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日本の難関国家資格の中でも人気を集める公認会計士。
合格率10%前後の超難関国家資格であると同時に、高年収が期待できる安定した職業といわれています。
一方で「公認会計士の仕事はAIに奪われる」「公認会計士試験に将来はない」といった情報もあります。
さまざまな情報が錯そうする中で、実情が気になる方も多いのではないのでしょうか。
本記事では、公認会計士が本当に安定した職業であるかを徹底解説しています。
これから公認会計士試験を勉強する人や既に公認会計士を目指している人は、本記事をぜひ参考にしてみてください。
公認会計士は安定しているというイメージがある
公認会計士が安定しているイメージは、以下3つの特徴が関係しています。
- 三大国家資格のひとつ
- 試験に合格するとほとんどが監査法人に入社できる
- 監査法人は上場企業等にとってなくてはならない安定法人
それぞれの特徴を具体的に解説します。
三大国家資格のひとつ
公認会計士試験は、医師と弁護士に並ぶ日本の三大国家資格のひとつです。
企業の財務状況や社内規定を尊守できているかどうかを検査・評価する監査業務は、公認会計士の独占業務です。
また、資格保有者以外は無償であっても業務を行うことはできません。
試験に合格するとほとんどが監査法人に入社できる
監査業務を目的に設立された監査法人の新規・中途採用は、公認会計士試験のスケジュールに合わせて行われます。
言い換えれば、合格者に合わせたスケジュールで採用がはじまるため、試験合格者のほとんどは監査法人に入社します。
公認会計士以外にも米国公認会計士(USCPA)の有資格者や、コンサルティング業務経験者も同時期に採用される場合もあります。
監査法人は上場企業等にとってなくてはならない安定法人
上場企業と監査法人は、切っても切り離せない関係です。
なぜなら、企業の財務状況は投資家が投資するうえで重要な指標であり、企業が作成した財務諸表等を保証するために監査業務が存在するからです。
また、上場企業等のいわゆる大企業は、監査が義務付けられています。
監査の目的は、公正な立場から財務状況等の誤りがないかを確認し、業務の実態を公開することです。
この監査業務をすべて企業に任せてしまうと、売上の水増しや経費の架空計上といった不正帳簿が公開されてしまう可能性があります。
監査業務は、これらの不正を未然に防ぐ役割も担います。
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公認会計士は安定&高年収なのか
公認会計士が高収入で安定した職業である理由は、以下3つの特徴が関係しています。
- 監査法人が高年収である理由
- コンサルティングファームも高年収
- 弁護士・税理士と年収を比べてみよう
それぞれの特徴を具体的に解説します。
監査法人が高年収である理由
監査法人が高年収である理由は、監査法人のクライアントのほとんどが上場企業であることに加えて1クライアントあたりの報酬が大きくなり、従業員への報酬も比例して高くなるからです。
ただし、監査業務は高い専門性が必要であると同時に、重い責任が問われます。
監査業務を行うにも公認会計士の資格が必要であることを踏まえると、高年収に疑問を抱くことはないでしょう。
コンサルティングファームも高年収
コンサルティング業務は、企業が抱える課題を解決するための経営戦略等を提案・サポートする仕事です。
経営課題の解決には高いスキルが求められるため、多忙を極めます。
激務である一方で、コンサルティング業務にかかるコストのほとんどが人件費に該当します。
そのため、利益率が高く、従業員の年収に還元できることから高年収が期待できるのです。
弁護士・税理士と年収を比べてみよう
過去の賃金構造基本統計調査によると、公認会計士の平均年収は約1,000万円です。
一方、弁護士の平均年収は800〜900万円、税理士の平均年収は700〜800万円でした。
同様の士業である社会保険労務士(500万円前後)や司法書士(600万円前後)、行政書士(500万円前後)と比べても公認会計士は非常に高い年収で推移しているといえるでしょう。
公認会計士にも安定性のリスクはある!監査法人でのリストラ
高収入で安定した公認会計士ですが、過去に公認会計士のリストラや採用控えが起こった事例もあります。
本章では、監査法人のリストラや採用控えが起こった理由とその後の対策について解説しています。
監査法人でのリストラ・採用控えが起こった理由
過去、公認会計士が常に安定した需要を得ていたわけではありません。
2008年に起こったリーマンショックなどの影響により、2009年〜2011年まで会計士の需要が下がりました。
その結果、2009年の公認会計士試験合格者の3分の1が大手監査法人以外の就職先を余儀なくされました。
監査法人でリストラにあったらどうする?
