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連結子会社とはどんな会社なのでしょうか。
会社の規模拡大に伴い、連結子会社も誕生するケースが往々にあります。
連結子会社とは何の役割を担うのか、しっかりと認識している機会はなかなかないでしょう。
連結子会社とはどんな会社か、設立するメリットやデメリット、非連結子会社との違いを解説します。
連結子会社とは何か?
まず、連結子会社とは何を意味するのか解説します。
グループ会社や子会社との違いも見ていきますのでご参考ください。
連結の範囲に含められる子会社
連結子会社とは、親会社の連結財務諸表に連結して公表される子会社です。
言い換えれば、連結の範囲に含められる子会社であり、親会社に財務情報が合算される子会社でもあります。
連結子会社は連結決算の際、基本的にすべての子会社が連結対象です。
企業会計等で親会社の連結財務諸表に全て連結という形で掲載される場合も、連結子会社であることを指します。
連結財務諸表を作成する際、連結子会社が親会社の数値との合算対象です。
親会社が議決権を50%以上握っている会社を連結子会社と呼ぶこともあります。
グループ会社や子会社との違い
グループ会社は一連の会社の総称で、連結子会社もここに含まれます。
会計上の正式な名称は「関係会社」と言います。
グループ会社の中の、親会社の管理下にあるのが子会社です。
親会社とは、会社法により
親会社 株式会社を子会社とする会社その他の当該株式会社の経営を支配している法人として法務省令で定めるものをいう。
出典:会社法第2条第4号
と定義されています。
子会社は
子会社 会社がその総株主の議決権の過半数を有する株式会社その他の当該会社がその経営を支配している法人として法務省令で定めるものをいう。
出典:会社法第2条第4号
と定義されています。
一方、グループ会社は特に定義がありません。
大抵の場合、関係会社とほぼ同じような意味で、より一般的な名称としてグループ会社という単語が使われています。
ちなみに関連会社はまた別です。
それでは、連結子会社は会社計算規則において、「連結の範囲に含められる子会社」と定義されます。
つまり、親会社の連結財務諸表に連結して掲載される子会社を指します。
通常連結決算ではすべての子会社や関連会社を含めて連結範囲に含めた上での決算となります。
ただし、数が多いと不可能なため、重要性の高い子会社が連結対象に含められます。
区別するために、グループ会社や子会社との違いを知っておきましょう。
在籍出向と転籍出向の違いとメリットについてはこちらの記事もご覧ください。
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非連結子会社とは何か?
連結子会社ではない非連結子会社も存在し、どのような会社なのか気になりますよね。
非連結子会社とは何かを解説し、連結財務諸表で持分法が適用される場合についても説明します。
連結の範囲から除いた子会社
非連結子会社とは、連結対象ではない子会社を指し、親会社の支配が一時的で法人に含まれます。
非連結子会社は重要性の関係で、資産や売上高などから分析し、連結対象から外せる子会社です。
子会社のうち影響力や重要性が低く、企業グループ全体の経営や財務や経営状況への影響が少ない企業などは、連結対象から外せます。
しかし、議決権所有比率が20~50%の非連結子会社の場合、連結財務諸表で持分法が適用される場合があります。
財務状況や経営状態を鑑みて、連結させる必要がなければ、非連結子会社として連結の範囲に含めません。
含み損などがなく、連結開示しなくても関係者に誤解を与えないのも、非連結会社の特徴です。
連結子会社とはなぜ設立されるのか?そのメリット
連結子会社を設立すると、どのようなメリットがあるのか説明します。
意思決定の迅速化や事業責任の明確化など、各々のメリットを見ていきましょう。
意思決定の迅速化
連結子会社を設立することで、迅速な意思決定ができるようになります。
各子会社が事業に特化した経営をしているからであり、スピーディーな意思決定により、トラブルを的確に対処可能となります。
子会社が担当している事業の経営に力を注げるようになることも、連結子会社を設立するメリットです。
事業責任の明確化
連結子会社の設立で、子会社の事業責任が明確化され、どの子会社がどの程度の利益を得たのかはっきりします。
損失があった場合も、どの子会社がどのくらいの損失を出したのかが明確化されます。
エリアごとに子会社を設立する場合、連結子会社ごとの損失を把握することで、経営改善に取り組みやすくなるでしょう。
人事制度を導入可能
人事制度を導入できることも、連結子会社を設立するメリットに挙げられます。
子会社が人事制度を導入することで、適切な評価ができるようになり、従業員から評価への不満が出てくる可能性が少なくなります。
リスクの分散化
いくつかの連結子会社で事業をしている場合、1つの連結子会社で大きな損失が出てしまうこともあるでしょう。
その場合、親会社・子会社に関係なく、損失が出た事業とは無関係の部署にまで損失を与えてしまいます。
それを防止するための対策として、事業の分散化が有効です。
リスクも分散化されるので、会社全体のリスクを最小限に抑えられます。
なるべく低リスクで事業を行うために、連結子会社の分散化を視野に入れることも大切です。
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連結子会社を設立するデメリット
連結子会社を設立する場合、どのようなデメリットがあるのかを知ることも重要です。
デメリットも知っておくことで、何に気を付けて事業を展開していくべきなのか、ある程度の参考になるでしょう。
意思疎通の難しさ
親会社の支配下で子会社の経営が成り立っていますが、親会社と子会社は全く別の法人であることに変わりありません。
こうしたことから、親会社の監視の目が行き届きにくくなり、連結子会社との意思疎通が難しくなってしまいます。
コミュニケーション不足が起きてしまう恐れがあり、親会社の経営方針を連結子会社に遵守させることも厳しくなります。
連結子会社との連携に問題が生じないのかよく考えた上で、連結子会社の設立に踏み切ることも重要です。
コスト増の問題
親会社と連結子会社は別々の法人なので、それぞれに管理部門を設置しなければならず、機材購入費用や人件費などが発生します。
親会社1社で経営をするのと比べて、連結子会社への管理部門に費やすコストも掛ける分、コスト増の問題が避けられません。
コスト面の課題を踏まえて、連結子会社を設立すべきか判断しましょう。
管理職のマネジメントについてはこちらの記事もご覧ください。
親会社との情報共有の難しさ
連結子会社が経営の判断をするようになると、自社に不都合なことが親会社に伝わりにくくなります。
つまり親会社が、連結子会社のコンプライアンス違反を見つけるのが難しくなり、親会社の経営理念に反した経営が行われる恐れがあります。
親会社としては、連結子会社の意思を尊重しながら、経営を監督する義務があるため、連結子会社との情報共有が難しくなるのは大きな問題です。
信用問題にも関わることなので、連結子会社への監督が行き届かなくなるのはなるべく避けたいところです。
こうした問題に直面しても、情報共有できる対策を取れるかが、連結子会社設立のポイントとなります。
まとめ
以上、連結子会社について解説してきました。
親会社とはどのような関係のある会社なのか、目から鱗が落ちた気分になった方が多いでしょう。
非連結子会社もご紹介し、連結子会社とはどのように性質が異なる会社なのかもお伝えしました。
資産や売上高などから分析し、それほど重要ではない子会社を連結の範囲から除外できるのが、非連結子会社の特徴です。
連結子会社を設立することで、意思決定が迅速になるなどのメリットがある反面、意思疎通が困難になるといったデメリットも起こる可能性があります。
それらを含め連結子会社を設立すべきかを判断し、理想的な経営に身を乗り出せることを祈ります。
Profile レックスアドバイザーズ
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