税理士業界トピックス

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2015.08.18

ロッテ、大塚家具にみる同族会社の事業承継

後継者問題に頭を悩ませている経営者は少なくありませんが、円滑・スムーズに事業承継を成功させるのは難しいものです。

とくに同族会社。最近では、大塚家具の親子喧嘩が話題になりましたが、あのロッテホールディングスもこの問題ではマスコミの格好のターゲットになっています。

経営権を巡る親族間の争いも、事業承継問題の一つです。同族会社の場合、相続問題も絡んでくるので、なおさら事業承継を難しくさせます。そのため、経営コンサルタントや税理士、公認会計士などの専門家が間に入ることも少なくありませんが、最近ではM&Aで第三者に売却というケースもよくあるようです。なかには、後継者を外部から招聘するケースも増えてきました。

プロ経営者を招聘し、注目されているのがサントリーホールディングス、武田薬品工業、資生堂です。サントリーは、ローソン前会長の新浪剛史氏を社長に登用し話題を集めました。武田薬品工業もフランス人で英製薬大手グラクソ・スミスクラインの幹部だったクリストフ・ウェバー氏を社長兼COO(最高執行責任者)に。資生堂は、日本コカ・コーラで社長・会長を務めた魚谷雅彦氏を社長に登用しました。欧米のようにプロ経営者の登用がうまくいくか、長期的な視点で観察していく必要がありますが、一方でこれまでの日本的企業経営というのも世界では注目されています。

世界には100年以上続いている企業が3千社あるそうです。帝国データバンクが公開したデータによると、2013年時点で創業100年を超える企業はなんと2万6144社。一番創業年が古い会社は、株式会社金剛組で、創業578年。なんと1435年も続いています。続いて創業587年、1426年続く財団法人池坊華道会です。
この100年超続く会社のほとんどが同族会社。この長寿企業が世界で研究の的になっています。

とはいうものの、同族企業の事業承継を考えるとき、グローバル展開する企業、大企業、小規模企業とでは、経営の考え方も違ってきます。古くて新しい問題、それが事業承継。枠組みだけでなく、後継者をどう育てるか、育成の問題を含め研究していく必要があります。

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Profile 宮口 貴志

税金の専門紙「納税通信」、税理士業界紙「税理士新聞」の元編集長。フリーライター及び会計事務所業界ウオッチャーとして活動。株式会社レックスアドバイザーズ ディレクター。

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