経済危機によりリストラにあった場合は、他士業への登録やコンサルティングファームへの転職、会計事務所の独立開業など、幅広い選択肢があります。
また、公認会計士は税理士や行政書士に登録できるため、それぞれの独占業務を行うことができます。
さらに、近年の事業承継問題によるM&Aの増加に伴い、財務デューデリジェンス需要が増加。
高い専門スキルが問われるため、高収入も期待できます。
以上から、監査法人のリストラがあった場合でも、公認会計士はさまざまな業界への転職が期待できます。
公認会計士にも安定性のリスクはある!AIの台頭
近年のAI技術の発展により、AIに仕事が奪われて、なくなる職業がピックアップされました。
その中には公認会計士も該当しており、公認会計士業界においてもこのような不安を抱えている人も多いのではないでしょうか。
本章では、公認会計士の仕事がAIに奪われるのかに加えて、これからの公認会計士とAIの関係性について解説しています。
AIに奪われる職業としてピックアップされる
オックスフォード大学の研究により、一部の仕事がAIに奪われるというニュースとして注目を集めました。
その中に、公認会計士も含まれており注目を集めました。
たしかに、数字を扱う業務はコンピューター化されていくことは、どの業界にもいえることであり、この先間違いなくAIが活躍するでしょう。
しかし、財務状況が適正かどうかの判断など、AIが処理できない範囲がある以上は、公認会計士の仕事がなくなることはありません。
監査法人ではAIを利用した高度な監査に取り組んでいる
公認会計士業務の一部は、AI技術の発展により効率化できます。
例えば、各種帳簿の仕分け作業や預金等の残高チェックなど、いわゆる単純作業や計算業務はAIの得意分野です。
監査法人でもAIを導入して、監査業務の効率化を行っている企業も増えてきています。
AIにできない業務に強味を持つ
結論として、財務情報に問題ないかまでは現時点のAI技術では判断できません。
仮にできるようになったとしても、企業の外内部の環境を理解したうえで企業を評価するまでの技術には至ってません。
つまり、すべての公認会計士業務がAIに変わる可能性は非常に低いといえるでしょう。
公認会計士として安定して活躍するためには
公認会計士として、より安定を目指す人は、公認会計士としての基本的なスキルに加えて、「提案力」と「英語力」を身につけるのがおすすめです。
本章では、それぞれの知識がなぜ必要であるかを解説しています。
公認会計士としての基本的なスキルは必須
企業の監査では、監査業務の他に税務業務が絡んできます。
試験の範囲はもちろん、深い税務知識も基本スキルとして身につけておく必要があります。
また、公認会計士と税理士を別々に顧問契約する企業は少ないため、税務知識を身につけることに加えて、税理士への登録も行いましょう。
プラスアルファのスキル:提案力
昇進や独立開業を目指している人は、監査業務の他にも仕事を獲得するための提案力(プレゼン力)を身につけましょう。
提案力を磨くことで、営業力、人脈作り、問題解決能力が身に付きます。
プラスアルファのスキル:英語力
近年では、グローバル展開を見据えたスタートアップや海外で活躍する日本企業も多くなってきています。
海外企業の監査を円滑に行うためには英語力が必須です。
英語力を身につけることは、監査法人でのキャリアアップに加えて、転職や独立開業にも有利に働くスキルです。
公認会計士を目指す人は、英語力を鍛えてグローバル展開を視野に入れた勉強を行いましょう。
まとめ
公認会計士の安定性についての理解は深められたでしょうか。
2009年以降の経済危機により公認会計士の需要は一時的に減少しましたが、今現在は売り手市場です。
仮に、監査法人に入社できなかったとしても、税理士やコンサルタントなどの高年収が期待できる業界でも活躍できます。
Profile レックスアドバイザーズ
公認会計士・税理士等の有資格者をはじめとする会計人材専門特化した人材紹介会社。
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