いです。
そのため、行政書士試験の免除を受けるために上記の資格取得を目指すのは効率的とはいえません。
すでに資格を取得している人が、行政書士の業務も行うために登録するパターンが一般的です。
公務員として一定年数の行政事務経験を積む
公務員としての一定年数の行政事務経験を有する人も、試験を受けることなく行政書士の登録が可能です。
具体的には、以下のケースがあります。
- 最終学歴が中学卒の場合:以下いずれかの期間を通算して20年以上になる場合
- 国または地方公共団体の公務員として行政事務を担当した期間
- 行政執行法人または特定地方独立行政法人で行政事務に相当する事務を担当した期間
- 最終学歴が高校卒業以上の場合:上記の期間の通算が17年以上になる場合
最終学歴が中卒の場合は20年以上・高卒の場合は17年以上の行政事務(または行政書士に相当する事務)経験がある人は試験が免除されます。
こちらも非常に長い年月を要するため、試験免除のためだけに仕事をするというのは効率的といえません。
長く行政事務に携わってきた人が転職や退職に伴い行政書士として登録するパターンが多くみられます。
未成年の人は行政書士登録ができない
行政書士法第2条の2において、未成年者は行政書士となる資格を有しないと明記されています。
18歳未満の人は、行政書士試験の合格や試験免除となる資格を有していても、行政書士登録ができません。
また、行政書士登録が認められないその他のケースとして主な例を紹介します。
- 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
- 禁錮以上の刑に処せられ、執行を終えてから3年を経過しない者
- 公務員で懲戒免職の処分を受けた日から3年を経過しない者
最短で行政書士になるには試験合格を目指そう!
行政書士になる最短ルートは、行政書士試験の合格による資格取得です。
この章では、行政書士試験について詳しく解説します。
行政書士試験の概要
行政書士試験の概要を紹介します。
- スケジュール
- 申込期間:毎年7月下旬~8月下旬
- 試験日:毎年11月第2日曜日
- 合格発表:1月下旬
- 試験形式:筆記試験
「行政書士の業務に関し必要な法令等」は択一式及び記述式、「行政書士の業務に関連する一般知識等」は択一式 - 受験手数料:10,400円
- 合格基準:以下のすべてを満たす人が合格となります
- 「行政書士の業務に関し必要な法令等科目」の得点が満点の50%以上
- 「行政書士の業務に関連する一般知識等科目」の得点が満点の40%以上
- 試験全体の得点が満点の60%以上
試験科目および出題される内容は以下の通りです。
試験科目 |
内容 |
行政書士の業務に関し必要な法令等 |
憲法 行政法 民法 商法 基礎法学 |
行政書士の業務に関連する一般知識等 |
政治・経済・社会 情報通信・個人情報保護 文章理解 |
試験の合格率・必要な勉強時間の目安
行政書士試験の合格率は、一般財団法人行政書士試験研究センターの公式サイトで公開されています。
年度 |
合格率 |
令和4年度 |
12.13% |
令和3年度 |
11.18% |
令和2年度 |
10.72% |
令和元年度 |
11.48% |
平成30年度 |
12.70% |
引用元|一般財団法人行政書士試験研究センター「試験結果分析-試験結果の推移」
必要な勉強時間は人によって異なりますが、600〜1,000時間程度が1つの目安です。
法律の予備知識がある人や予備校・講座等を利用する場合、500時間程度で合格できるケースもあります。
法律初学者や独学の場合は必要な勉強量が自然と多くなるため、最低でも800時間は必要といわれています。
行政書士試験の受験資格
行政書士試験に受験資格の定めはありません。
年齢・学歴・国籍等を問わず、誰でも受験可能です。
ただし前章で紹介したように、未成年者は行政書士登録ができません。
未成年でも受験自体は可能ですが、試験に合格してもすぐに行政書士の登録はできないので注意してください。
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行政書士になるにはどのようなポイントを押さえるべき?
これまで紹介したように、行政書士になる最短ルートは試験に合格することです。
すなわち、行政書士になるために押さえたいポイントとは、行政書士試験に関するポイントと言い換えられます。
この章では、行政書士試験の合格に向けて押さえておきたいポイントを3つ紹介します。
勉強のスケジュールを立てる
行政書士試験をめざすにあたっては、勉強のスケジュールをしっかり立てることが重要です。
行政書士試験の合格に必要な勉強時間の目安は600〜1,000時間程度です。
仮に1年での合格を目指す場合、1,000時間勉強するためには1日3時間程度の勉強時間を確保する必要があります。
より短い期間での合格を目指すならば、1日の勉強時間をさらに増やす必要があります。
人によっては平日に時間を確保するのが難しいため、休日の勉強時間を長めにするケースもあるでしょう。
法学の勉強経験がある人や予備校に通う人の勉強時間はもう少し短くなりますが、それでも日々の勉強時間の確保は欠かせません。
数ヶ月以上の長い間コツコツと勉強を続けてトータルで十分な勉強時間を確保するには、スケジュールを立てる必要があります。
スケジュールを立てずに勉強を進めてしまうと、日々の勉強時間をどれぐらい取るべきか・どのようなペースで勉強するかの判断ができません。
また、基準となるスケジュールがないためメリハリをつけにくい恐れもあります。
本格的な勉強を始める前に、まずは勉強のスケジュールを立てることが大切です。
モチベーションを保つ工夫をする
行政書士試験の勉強をするにあたって、モチベーションを保つ工夫も欠かせません。
行政書士試験の合格率は11〜12%程度と、決して高くありません。
出題範囲が広く専門性も求められるため、必要な勉強量は自然と多くなります。
モチベーションが下がってしまうと、勉強に身が入らない・勉強する気になれない恐れがあります。
行政書士試験のように難易度の高い試験では長期間コツコツと勉強を続けることが重要となりますので、どのように自分のモチベーションを維持していくのかは重要なポイントです。
モチベーション維持に効果的な方法として、以下の例が挙げられます。
- 目標を口に出す・人に伝える
- 成果や進捗を見える化する
- オンとオフを切り替える方法を作る
- ご褒美を用意する
- 気分転換の時間を設ける
- 試験に合格した後のイメージをする
モチベーション維持に適した方法は人によって異なるため、いろいろ試しながら自分に合う方法を見つけるのも良いでしょう。
インプットとアウトプットをバランスよく行う
行政書士試験の勉強では、インプットとアウトプットをバランスよく行う必要があります。
行政書士試験では法令分野からの出題が多いため、法律の理解や暗記が欠かせません。
そのため、最初のうちはインプットが中心になるのが自然です。
ただし、インプットばかり進めていると、問題集を解く時間が短くなる・アウトプットに入る頃にはインプットした内容を忘れている恐れがあります。
とはいえ、アウトプットだけでは暗記や理解が不十分になってしまうので、インプットとアウトプットそれぞれをバランス良く行うことが大切です。
例として、数ページや1単元といった区切りの良い場所までインプットが進んだらその部分のアウトプットを行う、という方法が挙げられます。
また、アウトプットが不十分な個所を見つけたらその部分を時間をかけて重点的にインプットする、という方法もおすすめです。
インプットとアウトプットのバランスを考えながら勉強を進めましょう。
まとめ
行政書士になる方法は3つありますが、最短ルートは行政書士試験に合格する方法です。
受験資格は特に定められておらず誰でも受験でき、試験に合格すればすぐに行政書士に登録する資格を有します。
ただし、未成年者は試験を受けることはできるものの、行政書士登録はできないためご注意ください。
行政書士試験に合格するには、始めに勉強のスケジュールを立てることが大切です。
長期にわたって毎日しっかり勉強する必要があるため、モチベーション維持も必要となります。
また、インプットとアウトプットをバランスよく行うことも心がけましょう。
今回紹介した内容を、行政書士を目指す上での参考にしてください。
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